振り回すのはどっち
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インターハイ当日。
徹が小学生の時は一度も試合の応援に行ったことなかったし、なんなら練習風景も見たことがない。
だから徹がどのくらいの実力なのか、どのポジションなのか全く分からない。
ポジションくらいは事前に聞いておいても良かったと後悔。
観客席に座り、試合が始まるのを待った。
すると青葉城西と書かれた応援うちわを持った女の子たちが近くの席に座ってきた。
私服だったけど、おそらく徹と同じ高校の子だろう。
うちわをパタパタと扇ぐため、もう片方の面も見えた。
一人は“まっつん”、もう一人は“及川さん”の文字が。
及川さんって……徹のこと?
へぇ、やっぱりモテるんだ。
しかも可愛い子で良かったね。
そんなことを考えていると、選手たちがコートへと集まってきた。
………あ、徹だ。
私は手を振ろうかと思ったけど、
「キャー!及川さーん!」
「松川先輩!頑張ってください!」
先程の応援うちわを持った女の子たちの黄色い声援に圧倒されて、何も言えなかった。
私より、あの子たちに応援されたほうが嬉しいよね。
うん、そうだ、そうだ。
自分を納得させるように言い聞かせた。
対戦校がウォーミングアップしているのを順番待ちしている青葉城西の選手たち。
徹、チームメイトたちに弄られていない?
背中をバシバシ叩かれたり、指さされて笑われたり。
あんな高校生らしい姿の徹を初めて見たかもしれない。
私の前では頑張って大人ぶっていると言うか……。
だけど、それが空回ってどことなく可愛くも感じたりして。
両校ウォーミングアップが終わった後、整列する前に徹はチームメイトたちに向かって一言言った。
「それじゃあ今日も信じてるよ、お前ら」
信じてるよ………か。
都合がいいのかもしれないけど、まるで私に言ってくれたように感じた。
ああ、そうか。
私は自分の自信のなさを徹のせいにしていたんだ。
こんな私を好いてくれるわけないって、徹の気持ちを疑ったんだ。
ふとマユリが言っていた言葉を思い出した。
“説明できる好きは好きじゃない”
腑に落ちた。
私も徹を信じないと。
徹が小学生の時は一度も試合の応援に行ったことなかったし、なんなら練習風景も見たことがない。
だから徹がどのくらいの実力なのか、どのポジションなのか全く分からない。
ポジションくらいは事前に聞いておいても良かったと後悔。
観客席に座り、試合が始まるのを待った。
すると青葉城西と書かれた応援うちわを持った女の子たちが近くの席に座ってきた。
私服だったけど、おそらく徹と同じ高校の子だろう。
うちわをパタパタと扇ぐため、もう片方の面も見えた。
一人は“まっつん”、もう一人は“及川さん”の文字が。
及川さんって……徹のこと?
へぇ、やっぱりモテるんだ。
しかも可愛い子で良かったね。
そんなことを考えていると、選手たちがコートへと集まってきた。
………あ、徹だ。
私は手を振ろうかと思ったけど、
「キャー!及川さーん!」
「松川先輩!頑張ってください!」
先程の応援うちわを持った女の子たちの黄色い声援に圧倒されて、何も言えなかった。
私より、あの子たちに応援されたほうが嬉しいよね。
うん、そうだ、そうだ。
自分を納得させるように言い聞かせた。
対戦校がウォーミングアップしているのを順番待ちしている青葉城西の選手たち。
徹、チームメイトたちに弄られていない?
背中をバシバシ叩かれたり、指さされて笑われたり。
あんな高校生らしい姿の徹を初めて見たかもしれない。
私の前では頑張って大人ぶっていると言うか……。
だけど、それが空回ってどことなく可愛くも感じたりして。
両校ウォーミングアップが終わった後、整列する前に徹はチームメイトたちに向かって一言言った。
「それじゃあ今日も信じてるよ、お前ら」
信じてるよ………か。
都合がいいのかもしれないけど、まるで私に言ってくれたように感じた。
ああ、そうか。
私は自分の自信のなさを徹のせいにしていたんだ。
こんな私を好いてくれるわけないって、徹の気持ちを疑ったんだ。
ふとマユリが言っていた言葉を思い出した。
“説明できる好きは好きじゃない”
腑に落ちた。
私も徹を信じないと。