振り回すのはどっち
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休み明け、お昼休憩中にマユリと飲んだ日の話になった。
「この間は迷惑かけちゃってごめんね〜。タクシーの運転手さんに起こされて、やんわり事情を聞いたよ」
参った参ったと笑うマユリ。
「…………」
「あの後、何かあったの?」
私があまりにも無言だったからか、帰り道に襲われた?それとも●●も酔って記憶をなくした?と心配されてしまった。
マユリになら話してもいいかな。
先日あったこと。徹のこと。
「実はね……」
姉弟のように仲が良かった幼馴染の男の子と再開したこと。
その彼に告白されたけど、好きになった理由がないと言われたこと。
「きっと、からかわれたんだよね。彼、イケメンになっていたし」
「なるほどね〜。何で彼が自分のことを好いてくれているのか分からない、と」
「うん」
「じゃあちょっと質問するけど、私ってよく●●に彼氏の愚痴を言うでしょ?それ聞いてどう思った?」
「どうって………」
正直に言っていいから、と付け加えて言われたけど、言っても怒らないよね?
私は恐る恐る答えた。
「えっと……恋愛って大変だなーとか、なんで付き合っているんだろうって」
「そう、それ!」
マユリは正解、と言わんばかりの顔で私を指さした。
どれのことだろう。
「自分でも何であんなクズと付き合っているんだろうって思うよ」
ああ、そのこと。自覚はあったんだ。
「だけど好きになっちゃったんだから仕方がないじゃない?」
「はぁ」
そう言うものなのかな?
「だから、その彼も同じじゃないかな」
「うーん」
「では、そんな●●にどっかの有名人が言っていた名言で、“説明できる好きは好きじゃない”って言葉を送ろう」
「ありがとう、覚えておくね」
私は食べ終わったお弁当箱を片付けた。
ーーーー
残業のせいでいつもより帰宅するのが遅くなってしまった。
急ぎ足で帰ると、アパートの前に徹の姿があった。
「えっ、徹?!こんなところで何してるの?」
徹はこの間と同じ青葉城西と書かれたジャージを着ていた。
おそらく部活終わりなんだろう。
「連絡先交換していなかったから」
そう言えばそうだった。
当時の徹はスマホなんて持っていなかったもんね。
用があるときは走って伝えに来てくれていたし。
私は鞄からスマホを取り出し、徹と連絡先を交換した。
「それだけのために待っていたの?」
この間のことがなければ家に上がるか聞いたけど、今の私は徹を警戒しているから、そんな軽率なことはしない。
「あー、うん。今度試合があるんだけど、見に来て欲しくて」
「試合?」
「うん、インターハイ」
どうやら徹はバレーボール部の主将をやっているみたい。
小学生のときからクラブチームでバレーをやっていたことは知っていたけど、続けていたんだ。
凄いな。
「もちろん、時間があればでいいんだけど」
こんな時間まで待ってまでして私に伝えたかったことなのに、遠慮がちに言う徹。
そんなに伏し目がちにならなくても。
「行ってみようかな」
徹が長く続けているバレーがどんなものなのか興味が湧いた。
「本当に?!俺、頑張るから」
「うん、だから今日はもう帰りなよ?」
こんなことで体調を崩されたらたまったものじゃないから。
私は嬉しそうに手を振って帰る徹を見送った。
姿形は変わったけど、その後ろ姿は8年前のあの頃を彷彿とさせた。
「この間は迷惑かけちゃってごめんね〜。タクシーの運転手さんに起こされて、やんわり事情を聞いたよ」
参った参ったと笑うマユリ。
「…………」
「あの後、何かあったの?」
私があまりにも無言だったからか、帰り道に襲われた?それとも●●も酔って記憶をなくした?と心配されてしまった。
マユリになら話してもいいかな。
先日あったこと。徹のこと。
「実はね……」
姉弟のように仲が良かった幼馴染の男の子と再開したこと。
その彼に告白されたけど、好きになった理由がないと言われたこと。
「きっと、からかわれたんだよね。彼、イケメンになっていたし」
「なるほどね〜。何で彼が自分のことを好いてくれているのか分からない、と」
「うん」
「じゃあちょっと質問するけど、私ってよく●●に彼氏の愚痴を言うでしょ?それ聞いてどう思った?」
「どうって………」
正直に言っていいから、と付け加えて言われたけど、言っても怒らないよね?
私は恐る恐る答えた。
「えっと……恋愛って大変だなーとか、なんで付き合っているんだろうって」
「そう、それ!」
マユリは正解、と言わんばかりの顔で私を指さした。
どれのことだろう。
「自分でも何であんなクズと付き合っているんだろうって思うよ」
ああ、そのこと。自覚はあったんだ。
「だけど好きになっちゃったんだから仕方がないじゃない?」
「はぁ」
そう言うものなのかな?
「だから、その彼も同じじゃないかな」
「うーん」
「では、そんな●●にどっかの有名人が言っていた名言で、“説明できる好きは好きじゃない”って言葉を送ろう」
「ありがとう、覚えておくね」
私は食べ終わったお弁当箱を片付けた。
ーーーー
残業のせいでいつもより帰宅するのが遅くなってしまった。
急ぎ足で帰ると、アパートの前に徹の姿があった。
「えっ、徹?!こんなところで何してるの?」
徹はこの間と同じ青葉城西と書かれたジャージを着ていた。
おそらく部活終わりなんだろう。
「連絡先交換していなかったから」
そう言えばそうだった。
当時の徹はスマホなんて持っていなかったもんね。
用があるときは走って伝えに来てくれていたし。
私は鞄からスマホを取り出し、徹と連絡先を交換した。
「それだけのために待っていたの?」
この間のことがなければ家に上がるか聞いたけど、今の私は徹を警戒しているから、そんな軽率なことはしない。
「あー、うん。今度試合があるんだけど、見に来て欲しくて」
「試合?」
「うん、インターハイ」
どうやら徹はバレーボール部の主将をやっているみたい。
小学生のときからクラブチームでバレーをやっていたことは知っていたけど、続けていたんだ。
凄いな。
「もちろん、時間があればでいいんだけど」
こんな時間まで待ってまでして私に伝えたかったことなのに、遠慮がちに言う徹。
そんなに伏し目がちにならなくても。
「行ってみようかな」
徹が長く続けているバレーがどんなものなのか興味が湧いた。
「本当に?!俺、頑張るから」
「うん、だから今日はもう帰りなよ?」
こんなことで体調を崩されたらたまったものじゃないから。
私は嬉しそうに手を振って帰る徹を見送った。
姿形は変わったけど、その後ろ姿は8年前のあの頃を彷彿とさせた。