1/3の本音
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昼休みが終わり、午後の授業が始まるまでのわずかな休み時間。
徹が自分の教室に戻ったのを確認してから、私ははじめ君の席にそっと近付いた。
「なんだ、●●」
彼は机に肘をつき、単語帳をめくる手を止めずに言った。
飾り気のない低い声。
だけど、どこか私を案じているように感じた。
「あのさ……さっきの、徹の話」
私は周囲に聞こえないように声を潜めた。
「ああ、あの浮かれよう。またかよって話だよな」
はじめ君は顔を上げ、私の目を真っ直ぐに見つめた。
彼の視線は、隠しているはずの私の心の揺れを、全て見透かしているようだった。
「私……また、最低なこと思っちゃった」
唇を噛みしめ、絞り出すようにそう言う。
「徹が幸せそうなのに、心のどこかで、どうせすぐ別れるって、思っちゃうの。それで、もし別れたら、ホッとするんだろうなって……」
自分の本音を口にするのは、酷く醜い作業だ。
幼馴染として、友達として、徹の幸せを願うべきなのに。
私の心はいつだって、彼を手に入れたいという私利私欲にまみれている。
「……」
はじめ君は、すぐに答えなかった。
彼は窓の外の、遠くの景色をしばらく見つめていた。
その横顔は、何かを思案しているようでもあり、私を責める気配は微塵もなかった。
やがて、彼はフッとため息のような息を漏らした。
「別に、最低なんかじゃねえだろ」
その言葉は、予想外に優しかった。
「お前は、アイツのこと、ガキの頃からずっと好きなんだ。あんなアホ面して、彼女だなんだって騒いでるのを見りゃ、イラついて当然だろ」
彼はもう一度私の方へ視線を戻し、少しだけ口角を上げた。
その笑顔は、私を包み込むような、温かいものだった。
だけど、彼はすぐに表情を引き締め、私の逃げ道を塞ぐように言った。
「ただ、俺はお前にもイラついてる」
はじめ君は、机に置いた単語帳の表紙を、指先で小さく叩いた。
一定のリズムが、私の焦燥を煽る。
「いい加減告白しろよ」
直球すぎる言葉に、息が止まりそうになる。
「だって、付き合うってことは、別れがやってくるってことなんだよ?そんなのできない」
私の声が、情けないほど震えた。
もし付き合って、もしダメになったら。
その時は、きっと私は徹と顔を合わせることさえできなくなる。
幼馴染という、特別な場所を失うことが怖くてたまらないのだ。
「あっそ……。なら、●●の好きにしろ」
はじめ君は突き放すようにそう吐き捨てると、壁の掛け時計に視線を投げた。
「……そろそろ、チャイム鳴るな」
「うん……」
私は消え入りそうな声で返事をし、逃げるように自分の席へと足を向けた。
徹が自分の教室に戻ったのを確認してから、私ははじめ君の席にそっと近付いた。
「なんだ、●●」
彼は机に肘をつき、単語帳をめくる手を止めずに言った。
飾り気のない低い声。
だけど、どこか私を案じているように感じた。
「あのさ……さっきの、徹の話」
私は周囲に聞こえないように声を潜めた。
「ああ、あの浮かれよう。またかよって話だよな」
はじめ君は顔を上げ、私の目を真っ直ぐに見つめた。
彼の視線は、隠しているはずの私の心の揺れを、全て見透かしているようだった。
「私……また、最低なこと思っちゃった」
唇を噛みしめ、絞り出すようにそう言う。
「徹が幸せそうなのに、心のどこかで、どうせすぐ別れるって、思っちゃうの。それで、もし別れたら、ホッとするんだろうなって……」
自分の本音を口にするのは、酷く醜い作業だ。
幼馴染として、友達として、徹の幸せを願うべきなのに。
私の心はいつだって、彼を手に入れたいという私利私欲にまみれている。
「……」
はじめ君は、すぐに答えなかった。
彼は窓の外の、遠くの景色をしばらく見つめていた。
その横顔は、何かを思案しているようでもあり、私を責める気配は微塵もなかった。
やがて、彼はフッとため息のような息を漏らした。
「別に、最低なんかじゃねえだろ」
その言葉は、予想外に優しかった。
「お前は、アイツのこと、ガキの頃からずっと好きなんだ。あんなアホ面して、彼女だなんだって騒いでるのを見りゃ、イラついて当然だろ」
彼はもう一度私の方へ視線を戻し、少しだけ口角を上げた。
その笑顔は、私を包み込むような、温かいものだった。
だけど、彼はすぐに表情を引き締め、私の逃げ道を塞ぐように言った。
「ただ、俺はお前にもイラついてる」
はじめ君は、机に置いた単語帳の表紙を、指先で小さく叩いた。
一定のリズムが、私の焦燥を煽る。
「いい加減告白しろよ」
直球すぎる言葉に、息が止まりそうになる。
「だって、付き合うってことは、別れがやってくるってことなんだよ?そんなのできない」
私の声が、情けないほど震えた。
もし付き合って、もしダメになったら。
その時は、きっと私は徹と顔を合わせることさえできなくなる。
幼馴染という、特別な場所を失うことが怖くてたまらないのだ。
「あっそ……。なら、●●の好きにしろ」
はじめ君は突き放すようにそう吐き捨てると、壁の掛け時計に視線を投げた。
「……そろそろ、チャイム鳴るな」
「うん……」
私は消え入りそうな声で返事をし、逃げるように自分の席へと足を向けた。
