親指の恋
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賭けは私の完敗。
画面越しの恋愛の卒業は失恋と言う形で終わった。
だけど最後にこれだけは聞かせてほしい。
「徹、何で泣いてるの?」
私が静かに声をかけると、不意に徹の肩が小さく震えた。
「だって…」
今までどれほど我慢していたのだろう。
徹の大きな瞳から、次々と涙がこぼれる。
それは子どものように無防備で、痛々しいほど真っすぐだった。
別れを告げられて悲しいはずなのに、涙を流す徹の表情が、あまりにも綺麗で、思わず見惚れてしまった。
「本当は別れたくなんかない」
絞り出すような声。
おそらく今日ここに来るまで、徹は自分の弱さや寂しさをずっと押し殺していたのだろう。
画面越しでも伝えられたのに、それをしなかった、徹なりの誠意。
だからこそ、徹の本当の気持ちに触れられた。
「別れたくないけど……、俺のわがままのせいで●●ちゃんにたくさん寂しい思いさせた上、束縛した生活を送らせていると思うと……堪えられない」
徹が袖で何度も涙を拭う。
その手元が小さく震えている。
私は覚悟を決めて、そっと徹の手を握った。
「徹……ねぇ聞いて」
ゆっくりと言葉を紡ぐ。
徹が赤くなった目元でじっと私を見つめかえしてくれる。
「私ね、栄養士になるための勉強をしているの。最初は何となく選んだ道だったんだけど……」
一度、大きく深呼吸して、今まで言えなかった想いを初めて口にした。
「短大を卒業したらアルゼンチンに行こうと思ってた。それで、徹の食生活のサポートができたらなって。今ではそれがモチベーションになっているの」
わずかに驚いたように目を見開いた徹。
「●●ちゃん…」
私は思いきり胸を張り、少し強がるように笑う。
「だから待ってて、絶対に会いに行くから!」
徹がゆっくりと、だけど確かに微笑んだ。
「なんか●●ちゃん、頼もしくなったね」
「忍耐力は鍛えられましたから」
私はひとつ深呼吸して、いたずらっぽくえっへんと胸を叩いた。
「待ってる」
徹はそう言って、私の両頬をそっと包み、重なるように唇を近付けてきた。
淡い夕暮れの光に包まれ、私たちは静かにキスを交わす。
ーーFinーー
画面越しの恋愛の卒業は失恋と言う形で終わった。
だけど最後にこれだけは聞かせてほしい。
「徹、何で泣いてるの?」
私が静かに声をかけると、不意に徹の肩が小さく震えた。
「だって…」
今までどれほど我慢していたのだろう。
徹の大きな瞳から、次々と涙がこぼれる。
それは子どものように無防備で、痛々しいほど真っすぐだった。
別れを告げられて悲しいはずなのに、涙を流す徹の表情が、あまりにも綺麗で、思わず見惚れてしまった。
「本当は別れたくなんかない」
絞り出すような声。
おそらく今日ここに来るまで、徹は自分の弱さや寂しさをずっと押し殺していたのだろう。
画面越しでも伝えられたのに、それをしなかった、徹なりの誠意。
だからこそ、徹の本当の気持ちに触れられた。
「別れたくないけど……、俺のわがままのせいで●●ちゃんにたくさん寂しい思いさせた上、束縛した生活を送らせていると思うと……堪えられない」
徹が袖で何度も涙を拭う。
その手元が小さく震えている。
私は覚悟を決めて、そっと徹の手を握った。
「徹……ねぇ聞いて」
ゆっくりと言葉を紡ぐ。
徹が赤くなった目元でじっと私を見つめかえしてくれる。
「私ね、栄養士になるための勉強をしているの。最初は何となく選んだ道だったんだけど……」
一度、大きく深呼吸して、今まで言えなかった想いを初めて口にした。
「短大を卒業したらアルゼンチンに行こうと思ってた。それで、徹の食生活のサポートができたらなって。今ではそれがモチベーションになっているの」
わずかに驚いたように目を見開いた徹。
「●●ちゃん…」
私は思いきり胸を張り、少し強がるように笑う。
「だから待ってて、絶対に会いに行くから!」
徹がゆっくりと、だけど確かに微笑んだ。
「なんか●●ちゃん、頼もしくなったね」
「忍耐力は鍛えられましたから」
私はひとつ深呼吸して、いたずらっぽくえっへんと胸を叩いた。
「待ってる」
徹はそう言って、私の両頬をそっと包み、重なるように唇を近付けてきた。
淡い夕暮れの光に包まれ、私たちは静かにキスを交わす。
ーーFinーー
