親指の恋
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付き合って1年以内に私はアルゼンチンへ、徹も日本に来てくれた。
織姫と彦星並みにしか会えず、それ以外のときはいつも通りトークアプリでのやり取り。
寂しい。声が聞きたい。会いたい。
ーーーー
お洒落なカフェで岩ちゃんと待ち合わせをした。
「ツラい」
「お前、卒業式のときもそんな顔してたぞ」
こんなとき、話を聞いてくれるのはいつも岩ちゃん。
大学生になっても仲良くしてくれる彼はとてもありがたい存在だった。
「いっそうのこと別れた方が楽になるかな」
「別れたら別れたでツラいって言うだろう」
容易に想像がつく。
「お別れの文章まで考えちゃった」
「末期だな」
岩ちゃんにお別れ文のびっしり書いたスマホの画面を見せた。
「フリか?」
「残念、今回はメモ帳に書いたから」
岩ちゃんはなんだ残念、と笑った。
他人事だと思って。
「付き合うのも愛を伝えるのも喧嘩するのも別れるのもスマホのボタン一つって、本当に付き合ってるって言えるのかな」
正確には別れていないけど。
メッセージを打ち込んでポンッと送信ボタンを押せば物のわずかで済んでしまう。
「いいんじゃね?好きなのには変わりないだろ」
「うん、好き。めちゃくちゃ好き。あ、徹のことが、だからね!」
岩ちゃんは分かってるよ、とあの時みたいにポンッと私の頭を軽く叩いた。
岩ちゃんって人の頭を叩くのが好きなのかな。
織姫と彦星並みにしか会えず、それ以外のときはいつも通りトークアプリでのやり取り。
寂しい。声が聞きたい。会いたい。
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お洒落なカフェで岩ちゃんと待ち合わせをした。
「ツラい」
「お前、卒業式のときもそんな顔してたぞ」
こんなとき、話を聞いてくれるのはいつも岩ちゃん。
大学生になっても仲良くしてくれる彼はとてもありがたい存在だった。
「いっそうのこと別れた方が楽になるかな」
「別れたら別れたでツラいって言うだろう」
容易に想像がつく。
「お別れの文章まで考えちゃった」
「末期だな」
岩ちゃんにお別れ文のびっしり書いたスマホの画面を見せた。
「フリか?」
「残念、今回はメモ帳に書いたから」
岩ちゃんはなんだ残念、と笑った。
他人事だと思って。
「付き合うのも愛を伝えるのも喧嘩するのも別れるのもスマホのボタン一つって、本当に付き合ってるって言えるのかな」
正確には別れていないけど。
メッセージを打ち込んでポンッと送信ボタンを押せば物のわずかで済んでしまう。
「いいんじゃね?好きなのには変わりないだろ」
「うん、好き。めちゃくちゃ好き。あ、徹のことが、だからね!」
岩ちゃんは分かってるよ、とあの時みたいにポンッと私の頭を軽く叩いた。
岩ちゃんって人の頭を叩くのが好きなのかな。