親指の恋
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付き合って1年以内に私はアルゼンチンへ、徹も日本に来てくれた。
織姫と彦星並みにしか会えず、それ以外のときはいつも通りトークアプリでのやり取り。
画面越しの会話は楽しいけれど、握った手のぬくもりや、顔を見て笑い合う時間が恋しくてたまらない。
夜になると、ふと徹のことばかり考えてしまう。
寂しい、声が聞きたい、会いたい……。
そんな想いをぶつけられるのは、やっぱり岩ちゃんしかいない。
卒業したらもうお世話になることもないと思っていたのに、私の人生相談はいまだに彼が1番の相手だ。
友達ってありがたい。
岩ちゃんにはもう頭が上がらない。
ある晴れた日の午後。
お洒落なカフェで岩ちゃんと待ち合わせをした。
「ツラい」
机に突っ伏したい気持ちを抑えながら、岩ちゃんに弱音を吐く。
「お前、卒業式のときもそんな顔してたぞ」
岩ちゃんは苦笑しながら、ちょっとだけ眉を下げてコーヒーを一口飲んだ。
それでも岩ちゃんはいつも最後まで私の話を聞いてくれる。
ありがたい存在だ。
「いっそうのこと別れた方が楽になるかな」
ぽつりと口にした言葉に、岩ちゃんは呆れ顔。
「別れたら別れたでツラいって言うだろう」
容易に想像がつく。
さすが高校3年間を無駄に私と過ごしていないだけはある。
「お別れの文章まで考えちゃった」
「末期だな」
私はそっとスマホを取り出して、画面を岩ちゃんに見せる。
そこにはお別れの気持ちをしたためた文章がびっしり。
すると、彼はボタンを押す素振りを見せた。
「フリか?」
意地悪な表情を浮かべる岩ちゃん。
だけど、そこには送信ボタンはない。
「今回はメモ帳に書いたから」
岩ちゃんはなんだ残念、と笑った。
他人事だと思って。
「付き合うのも愛を伝えるのも、喧嘩するのも別れるのもスマホのボタン1つって、本当に付き合ってるって言えるのかな」
正確には別れていないけど。
メッセージを打ち込んでポンッと送信ボタンを押せば、物のわずかで済んでしまう。
「いいんじゃね?好きなのには変わりないだろ」
いつも通りぶっきらぼうで、でもその言葉に私は救われる。
「うん、好き。めちゃくちゃ好き。あ、徹のことが、だからね!」
慌てて断りを入れる私の頭を、
「分かってるよ」
と、岩ちゃんはあの時みたいにポンッと軽く叩いた。
岩ちゃんって人の頭を叩くのが好きなのかな。
織姫と彦星並みにしか会えず、それ以外のときはいつも通りトークアプリでのやり取り。
画面越しの会話は楽しいけれど、握った手のぬくもりや、顔を見て笑い合う時間が恋しくてたまらない。
夜になると、ふと徹のことばかり考えてしまう。
寂しい、声が聞きたい、会いたい……。
そんな想いをぶつけられるのは、やっぱり岩ちゃんしかいない。
卒業したらもうお世話になることもないと思っていたのに、私の人生相談はいまだに彼が1番の相手だ。
友達ってありがたい。
岩ちゃんにはもう頭が上がらない。
ある晴れた日の午後。
お洒落なカフェで岩ちゃんと待ち合わせをした。
「ツラい」
机に突っ伏したい気持ちを抑えながら、岩ちゃんに弱音を吐く。
「お前、卒業式のときもそんな顔してたぞ」
岩ちゃんは苦笑しながら、ちょっとだけ眉を下げてコーヒーを一口飲んだ。
それでも岩ちゃんはいつも最後まで私の話を聞いてくれる。
ありがたい存在だ。
「いっそうのこと別れた方が楽になるかな」
ぽつりと口にした言葉に、岩ちゃんは呆れ顔。
「別れたら別れたでツラいって言うだろう」
容易に想像がつく。
さすが高校3年間を無駄に私と過ごしていないだけはある。
「お別れの文章まで考えちゃった」
「末期だな」
私はそっとスマホを取り出して、画面を岩ちゃんに見せる。
そこにはお別れの気持ちをしたためた文章がびっしり。
すると、彼はボタンを押す素振りを見せた。
「フリか?」
意地悪な表情を浮かべる岩ちゃん。
だけど、そこには送信ボタンはない。
「今回はメモ帳に書いたから」
岩ちゃんはなんだ残念、と笑った。
他人事だと思って。
「付き合うのも愛を伝えるのも、喧嘩するのも別れるのもスマホのボタン1つって、本当に付き合ってるって言えるのかな」
正確には別れていないけど。
メッセージを打ち込んでポンッと送信ボタンを押せば、物のわずかで済んでしまう。
「いいんじゃね?好きなのには変わりないだろ」
いつも通りぶっきらぼうで、でもその言葉に私は救われる。
「うん、好き。めちゃくちゃ好き。あ、徹のことが、だからね!」
慌てて断りを入れる私の頭を、
「分かってるよ」
と、岩ちゃんはあの時みたいにポンッと軽く叩いた。
岩ちゃんって人の頭を叩くのが好きなのかな。
