好きな人ほどいじめたい
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「いつの間にか出久君に個性が現れていたなんて、知らなかったよ」
そんな話をしながら一緒に登校する私たち。
バタバタしていたせいか、幼馴染みなのに入学するまで知らせてもらえなかった。
そっか、出久に個性が現れたのか。
「●●ちゃんが昔から励ましてくれたお陰だよ!だから●●ちゃんもきっと個性が現れるよ!」
「………ありがとう」
「●●ちゃんに個性が現れたらどうなるかなー。ご両親の個性って電極のマイナスを発生させる個性と、物を反発させる個性だったよね?そうなると………────」
出久君のお得意の考察でぶつぶつと私の個性を推測していく。
だけどね、出久君。
あなたが今考えていることは全て無駄なんだよ。
出久君は知らない、私に個性が現れていることを。
答えは既に出ている。
触れている相手を『ネガティブ』にする個性。
それは出久君みたいに最近現れたものじゃない。
もっと昔。
一番古い記憶、出久君と手を繋いで帰ったあの頃には既に現れていた。
泣き虫なくせに、いつも頑張る出久君を見ていると、無性にイライラした。
だから私は追い討ちをかけるように毎回励ます振りをして手を握って、何度もネガティブにした。
それなのに落ち込んだ後は必ず元気になって、私にお礼を言う。
“ありがとう”って。
バカじゃないの。
ネガティブにさせている本人に向かって“ありがとう”だなんて。
「電極のプラスとか……………反発ときたら抵抗?……いやでも………」
未だにぶつぶつと考察している出久君。
本当にお気楽なんだから。
なんだか久しぶりに出久君の落ち込む姿が見たいと思った。
幼馴染みの私がこんな感情を抱いていると知ったら、出久君はどんな顔をするかな。
悲しむかな、怒るかな、それとも泣いてくれるかな。
そんなことを考えていると、
「あ、麗日さんだ!」
学校の校門を潜ろうとした一人の女子生徒に向かって出久君が名前を呼んだ。
「じゃあ、僕行くね」
さっきまで私の個性のことを考えていたくせに。
コロッと他の女の子のところへ行くなんて。
「待って」
私は何故か彼女の元へ行って欲しくないと思い、咄嗟に出久君の手を掴んでしまった。
「何?●●ちゃん」
「えっと、……その」
引き止めたはいいけど、言葉が思い浮かばない。
そうだ、久しぶりに出久君に触れられたんだ。ネガティブにしたい。
私は個性を発動させた。
「……僕なんかが麗日さんに話しかけようだなんて、おこがましいよね。止めてくれてありがとう、●●ちゃん」
私はハッとして手を離した。
「でも、今日は日直で職員室に寄らないとだから、もう行くね。●●ちゃんも授業頑張ってね!」
「あ、うん」
出久君の後ろ姿を眺めることしか出来なかった。
私も教室へ急ごう。
自分の教室へ入り、席に座る。
久しぶりに出久君が落ち込む姿を見られたけど、見たかったのはあんなのじゃない。
他の女の子のことで落ち込んで欲しかったんじゃない。
この個性はネガティブの内容まではコントロールできない。なんて中途半端なんだ。
それにしても出久君の手、あんなに大きかったかな。
手荒れもしてて、きっと強くなるために努力したんだろう。
最近では傷だらけになって帰宅している。
出久君の部屋のカーテンはよく開けっぱなしになっているため、嫌でも見えてしまう。
なんであんなにも頑張れるんだろう。
出久君が努力をして輝けば輝くほど、私がやっていることの陰湿さが嫌になってくる。惨めだ。
そんな話をしながら一緒に登校する私たち。
バタバタしていたせいか、幼馴染みなのに入学するまで知らせてもらえなかった。
そっか、出久に個性が現れたのか。
「●●ちゃんが昔から励ましてくれたお陰だよ!だから●●ちゃんもきっと個性が現れるよ!」
「………ありがとう」
「●●ちゃんに個性が現れたらどうなるかなー。ご両親の個性って電極のマイナスを発生させる個性と、物を反発させる個性だったよね?そうなると………────」
出久君のお得意の考察でぶつぶつと私の個性を推測していく。
だけどね、出久君。
あなたが今考えていることは全て無駄なんだよ。
出久君は知らない、私に個性が現れていることを。
答えは既に出ている。
触れている相手を『ネガティブ』にする個性。
それは出久君みたいに最近現れたものじゃない。
もっと昔。
一番古い記憶、出久君と手を繋いで帰ったあの頃には既に現れていた。
泣き虫なくせに、いつも頑張る出久君を見ていると、無性にイライラした。
だから私は追い討ちをかけるように毎回励ます振りをして手を握って、何度もネガティブにした。
それなのに落ち込んだ後は必ず元気になって、私にお礼を言う。
“ありがとう”って。
バカじゃないの。
ネガティブにさせている本人に向かって“ありがとう”だなんて。
「電極のプラスとか……………反発ときたら抵抗?……いやでも………」
未だにぶつぶつと考察している出久君。
本当にお気楽なんだから。
なんだか久しぶりに出久君の落ち込む姿が見たいと思った。
幼馴染みの私がこんな感情を抱いていると知ったら、出久君はどんな顔をするかな。
悲しむかな、怒るかな、それとも泣いてくれるかな。
そんなことを考えていると、
「あ、麗日さんだ!」
学校の校門を潜ろうとした一人の女子生徒に向かって出久君が名前を呼んだ。
「じゃあ、僕行くね」
さっきまで私の個性のことを考えていたくせに。
コロッと他の女の子のところへ行くなんて。
「待って」
私は何故か彼女の元へ行って欲しくないと思い、咄嗟に出久君の手を掴んでしまった。
「何?●●ちゃん」
「えっと、……その」
引き止めたはいいけど、言葉が思い浮かばない。
そうだ、久しぶりに出久君に触れられたんだ。ネガティブにしたい。
私は個性を発動させた。
「……僕なんかが麗日さんに話しかけようだなんて、おこがましいよね。止めてくれてありがとう、●●ちゃん」
私はハッとして手を離した。
「でも、今日は日直で職員室に寄らないとだから、もう行くね。●●ちゃんも授業頑張ってね!」
「あ、うん」
出久君の後ろ姿を眺めることしか出来なかった。
私も教室へ急ごう。
自分の教室へ入り、席に座る。
久しぶりに出久君が落ち込む姿を見られたけど、見たかったのはあんなのじゃない。
他の女の子のことで落ち込んで欲しかったんじゃない。
この個性はネガティブの内容まではコントロールできない。なんて中途半端なんだ。
それにしても出久君の手、あんなに大きかったかな。
手荒れもしてて、きっと強くなるために努力したんだろう。
最近では傷だらけになって帰宅している。
出久君の部屋のカーテンはよく開けっぱなしになっているため、嫌でも見えてしまう。
なんであんなにも頑張れるんだろう。
出久君が努力をして輝けば輝くほど、私がやっていることの陰湿さが嫌になってくる。惨めだ。