大神晃牙
名前
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―「レオン!そいつから離れろ…っ」
「そんなに怒らなくてもいいでしょ」
ある休日に、ばったりと出会ったのは愛犬と散歩中の晃牙くんである。彼の愛犬を撫でくりまわしていたのを止められ、冒頭の台詞に戻る。粗暴な飼い主と違って、レオンは私に懐いてくれている様子だ。
「晃牙くんってば、そんなにムキになって…焼きもち?」
私を取られたくなかったの?なんて意地悪な一言を言ってみる。彼の反応は予想通り、眉根を寄せて苛立ちを露にしていた。いつもの事なので何も戸惑いはないけれど、少しくらい笑ってくれてもいいだろうに。
「焼きもちなんて妬くだけ無駄だろ」
「自分も構ってほしかったくせに~」
よしよし。と、彼の頭を撫でれば鋭い視線で睨まれてしまった。流石に調子に乗りすぎたかもしれない。私の脚に擦り寄ってくるレオンとは対象的に、彼からは威嚇されている。
「転校生、俺様をからかってんのか?」
「好きな子には意地悪したくなるって…いうでしょ?」
朔間先輩が彼をからかいたがる気持ちが分かった気がする。晃牙くん、凄くからかいがいがある。なんて白状すれば怒られるのだろうけど…。
「バッカじゃねーの。嘘くさいんだよ」
「そうだね。だって、全部嘘だもん」
今日は嘘をついても許される日なんだよ。と明かした途端に彼の表情が曇った。本日は4月1日。所謂エイプリルフール…。
「そんな事だろうとは思ったけどな」
「そんな不服そうな顔してるってことは期待してたんだね。晃牙くん素直じゃないなぁ」
拗ねる彼が可愛くて、頭を撫でようと伸ばした腕を掴まれた。そのまま、彼が顔を寄せたせいで私達の距離は僅か数センチ。頬に熱が集まるのを感じる。
「俺様はな、お前のそういうとこが苦手なんだよ」
「あの告白は本当なんだけどな…」
きっと、本心を伝えたら今までみたいに軽口を言い合えなくなるのだろう。別れ際に呟いた本音は彼の耳に届く事はなく、そのまま消えていった―
END