Ra*bits
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―簡潔に言おう。「日々樹渉許すまじ」
可愛い可愛い友也くんにちょっかいを出す変態仮面を私は敵視している。こんなにも友也くんが嫌がっているというのに、迷惑な奴だ。
「いつもありがとうございます。名前先輩」
日々樹に追いかけられていた彼を背にキョロキョロと辺りを見回す。私の制服の裾を握り締めて震えている彼には庇護欲を掻き立てられる。ひとまず、ガーデンテラスに来た私達は向かい合って作戦会議をしている。
「どうして変態仮面はこんな平凡な俺に執着するんでしょう。本当に謎です」
「私から見て友也くんは平凡じゃなくて可能性を秘めた将来有望な存在だよ。だから…あまり自分を卑下しないでほしいな」
「そ、そんな事仰ってくれるのは名前先輩だけですよ。名前先輩は俺の女神様です」
正直にアドバイスしただけなのに女神様なんて言われるとは非常に烏滸がましい。友也くんピュアすぎる。愛してる。
「俺が大人しくあの衣装を着れば、先輩にご迷惑をお掛けする事もないですし…」
部室に戻ります。と、意を決した様子で私にお礼を告げて歩き出した彼と私の前に、最大の敵が現れた。噂をすれば何とやら…。急いで友也くんを背に隠した。
「名前さん。また貴方が友也くんを匿っているんですね」
はい、出た変態仮面。私が幾度となく友也くんを匿っているせいで私まで日々樹に目を付けられたらしい。ジリジリとこちらに近付いてくる。
「そんなに演劇部の活動を邪魔するという事は、名前さんも演劇部に入りたいのでしょう」
貴方なら大歓迎ですよ。と彼の綺麗な手が私の頬に添えられた。睨みつける私に余裕の笑顔を向ける彼の腕を掴みあげた人物こそ、私の大事な友也くん本人で…。
「名前さんに気安く触るな。変態仮面」
END