蓮巳敬人
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※名前変換なし
―「年上のおねーさんを嬢ちゃん呼びすんのもいかがなもんかね。鬼龍くん」
―「アイドルに蛍光灯替えさせるわけにはいかん」
ショ●ニばりにリズリン廊下の蛍光灯を替えていたところ、うちの事務所のアイドルに叱られた私。私の手から新しい蛍光灯を取り上げた彼の名は蓮巳敬人。その隣の彼は鬼龍紅郎。「スカートが短い」とボソッと呟くの聞こえたぞ。蓮巳くん純粋すぎる。私とは目も合わせてくれずに脚立に乗って手早く蛍光灯を替えてくれた。それにしても、タイトスカートだし普通の長さなんだけどな。
「危なっかしくて見ていられなかったぞ。少しは頼れ」
年下男子に頭をクシャッと撫でられるのはなんか照れる。日頃から格好が派手だとか説教されること多くて優しさを見せられたことがなかった故に、こんなに優しげに微笑まれたらちょっと嬉しいぞ。鬼龍くんが言うには私のスカートが短い上に脚立に乗っているから際どく見えたらしい。そして、蓮巳くんは照れているだけらしい。可愛いな。
「俺はべつに照れているわけじゃない…!」
―「それは私じゃダメだろ」
「ドラマの役柄的に、他に適任がいないんだ」
そんなことがあった数日後、蓮巳くんが私に頭を下げてきた。何故!?と返答に困っていたら横から鬼龍くんが説明してくれた。なんでも、ドラマの役作りで、私に練習相手になって欲しいとのこと。蓮巳くんが出演する事になったドラマの内容はこうだ。ブランド大好き女が真面目系イケメンを拾う話。って…おい待て私はブランド好きOLじゃないぞ!とツッコミたかったけど。やめた。
「蓮巳くん?このドラマってキスシーンあるんですか!?」
「そうだ。だが、俺は全然経験がないし…」
私の部屋にアイドルがいる。相手はあの堅物な蓮巳くんだけど。私はキスの練習相手になったり役作りのサポートをしなければならないらしい。いいのか…?アイドル相手にこんなことして。と気が咎めるが彼の膝に跨って唇を奪ってみた。それにしても、綺麗なお顔をしていらっしゃる。年上としての余裕を見せたいところだが、なんか私が照れる無理。
「やはり手馴れているんだな。ところで、今のキスが俺の初めてだったと言ったら責任を取ってもらえるのだろうか?」
「私が蓮巳くんの初めてを奪ってしまったということ!?」
思わず土下座して謝ったら止められた。蓮巳くんのファーストキスの相手が私なのは申し訳なさすぎて、むしろ土下座くらいさせてほしい。気まずそうにしながらもドラマの役作りに意欲的なのか。私なんぞに頼むくらい経験ないの!?イケメンなのに?と思っていたけれど、蓮巳くんキス下手だったし納得。本当に経験ないんだ。唇に一瞬触れるだけのそれはすぐに離されてしまった。
「蓮巳くん顔真っ赤。さては君、チェリーくんだな?」
「役作りとはいえ、こんなことをして許されるのだろうか?」
―あくまでも、役作りの為に協力してるだけで付き合ってるわけじゃないんですけどぉ。とは言わせない雰囲気。本日…蓮巳くんと同じユニットの神崎颯馬くんに「貴殿が蓮巳殿の伴侶であられるか」と言われて固まっていたら、「へぇ。君が敬人の年上の彼女の…」と、これまた初めましてな方が便乗してきた。唐突に現れた彼はfineの天祥院英智くん。蓮巳くんとは幼馴染みらしい。なんかもう外堀から埋められてる。
「敬人って説教長いよね」
「そうそう。使用済みコットンをその辺に放置してたら説教されたな…そういえば」
蓮巳くんは説教が長い。これは共通認識だったのか。私がズボラすぎて叱られたのかと思ってた。蓮巳くんは説教が趣味(?)なのか。あんまり一緒に居ない方がいいと思うレベルで説教されている今日この頃。因みに、練習の為にうちにお泊まりしてもらったりしたが、色気のあるハプニングはひとつも起きなかった。しかし、私はあれから蓮巳くんのことを一方的に意識するようになってしまって、その度に居た堪れない気持ちに押し潰される。
「蓮巳くん。もう役作りしなくていいんでしょ?」
「俺がこのまま恋人関係を続けたいと言ったら?」
蓮巳くんは私の頭の上にポンと手を乗せるのクセになってるんだろうな。彼が出演していた連続ドラマは、先週最終回を迎えていた。なので、もう私と絡む必要性は無くなった筈。しかし今まで通り、私の頭をポンポンと撫でてきた彼は荒唐無稽な一言を告げてきた。
「蓮巳くんは私のこと好きなの?」
「説教のしがいがあって充実した日々を過ごせた」
「それって恋愛感情じゃないよ」
END