神崎颯馬
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―「名前殿。おはよう」
神崎くんに挨拶され、挨拶を返したが彼は浮かない顔をしている。疑問に思って首を傾げていると彼から予想外の一言が…。
「我は"くらすめいと"なのだから、名前で呼んでほしいのだが…」
「駄目であろうか…」と切なげに瞳を揺らす彼はまるで子犬のようだ。駄目なわけがない。だが、私は以前から紅月のファンであり、しかも神崎くんのファンなので畏れ多い。
「じゃあ、颯馬殿って呼んでもいい?」
さすがに颯馬くんと呼ぶのは烏滸がましいので、彼の真似をして殿付けする事にしたのが先週の出来事。
お互いに名前殿、颯馬殿…と呼び合っているのを同じクラスの人達に聞かれて、誤解を招いてしまったようだ。私と噂になるなんて、彼に申し訳ない。
―「二人は随分と仲が良いようだな…」
―「クラスの人達が私達の事を誤解してるみたいだけど、気にしないでね…」
昼休み、彼と二人でお茶を飲みながらガーデンテラスで会話をしている。先程、アドニスくんに誤解された話題を出して苦笑する私に対し、彼は「名前殿、すまぬ」と頭を下げた。謝罪された理由が分からず戸惑っていると、頬を微かに染めて私を見つめる彼と視線が絡まった。
「我は名前殿と恋仲だと勘違いされた事を、嬉しく感じてしまうのである」
時が止まったような気さえした。私だけが舞い上がっていたのだと思っていたのに…。お互い同じ想いを抱いていたなんて、幸せすぎて実感が湧かない。
「私も同じ。颯馬くんさえよければ本当の恋仲になりたい」
「それならば、誓いの代わりに指切りげんまんを…」
絡めた指から気持ちが伝わるように願いを込めた―
END