流星隊
名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―「もしかして、君が虎鉄くん?」
以前から兄が話していた。空手部の後輩だと。兄は"鉄"と呼んでいたから、興味本意で訊いてみたのである。以前から一方的に彼の顔だけは知っていた。因みに、場所はガーデンテラスの近くのベンチだ。
「あの、虎鉄…じゃなくて、俺は南雲鉄虎ッスよ!初めまして」
「初めまして、私は鬼龍名前。兄から君の事訊いていたから、挨拶したかったの。名前間違えてごめんね」
「いえ。大将の妹さんが声をかけてくれるだなんて感激ッス!」
同じ一年生とは言えクラスが違う為、彼とは顔を合わせる機会がなかった。しかし、鉄虎くんは人当たりが良くて好感が持てる。そして、何を思ったのか私を部活の見学に来るように誘ってくれた。
―「…名前。どうしてお前が此処に…?」
鉄虎くんが呼んでくれた旨を伝えてみたところ、兄の表情が変化した。普段は優しい兄が恐ろしい程に苛立っている。その理由は見当もつかない。
「お兄ちゃ…「鉄のやつ、名前に惚れやがったな」
「そんなわけないよ。誤解だよ!お兄ちゃん」
絶対に兄の勘違いだと思うのだが、その後に告げられた言葉に私は呆然と立ち尽くした。
「鉄がよ…名前の事、可愛いとか言っててよ~」
「大将!言わないでくださいよ~!」
私達の会話に焦った様子でストップをかけたのは鉄虎くん、その人である。道着姿の彼が勇ましく見えてドキリとした。視線が絡んだ彼はハニカミながら笑ってくれた。
「鉄虎くん、ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」
「お世辞なんかじゃないッス!本心ッス!」
「なに、二人して顔真っ赤にしてんだよ」
「元はといえば、お兄ちゃんのせいでしょ~!」
「俺、名前さんを守れるくらい強い男になるッスよ!大将」
「俺を倒そうだなんて、100年早いぞ。鉄」
「鉄虎くん、頑張ってお兄ちゃん認めさせて!」
最大の敵は我が兄です―
END
1/3ページ