日々樹渉
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―「貴方に私はもう必要ないみたいね」
一学年下の転校生ちゃんと親しげにしていた彼を見つけて、私は悟った。彼の傍に居たいと感じているのは所詮、独り善がりな感情だったのだ。「あなたの日々樹渉です」なんて誰にでも言っていたのであろう。自分から別れを切りだしておいて涙ぐむのは滑稽だろうが、溢れ出す感情を抑えきれない。
―「貴女は何か勘違いしているようですね。私の愛しい名前」
いつものように私を抱き寄せた彼の手を振りほどきたいのに…私にはどうしてもそれが出来ない。悋気を持て余し過ぎて心の整理が追いつかない。真剣味を帯びた声音で、転校生には何の感情も抱いていないと説明されて漸く人心地ついた。
「ごめんね。勝手に勘違いしてて…」
「いえ。珍しく、名前が焼きもちを妬いてくれたのは嬉しいものですねぇ」
どうも私は名前の涙に弱いようです。と自嘲的に笑みを滲ませた彼に抱きついて、その唇に自らの唇を重ねた。本日の部活動が終了して、部室に残るは私達のみ。彼の仮面コレクションが並べられた棚を横目に、ソファーに追い詰められて深い口付けを何度も交わした。
―「ァ…っ。そんな、見えるとこ…っらめェ…っ」
「名前は私のものという印なのですから目立つ所に決まっているでしょう」
首筋にピリッと走った痛みは彼が痕を残したのであろう。所謂キスマークというものを。プロデューサーとして、目立つ所に紅い印が窺えるのは良くない事だと分かってはいるが、好きな相手からの所有の印は内心、悦ばしいものだった。先程まで衣装を試着していた為、下着に近い姿をしている私をソファーに押し倒して、彼は笑みを深めた。仮面から覗ける双眸には妖しい熱が宿っていた。触ってほしい。その感情を表す様に彼の手首を掴んで掌を胸に押し当てていた。
「名前ったら、大胆になったものですねぇ」
「全部、渉の…せい…っ」
生地の薄いキャミソールをたくし上げて、直に触れる彼の手が乳頭を掠る度に反応してしまう。この快楽には抗えるわけがない。
「渉にしか、触らせた事、ないんだから…ァっ」
「可愛い名前とこんなコトが出来るなんて、素晴らしい名誉ですねぇ…っ」
左手で乳頭をクリクリと愛撫されながら、右手でショーツの間からソコを弄られる。クチュクチュと卑猥な水音が鼓膜を震わせて、官能的な気分が煽られる。彼の長い指は次第に増やされ、三本の指が膣壁を擦る。ある箇所を掠めた途端に快感が全身に広がり絶頂させられてしまった。
「ヤァン…そこ、イヤァ…っ」
「指だけで満足してないで、私も満足させて下さいよ」
避妊具を装着するのは当たり前の事なのに、それが物足りなく感じるのは我侭だろうか。いつか、彼の白濁を直接受け止めてみたい。そんな想いを抱えているなんて、彼は知る由もないだろう。脚をM字に広げた姿勢で、濡れたソコに屹立した彼のペ二スを招き入れた。ゆっくり進入してくると同時に愛しさが胸を締めつける。全部収まりきると、律動が開始された。
「ハァ…っ。凄い、よォ…っ」
結われた彼の長い髪が左右に揺れている。彼の肩にしがみついたまま、お互いの唇を重ねた。仲直りの口付けはいつもより何倍も甘く感じるのだから不思議なものだ。熱い舌が絡み合って、ピストン運動はより激しさを増した。
「ねぇ、私…重いからっ」
下ろして。の言葉も訊かずに抱きかかえられた。そのまま出し入れを繰り返され、彼の首に回した腕に力を込めた。私をしっかりと抱えながら下半身を支えるソレが一段と質量を増大したのを膣内で感じ取った。
「アァ…っ。渉…っ」
「しっかり掴まっていて下さいね」
息も絶えだえに互いを求め合って、情事は激しくなっていった。何度も奥深くを攻められる気持ち良さに頭の中が真っ白になっていく。明らかに限界が近付いている。
「ヤァン…っ。奥、当たってるよォ…っ」
「あぁ…っ。名前…っ」
一枚の膜を通じてお互いを感じた私達は、暫くそのまま抱き合っていたのでした…。
もっと近くで感じていたい―
END