伏見弓弦
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―クリスマスパーティーなんて軽い言い方をするけれど、結婚相手を物色する夜会である事には変わりなかった。姫宮家の長女として、相応しい相手を選ぶようにと言いつけられているが、私には心に決めた相手が居る。
「名前様のドレス姿は一段と華やかですね」
「ありがとう。弓弦」
パーティーの直前に褒めてくれた彼の言葉は月並みな表現ではあるけれど、誰の言葉よりも嬉しいものだった。パーティーに集まった御曹司達からの社交辞令のような言葉なんて胸に響かない。
「姫宮様、どうか私と一曲踊って頂けませんか」
折角の誘いを無下に断るのは失礼だと分かっている。しかし、弓弦以外の男性と踊っている場面を弓弦自身に見られたくない。我侭だとは自覚しているが。
「いえ、私には…相手が…」
「申し訳ございません。お嬢様は人混みに酔われて気分が優れないようでして」
桃李の執事である筈の彼は、庇う様に私の肩を抱いてバルコニーに連れ出した。少し冷たい風が私の髪を揺らす。彼はそのまま私の耳元で問い掛けてきた。「踊らないのですか?」と。
「私、踊るなら弓弦がいい」
「そういう性格は坊っちゃまとそっくりですね」
困ったように微笑んだ彼は私の手を引いて、ダンスホールに繰り出した。片手を彼の肩に置いて、リードされながら身体を寄せた。ワルツのリズムに合わせて軽やかにステップを踏む彼は他の御曹司よりも格段に魅力的だ。執事にしておくのは勿体無い。
「弓弦はダンスも得意なのね」
「私はこれでもfineの末席ですから」
「末席なんて謙遜しすぎ」
―夜会が終わり、夜の帳が下りる頃。私は弓弦の部屋の扉をノックしていた。依然として、ドレスは着たまま。
「弓弦…後ろのチャックを下ろしてほしいのだけど「それは、執事の私に頼むよりもメイドにお申し付け下さい」
「弓弦と私の仲なんだから、いいじゃない」
硬派な彼の反応は予想通り。彼の首に腕を回して胸を押しつけると視線を逸らされつつも了承を得たので彼に背を向けている。恐る恐る、といった様子でチャックを下げられた。何事もなく、安心している彼には悪いが本番はここからだ。チャックが一番下に辿り着いたと同時に、マーメイドドレスがパサリと床に落ちた。否、故意に自分がそうしたのだが…。
「名前様。わたくしは目を瞑っていますので、ドレスを着てお部屋にお戻り下さい」
「嫌よ。ドレスを纏っていない私も貴方に見て頂きたいのだから、目を瞑らなくていいのよ」
下着姿で彼をベッドに導けば、案外コトが進むのは容易だった。「こんな事、許されません」と自分に抑制をかけようとする彼の理性を壊すのは私の役割だ。頬に手を添えて私から唇を重ねた。彼と交わす初めてのキス。
「どうしても…初めては弓弦に捧げたくて」
「貴方は本当に、仕方のない方ですね…」
肩紐の無いブラジャーを外し、その胸に彼を抱き寄せた。初めてだからこそ、胸に触れる手付きは丁寧だった。繊細な指先で揉まれたり、そっと摘まれたり…次第に下から濡れてきてしまう。普段の彼からは想像も出来ない程に色欲に満ちた男の目をしていた。
「弓弦…吸ってよォ…っ」
―両方の頂を交互に口で愛撫される。その執拗な舌遣いは私を乱すには充分だった。口から漏れる私の喘ぎ声を聞いて、彼は愉しげに唇に笑みを浮かべていた。深い口付けを交わしながらも、彼の手は私の胸を刺激し続けていた。
「ん…っ。そんな、らめェ…っ」
「嫌と言いつつ、こんなに溢れているではありませんか」
長い指で膣口を掻き回された。既に濡れそぼったソコが彼の指で余計に解されていくのを感じる。毒舌な言葉を浴びせられるのがこんなに心地良いなんて、熱に浮かされておかしくなっているのかもしれない。
「指だけで感じているとは、名前様はとんだ淫乱だったのですね」
「アァっ…弓弦の指、すごぃ…っ」
イった直後に指が抜かれ、次の瞬間には大きくなった彼のモノが侵入してきた。破瓜された痛みに耐えながら彼に抱きついていたら、優しく声をかけられた。「痛みが辛いのでしたら止めましょうか」なんて。私に止めさせる気が無いのを分かっていながら意地悪な執事だ。
「大丈夫だから、動いて…っいいよ…っ」
「名前様のナカ、蕩けてしまいそうです」
突かれる度に彼の背に当てた掌に力が篭る。私を労るように抱きしめながらも、ピストン運動は激しさを増していった。更なる快感へと上り詰めた時、私は弓弦にぎゅうっと抱きついたまま果てた。
「ァン…っ。弓弦…っ出してェ…っ」
「はァ…っ。名前様ァ…っ」
「私のナカ、弓弦でいっぱい…っ」
今だけは、互いの立場なんて忘れてしまおう―
END