伏見弓弦
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※あんずちゃんが冒頭に少しだけ登場します。
-「なぜ、わたくしに名前さんのことを任せるんですか?」
「だって、昔から名前ちゃんのこと好きだったでしょ?」
クラスメイトで、プロデューサーの名前に想いを寄せていたのは本当のことだったが、まさかもう一人のプロデューサーのあんずに気付かれていたとは。と思わず頭を抱えたくなった彼だが、名前の近況を訊いてむしろあの頃想いを伝えていればよかったと後悔した。
「失恋傷心中の彼女に付け入るような真似は、いささか気が引けてしまいますね」
-「弓弦くん、私に用事?」
同じ建物で働いているのに近頃は顔を合わせなかったせいで、久しぶりに見たその顔にドキリとした。そして、以前のような溌剌(はつらつ)さがなくなっていることに胸が痛んだ。私生活が仕事に影響を及ぼしているのは確かに好ましくない。あんずが自分を頼ってきたことも頷けた。仕事を終えてESビルから出てきたその背中に、どんな言葉をかければいいのか思い浮かばず。咄嗟にその腕を掴んでいた。
「名前さん…っ!?」
「プロデューサーがアイドルに抱きつくとか…ダメだよね」
「ていうか、好きになっちゃダメだよね」と、自嘲的にそう呟いて自分から離れようとする名前のことを抱き竦めて弓弦が囁く。昔から好きだったこと、そして、名前の近況はあんずから聞いたこと。しかし、それ以上に言葉が見つからず口を閉ざす彼の耳に信じ難い台詞が聞こえた。彼女はこんなことを言うような女性じゃなかった筈だ。だが、その懇願は弓弦の心を揺るがすには充分だった。
「じゃあ…慰めてよ。全部忘れさせて」
「普段は、性欲なんてありません。て顔してるくせに…」
弓弦を焚き付けたのがまずかったのか…そもそも弓弦がここまでするとは思ってもいなかった。ラブホテルではなく、高級ホテルのスイートルームに連れ込むところはさすがといったところだろうか。部屋の扉を閉めるや否や腕の中に拘束されて彼女は口を噤んだ。青春時代には想いを寄せるだけで何も進展しなかったのに、今は辛い恋を忘れる為に彼を利用しようとしているなんて…滑稽だ。と自己嫌悪に苛まれると同時にこれからの情事に胸を馳せてしまうのも事実。
「私は弓弦くんを利用しようとしてるんだよ?」
「それでも構いませんよ。わたくしが全て忘れさせてさしあげます」
優しげに見せかけて「男を見る目のない名前さんには仕置きが必要でしょうか」と顎を掬われて、ほんのり色付いた唇が奪われた。舌が入り込む淫らな口付けをされながら服の上から胸を掴まれて彼女はカラダをぴくりと反応させた。何度も何度も濃厚なキスをされていやらしく銀糸が伝った。
「ゆづるく…っ。見ないでぇ…っ」
シャツを脱がされてスカートがすとんと床に落ちて下着だけの姿になった彼女をじぃっと見つめて弓弦は唇に笑みを浮かべた。薄いパープルの、官能的なランジェリー姿は弓弦の色欲を煽った。何年も思い続けてきた彼女と一線を越えるという背徳感も相まって、アイドルとしての弓弦の姿ではいられなかった。
「はァ…っ。やめてよォ…っ。弓弦く…〜っ」
「ここをこんなに反応させておいて、やめてほしいだなんて嘘つきですね」
背中のホックが外され、肩からするりとブラジャーが落ちた。晒された豊満な胸は容赦なく揉みしだかれて、両胸を掴まれたまま先端を舐めらたり、根元を摘まれてグリグリと押し潰されてしまう。胸への執拗な愛撫は彼女のお腹の奥を切なくさせた。そして、溢れるそこに指を滑らせた弓弦が意地悪く口角を上げる。
「淫乱な名前さんには、お預けするのが一番の仕置きになるでしょうか」
「〜…っ」
「冗談ですよ。名前さん…っ。随分と、きつい…ですね…っ」
「ふ、ァ…っ。ゆづるく…っ、やぁ、ンン〜…っ」
言葉とは裏腹に、弓弦の抱き方は優しかった。大きな異物感に、眉根を寄せている彼女を抱き締めて唇を重ねながらそれが挿入(はい)ってくる。ずっと好きだった彼に抱いてもらえて幸せだった。雄(オス)の顔をした弓弦が腰を打ち付け、彼女の表情も恍惚としたものに変わっていく。
「やァ…ん…っ。は、…っん」
肌と肌が重なると、弓弦の胸板に乳頭が擦れて気持ちがいい。押し寄せる快楽に、荒々しく抱かれてめちゃくちゃにされてしまいたかった。彼女が自分からキスをねだり、弓弦を抱き寄せるとパンパンと音が響く程に激しく出し入れされて意識が飛びそうになった。
「はぁ…っ。ぁん……っ。奥、当たってる、からぁ…っ」
「わたくしが満足できるまで、付き合っていただきましょうか」
「やだやだ…ァっ。もう、イッてるのにぃ…っ」
-「弓弦くんはエレガント詐欺だ」
「こういう時に可愛いこと言えないんですか…」
END