管理人が書きたい話を集めてみた
名前
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※会話文多めでオチなし
-「お兄ちゃん…!」
斎宮宗には、それはそれは可愛い妹がいる。さて、今しがた彼の溺愛する妹がノックなしで部屋に飛び込んできたではないか。蝶よ花よと育てられている彼女がいつになく憤慨している。困惑した彼は、妹のお気に入りマドマアゼルに全てを託した。「名前ちゃん。怒った顔も可愛いわね」と。
「マド姉に怒ってるわけじゃないの。お兄ちゃんに怒ってるの!」
「見てこれ」と差し出されたそれは黒のギンガムチェックの布…もといエプロンだった。それにはレースがふんだんにあしらわれてフリフリエプロンと化していた。宗はそれを見て、内心ドキリとしたが、自信作故に「名前に似合う筈なのだよ」と誇らしげに告げた。しかし、それは火に油を注ぐ発言だったといえようか。
「これ、宿題なの!私の裁縫技量じゃ絶対作れないの!お家の人に作ってもらったのが丸分かりなの!」
怒涛の説教にたじろぐ宗に反して、マドマアゼルが「宗くんてば、名前ちゃんが喜ぶと思ってやったのよね」と冷静に事の端末を説明した。エプロン自体は完成した状態でソファーの上に置いてあったのだが、いかんせん名前の縫製が拙かったりデザインが地味すぎたせいで宗の創作意欲が刺激されたらしい。
「宿題と知らなかったとはいえ、僕が悪かった」
「でも、このエプロンすっごく可愛いよね。みんなに可愛いって褒められて、私のお兄ちゃんってすごいでしょ!って自慢したせいで自分で作ってないのがバレたんだけどさ」
「お師さんの作品を自慢したくなる気持ち、わかるわぁ」
二人の会話を聞きつけて部屋に入ってきたみかは名前のエプロンを可愛いと褒めたが、ここで新たな事実が判明した。「私の縫ったとこ、綺麗になってる。お兄ちゃんが縫い直したでしょ!?」と、宗はムーっと怒っている名前に服の袖を引っ張られた。
「僕の妹があの裁縫技量はいただけないね。いつでも指導するのだよ」
「えーっ。確かにお兄ちゃんとみかくんの作品を見るのは好きだけど、お裁縫やるのは好きじゃないよ」
「お裁縫が上手な名前ちゃんも素敵だと思うわ」
「マド姉が一緒ならやりたい」
「名前はマドマアゼルの言うことだけは聞くのだね」
END