管理人が書きたい話を集めてみた
名前
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―体が縮んでしまう薬を作れるなんて、某クロの組織かよ。なんて、悪態をついても何も状況は変わらないわけで。自分の手をじっと見つめてみる。紛うことなき紅葉手だ。只今、絶賛幼児中である。ESビルまで送ってきてくれた姉は「こんな可愛いと誘拐されるかもしれない」なんて心配していたけれど、そもそも姉のせいなのだ。製薬会社に勤めている姉が「ア●トキシン作れちゃったかも」なんて私で実験したせいだ。そんな架空の毒薬作れるわけないじゃん。と思っていたのだけど。
「…名前さんによく似ていますね」
「名前ちゃんの妹かァ?」
ふわりと体が宙に浮いて本気でびっくりした。現在…HiMERUくんにジッと見つめられ、燐音くんに高い高いされた。私は彼らの所属するコズプロの事務員であるが、さすがに私本人だとわかってくれるわけない…よね。なんでHiMERUくん抱っこしたがってんだよ。「天城ばっかりずるいのです」とか言ってるし、そんな母性溢れてるんですか。意外ですね。とても幸せな状況ではあるものの…イケメン達に抱っこされるのは心が保たない。と逃げ出した矢先、とても厄介な人に目をつけられてしまってさぁ、大変。
「中々の造形美なのだよ。僕が美しく整えてあげよう」
斎宮宗くんに採寸されたけど、多分服作ってくれるんだろうな。あんなに目を輝かせて楽しそうな斎宮くん見たことなかった。誰かに事情を説明したいな。と仕事場に向かおうとしたら行く手を塞ぐ人影が…。コズプロ副所長の茨くんだ。そんな訝しげな視線で見られたら逃げたくなる。しかし、しゃがんで目線を合わせてくれるし「あなた名前さんでしょう?」と瞬時に気付いてくれたの嬉しすぎる。今まで計算高そうとか苦手意識持っててごめん。茨くんは意外と子供に優しい。
「ひぅ…」
「女性の意見も訊きたかったところでして」
茨くんの膝に乗せられるのはなんか心臓に悪いな。しかもEdenのポスターのカットを見せられ、私が選ぶなんて責任重大すぎる。どれもすごいかっこいいんですけどね。女性目線て私一人の意見で採用されるの?茨くん正気か。「この日和くんはとてもいいと思う」「凪砂くんかっこいいねぇ」などと茨くん以外のメンバーのソロ写真を選別していたらいつもは饒舌な茨くんが無言になってしまわれた。だって本人を前に私なんぞがあれこれ言えないよ?
「名前さんは閣下のことがお気に入りで?」
「君はそういう趣味があったのかね」
ノック無しで入ってきた人物は斎宮宗くんであるが、茨くんは顔を引きつらせていた。私が閣下のこと好きみたいな誤解をされていた刹那、今度は茨くんがロリコン疑惑を持たれてしまってさぁ、大変。「さぁ、これに着替えてくるのだよ」と手渡されたお洋服は予想通りというか…縫製技術すごいんだけど。
「めちゃくちゃフリフリじゃないですか」
「良く似合うのだよ」とご満悦の斎宮くんにそのまま攫われ、私は副所長室から連れ出された。まぁ、Edenの写真選びは終えてたからいいけれど、茨くんは何か言いたげだったなぁ…。というかね…外見こそ小さくはなってるけど中身は成人済み女なのですごい恥ずかしいよ。
「名前ちゃんの妹さんが来てるって本当だったんすね」
「いや…あの、」
全然説明させてくれないなこの人達。今のとこ事情知ってるの茨くんだけだよ。姉は「元に戻る薬が完成したら持ってくから」と言っていたがこの調子だと今日中には元に戻れなさそうだ。かく言う私は、子供なのをいいことに、ニキくんお手製のパンケーキ(アイスクリーム乗せ)を振る舞われてとても幸せだ。クレビってチャラい集団みたいなくせに面倒見いいですね。只今、可愛いこはくちゃんのお膝に乗せられてパンケーキ食べさせてもらってる。斎宮くんお手製お洋服にいち早く気付いてくれた影片くんにもめちゃくちゃ褒めてもらえたし幼児化したほうがアイドル達が優しくしてくれるんだね。
「この子、名前さんにそっくりだね」
私そろそろ血を吐いて死ぬかもしれないよ?凪砂くんに熱烈なハグをされてしまってそのまま椅子に座る彼の膝の上で抱きしめられて動けなくなった。アイドルの過剰摂取で死にそうだから誰か助けてほしい…(切実)。ちらちらとSOSの視線を送っていたら大急ぎで駆け付けてくれた2winkのお二人。
「名前さんのお姉さんから元に戻る薬(?)とやらを預かりました」
「んー。でも勿体ないよね。こんなに可愛いのに…」
ゆうたくんから薬を受け取ったけれど、ひなたくんはむしろ私が元に戻るのを拒んでるな。なんか写真撮影会始まっちゃったし。仕事帰りのEveの二人が何事かと見てくるし、「名前さんの妹さんっすか?」とジュンくんも全然私本人だとは気付いてなかった。と、ここで唯一事情を知っている茨くんが。
「斎宮くん。せっかく作ってくれたのに着られなくなってごめんなさい」
「今は小学生の姿になっているね。服は作り直すのだよ」
えぇ…元に戻る薬を飲んだんだけど小学四年生くらいの姿になっただけで元の姿には戻れませんでしたよ。斎宮くんが作ってくれた服が着れなくなって、自分の私服を着て女子トイレから戻ってきたら謎の盛り上がり。私は全然よくないんですけど。早く元に戻りたい。
「服がダボダボだね。僕が買ってあげようね!」
「これはこれは…名前さん。元に戻れてないじゃありませんか」
またもや副所長室で匿ってもらっているけれど、副所長ロリコン疑惑が広がってしまいそうなのでやめたほうがいいと思いますよ。「茨が名前ちゃんを部屋に連れ込んで…」とか聞こえるし、でも茨くんは気にしてなさそうに仕事してる。私を後ろから抱きしめる体勢でPC操作してる。
「独り占めはよくないのですよ」
「小娘の服が完成したのだよ」
HiMERUくんてそんな冷たい視線できたんですね(茨くんに対して)。めちゃくちゃ意外でした。斎宮くんまで甲斐甲斐しくお世話してくれて、ちょっと好感度上がった。(私のほうが歳上なのに小娘呼びはどうかと思いますが)因みに、私は翌日には元の姿に戻れたのだけど、昨日はESのエントランスで三毛縞くんに捕まって「ママだぞお〜。高い高いしてあげようなあ」と謎に母性(?)を出されてしまってとても困惑した。今日、元の姿ですれ違ったけど見向きもされなかったよ。
END