HiMERU
名前
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―「HiMERUくん!付き合ってるの隠す気ある?」
事務所のアイドルに手を出したと思われたくないし、HiMERUくんのアイドル活動にも支障をきたすだろうし…と、めちゃくちゃお断りしてきた筈なんだけどなぁ。その度に「名前さんはHiMERUのことが嫌いなのですか?」としょんぼり顔で問われたら全力否定したくなるわ。HiMERUくんずるい。秘密裏にお付き合いするなら…と受け入れたが、彼には隠す気がないことが明らかになった。ベタベタと抱きついてくるし、にこやかに話しかけてくるし。
「HiMERU以外のアイドルと親しげなところを見せられて不機嫌なのです」
先程、ビルの入り口で三毛縞くんに頭ポンポンされてたところを見られていたらしい。三毛縞くんは私に対してママみを出してきただけだろうに。それだけで不機嫌になるとか可愛い。嬉しいけど…くっつきすぎだ。遠目で見てる燐音くん引いてるぞ。見て見ぬふりしてないで助けろ。歩きづらいわ。
「HiMERUくんキャラ保って」
「今日の髪型、似合ってますね」
このイケメンは審美眼どうかしてんじゃないか?と無理矢理引き剥がして睨んだら「威嚇する子猫みたいなのですよ」と喜ばれた。なんで!?密着するのやめただけで距離近いし、アイドルとしては完璧な彼にデレを見せられて辛い。でもまさか、仕事でもHiMERUくん個人と関わるとは思わなかった。なんで私、HiMERUくんのマネージャーってことになってんですかね?確かに付き合ってるのバレるよりもマネージャーだと思われてる方がいいだろうけど。HiMERUくん写真集出すの…!?さて、その写真の選別と編集を私が一任されてしまったからさぁ大変。何コレ?私と居る時こんな顔しないじゃん。
「物憂げに溜め息ついてどうしたんすか?」
ニキくんに癒されたくてカフェ・シナモンにて珈琲休憩。「姐さん」て呼んでくれるの嬉しいし可愛いし…ケーキ美味しいし幸せ。(現実逃避)だがしかし、珈琲を一口飲んで顔を上げたら美形に凝視されていた。恥ずかし…っ!HiMERUくんのご尊顔眩し…っ。ただでさえ写真集作成業務してるからHiMERUくんの顔ばかり見てるのに。心が休まらないだろうが…っ!(キレ気味)勝手に向かいの席に座って観察してくるのなんで!?ケーキ食べづらいんですけど。ティーカップを持つ姿さえ絵になる美形め。
「HiMERUと名前さんは両想いだと確信しました」
「鼻歌歌ってただけじゃん」
先程OSENで流れていたクレビの曲を口ずさんでいたら、自信満々の顔をしたHiMERUくんに両想い宣言されました。アリアドネって元々はHiMERUくんがソロ活動してた時の曲らしい。それだけで?両想い…?マジかよメルメル。私はHiMERUくんの曲とは知らずに歌ってたなんて言えない。こんなキラキラした眼差し向けられたら言えるわけない。
「名前さんのそういうところ、好きです」
「何となく歌ってただけなのに…」
はてさて、私が編集したHiMERU写真集の売り上げが絶好調らしい。嬉しいようなそうでもないような…複雑な気分。HiMERUくんてやっぱり人気アイドルなんだなぁ。と思い知らされたようで寂しい。こうして写真で見ているだけなら美形なセクシーお兄さんで、この人が私なんぞを好きになるとは到底思えない。はぁ…色気がすごい。と、自分が編集したHiMERU写真集を見返していたら唐突な温もりに包まれて思わず無言になるしかなかった。「名前さんはHiMERUのことが大好きなのですね」と嬉しそうなHiMERUくんが、座っている私を背後からからぎゅうっと抱きしめてくる。みんな見てるからね!?ここコズプロ事務所内なんだから。
「HiMERUは推理が得意ですからね。名前さんの考えていることは理解しているのですよ」
HiMERUくんは普段から私への好き好きアピールを隠せていないが、家の中だと激重感情フルパワーで困る。「HiMERUの腕の中へどうぞ」と誘導されるし、「おいで」とか言われると弱い。普段はマネージャーのフリしてるからHiMERUくんに塩対応故に良心が痛む。だから彼の期待に応えて熱烈ハグを返してみる。
「HiMERUくんて、見かけによらず好きな人には物理的に愛情注ぎたいタイプだよね」
「俺から好きだと言うのは平気なのですが、名前さんから好きと言われるのは…」
「両想い宣言してた人がそれ言う?」
END