HiMERU
名前
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※コズプロ専属スタイリスト設定で短め。
―「アイドルが外でそういうことしない」
クリスマスひとりぼっちいわゆるクリぼっちな私に仕事を振ってくれたこと、今なら感謝できる。何を隠そう私はコズプロ専属スタイリストとして雇われている身。本日、美容学生並みの大荷物な私は人混みをくぐり抜けて駅前のモニュメント前で深い溜め息をついた。夜の冷えた空気を肺いっぱい吸い込んだ…その瞬間、すごい勢いで飛びついてきた人物がいる。胸板に押し付けられる形で視界を塞がれ、温もりに両手が包み込まれた。
「こんなに冷えきって…随分お待たせしてしまいましたね」
私はHiMERUくんと待ち合わせも約束もしていないぞ。しかも、付き合ってもいない。それなのにこの距離感はいかがなものか。いい匂いする。ちらりと見上げれば、キラキラと嬉しそうな眼差しと目が合ってしまった。冒頭の台詞でお分かりかと思うが、HiMERU氏は街中で普通にこういうことをやってのける。私に怒られても笑顔である。
「HiMERUも、この近くで仕事だったのですよ」
「ヘアメイクの仕事だったから荷物多くてごめんね」
HiMERUくんは私なんかに構っていていいんですかねぇ。だって今日クリスマスなのに、私と駅前のイルミネーション楽しんでるんだもんね。心配になるよ。彼女と待ち合わせとかしてないんですか。でも、HiMERU氏私の大荷物持ってくれてるし、マフラーまで巻いてくれて優しすぎる。HiMERUくんの私物…マフラーいい匂いする。私もマフラーは持っているのだけど、仕事上邪魔になって鞄に押し込んでいた。代わりに私のマフラーを彼に巻いてあげたら、これまたにっこり笑顔。普通は互いのマフラー返す流れだろうに。HiMERUくんが満足そうなので何も言えなかった。
「クリスマスに好きな人とデートできるなんて、HiMERUは幸せなのですよ」
「デート!?偶然ばったり出会っただけなのに、デート!?しかも好きな人…て」
全然状況を理解出来ていなかった私は、唐突に抱きしめられて口を噤んだ。イルミネーションの近くで、こんな美形にハグされるとか月9か。持ってた大荷物は地面に置いて、彼を抱きしめ返す。こんなにグイグイこられると拒絶できないよ。身を委ねたくなるわ。
「HiMERUの好きな人は名前さんなのですよ」
「クリスマスにそういうドッキリは…」
「全然本気にしていませんね…?」
確か、おでこへのキスは友愛…だったと思う。ただ、彼との身長差的に額にキスがしやすかっただけかもしれない。付き合っていないのにキス…アイドルからのキス…うん、イケメンしか許さない所業ですな。しかし「額へのキスは友愛の意味でしたっけ」とちょっといじめたところ、後頭部を引き寄せられて唇を奪われた。HiMERUさん肉食か。
END