HiMERU
名前
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-「クレビなら誰派〜?」
-「HiMERUくんてクールな王子様みたいでかっこいいよね〜」
冒頭の会話は、私がカフェで盗み聞きしたイマドキの女子高生のやり取りである。「燐音くんかっこいい」とか「こはくくん可愛い」とかも言っていたが、燐音くんに関しては中身知らないほうがいいかもしれないと思う。ニキくんとこはくくんについてはイメージ通りかもしれないけれど、HiMERUくんも結構見掛け倒し強めなのだよ。(斎宮くん風)
「クールな王子様か…?」
「なんの話ですか?」
「HiMERUくんて私の前だとキャラ崩壊してるよねって話」
私の腰を抱いてお腹に顔を埋めて甘えているこのイケメンこそ、JKから「かっこいい」と支持されていた人気アイドルなわけですが。勝手に膝枕の体勢になっているし、私の前ではクールでも王子様でもないんだよな。歳下彼氏ということもあり可愛がってしまうんだけど。彼の頭をぽんぽんと撫でてあげると、ふにゃっと表情がゆるゆるになった可愛い。どこがかっこいい王子様なのか…。
ꉂ(﹡ˆᴗˆ﹡)思わずこんな感じの顔になるわ。
「こういうHiMERUがお好みなのですか?」
起き上がった彼は私をソファーの上に押し倒した。先程の緩みきった顔とは裏腹にメディア向けの顔になってらっしゃる。ほんとに美形だなぁ…なんで私なんかと付き合ってるんだろう。とボーッと考えてしまうな。女性に困ることはないだろうに…。私はといえば、普通の顔面のアラサー女なのですが。HiMERUくんは私の何がいいんだろうか。じーっと見つめられて居心地が悪いので背後の天井を見ていたら唇を奪われた。噛み付くようなそれに、思わず彼の肩を掴んだ。
「何か余計なことを考えているでしょう?」
「HiMERUくんは何故私みたいな奴と付き合ってるのって…カラダ目当て…?とか」
「HiMERUの愛情を疑っているのですね。それは心外なのです」
そこから怒涛の褒め殺し(?)というかどこが好きかって伝えられて逃げたくなった。「遅くまで残業していた名前と事務所で二人きりになった時には心踊ったものです」「天城がHiMERUにベタベタしているのを見て嫉妬しているのも可愛かったのです」と…ここまではまだいい。問題はその後だ。「HiMERUに迫られると余裕のなくなる名前も可愛いですし、こうされるのが弱いのも可愛いのです」と、シャツのボタンを外されて胸元をはだけさせられて彼の手が素肌に重ねられた。これは…ヤリモクなのでは?
「それってやっぱりカラダだけの関係じゃん」
「そこまで言うなら、HiMERUはもう帰るのです」
ここまでしておいて、本当に帰り支度をしているんだから、HiMERUくんの本命は私だと信じていいんだろうな。いつもならエッチもするし、私の手料理も食べて一緒にお風呂にも入るのに…。でも疑念が晴れたわけじゃないし、喧嘩別れみたいな風になってその日の彼は帰っていった。
-「メルメルー。名前ちゃんと別れたのかァ?」
燐音くんにからかわれても何も言い返せずにしょんぼり顔になっていたのを目撃して、めちゃくちゃ心が痛んだ私はHiMERUくんの手を引いて薄暗い密室に連れ込んだ。そして自分から抱きついて唇を重ねる。「昨日はごめんね。もうHiMERUくんの愛情を疑ったりしてないし、私もHiMERUくんが大好きだから」と言い終わる前にキスの主導権を彼に握られスカートの中に手が入ってきた。
「ふ、ァ…っ。ヒメルく…っ、やぁ、ンン〜…っ」
「キスだけでこんなに濡らしているのですね」
「声が良すぎる。ずるい」
END