天城燐音
名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
-「こはくちゃんだぁ〜っ」
「名前姉はん、やめてや!」
「ヤダヤダ。せっかく会えたんだもん」
私…桜河名前は弟を溺愛している。なにぶん、離れて暮らしていたから可愛くてしょうがないのだ。男の子なのに私よりも身長が低くて抱きしめやすい。スリスリと可愛いこはくちゃんを愛でていたのに、現れた天敵によってこはくちゃんから引き剥がされた。この男こそ、弟の所属するユニットのリーダー天城燐音である。軽いノリで度々ちょっかいをかけられるので、その時は同僚椎名ニキくんの背に隠れてやり過ごしているのだが、いかんせんこはくちゃんは私よりも小さいし燐音くんは高身長だしで逃げ場がない。
「俺っちなら、名前ちゃんをぎゅうっと抱きしめてやるからさァ。ほら、飛び込んでこいよ」
「おんどれ。姉はんが嫌がってるやろ」
「こはくちゃんこわーい。将来のお兄さんに向かってなんちゅう口の利き方だ」
その姿や…まるで威嚇する子犬の如く。私のこはくちゃんは可愛いなぁ。けれど、燐音くんの台詞がどうも引っかかる。将来のお兄さんということは、私と燐音くんが結婚するってこと?なんて、荒唐無稽すぎる。確かに燐音くんは見た目はかなりのイケメンだけど。中身はだいぶヤンチャなんだろうし…。それに私はニキくんが好きなんだもん。…まぁ、そのニキくんとは全然進展ないけどさ。こはくちゃんも相手がニキくんなら許してくれそうだし。と、思っていたのに、どうしてこうなった!?
「ほら、腕に捕まっとけ」
「べちゅに、わたし…酔ってらいもん」
「言えてねェし。いいから、掴まれ」
参加せざるを得なかった飲み会の直後、少し飲みすぎたかも。なんてなんとなく夜空を見上げていたら唐突に肩を叩かれて。ひとりで帰れると言っているのに、燐音くんと腕を組まされて仕方なしに家路に着く。案外優しいとこあるな。とか、腕が逞しいな。とか…こはくちゃんには感じない男らしさを感じてドキドキしたのは覚えているが、ベッド上の有り様を目の当たりにして、なんでこうなった?と思わず嘆いた。外からは小鳥の囀りが、窓から射し込む陽射しは朝特有のもので。それに似つかわしくないのが、全裸でベッドに並んでいる自分達で。急いでルームワンピースを引っ掴んでバスルームに逃亡。
「燐音くんとシちゃったなんて…嘘でしょ!?」
「信じられない?あんなに可愛い声で鳴いてたくせに」
ルームワンピに着替えていると彼に洗面所のドアを開けられた。「ほら、ここ」と、洗面台の前で背後に立った彼は私の胸元に指先を滑らせた。そこには赤い痕が残っていて、恥ずかしくて彼の腕の中から逃れようとしたけれど、背後からきつく抱きしめられて諦めるしかなくなった。ワンピから見えてるし、服で隠れない場所じゃんこれ。そして「引き止めたのはそっちじゃん?」「暑いとか言って脱ぎ出したのも名前ちゃんだから」と信じ難い言葉を聞かされて泣きたくなった。
「こはくちゃんは名前ちゃんがこんなにエッチなお姉さんだなんて知らないよなァ?」
「え…っ。その写真…消してよ…!」
「これじゃ、大好きなニキくんにも顔向けできねぇっしょ?」
END