HiMERU
名前
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-「名前ちゃん。またコソコソ隠れてるんすか?」
「しーっ。やめてやめて本人呼ばないで!」
カフェ・シナモンで働く名前の視線の先にはいつもHiMERUがいる。そのことにニキは気付いていたし、彼女のことを応援したいとも思っているのだが、名前がシャイすぎるせいで一向に進展しない。彼のほうから歩み寄ろうとするとすぐさまニキの背中に隠れる。その姿を見て、HiMERU自身も避けられていると感じていた。可愛らしい彼女は中々自分と会話をしてくれない。初めて会話をした日以来、言葉を交わしたことがない。そんな彼女は今、嫉妬の炎をメラメラと燃やしていた。
「HiMERUくんが女と喋ってる…」
「プロデューサーさんと仕事の会話してるだけっすよ。そんなにHiMERUくんが好きなら直接話せばいいのに」
「無理無理。かっこいいHiMERUくんを眺めてるだけで幸せなんだもん。でも、他の女と親しくしてるのはやだ」
「ほぉ〜。メルメルも罪な男だなァ」
名前がHiMERUに片想いしているのを知っている人物はニキだけでよかったのだが、口を挟んできたのはCrazy:Bのリーダー天城燐音で。彼に知られてしまったせいで、関係は大きく進展を遂げることになる。ニキと違って燐音は全く容赦がなかった。ある日、彼女は「見てるだけで何が楽しいんだか」と言われながら襟首を掴まれた。そして思いっきり背中を押された。勢いのついた彼女は上手く止まれず、HiMERUの前に弾き出された。
「うわぁぁぁぁ!」
「大丈夫ですか?名前さん」
「HiMERUくん…っ。ごめんなさい!」
「漸くHiMERUと会話してくれましたね」
腕の中に飛び込んできた名前を受け止めたHiMERUは、燐音が名前をいじめたのだと勘違いしていた。鋭い視線を向けられた燐音は「メルメルは名前ちゃんに愛されて幸せ者だよなァ!」と悪びれもせず言い放った。「ちょっと!本人の前でなんてこと言うんですか!」と名前は怒っていたが、燐音は笑いながらその場から逃げた。
「HiMERUくん!そろそろ離してください」
ずっと抱きしめられていた名前の顔は真っ赤に染まっていた。その様子を見たHiMERUは「天城が言っていたこと、本気にしてもいいのでしょうか」と呟いて彼女の懇願に「嫌です」と即答した。
-「ところで名前ちゃんはHiMERUくんとどこで知り合ったんすか?」
「名前さんがナンパされているところにHiMERUが通りかかったのです」
「違…っ。風俗のスカウトに捕まってる時にHiMERUくんに助けられたの」
END