桜河こはく
名前
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-「名前の点てたお茶…ほんま苦いわ。下手くそやな」
「気のせいじゃない?」
ディスられたよ。そろそろ、嫌がらせだって気付かないものか。只今…私は許嫁の桜河こはくと一緒に茶道のお稽古中である。何故こんな嫌がらせをしているかというと、私というものがありながら、他の女の子にチヤホヤされおって調子に乗るなよ。という八つ当たりみたいな焼きもちだ。「ほら、自分で飲んでみ?」と自分で点てたお茶を飲まされた。私と違って、こはくの点てたお茶美味しいんだよな。所作とか立ち居振る舞いも完璧だし。だからこそ、こはくに教えてもらえということなのだろうが、ちっぽけなプライドが邪魔をして素直になれない。
「粉入れすぎや。アホンダラ…!」
手取り足取りのお稽古が始まってしまった。もう一度点てるところを見せてほしいと頼まれ、やってみれば、後ろから手を包まれた。「所作は良くなってると思うんやけど、全体的に大雑把やな」と、飴と鞭のスパルタ教育だ。こんなに密着されると緊張するし、この距離の近さならキスできるかもとか邪なことを考えてしまったじゃないか。かっこいいなぁ…好きだなぁ…なんてぽーっとしていれば、彼から予想外の台詞が。
「この浴衣…自分で着付けたんやろ?着崩れてるで」
「わしが直したる」と帯を解かれそうになるが、断固拒否である。だって…この下、何も着てないんだもん。こはくとはまだ身体の関係にはなっていないわけで、恥ずかしい。という私の女心は微塵も尊重されず、浴衣の上から胸を掴まれた。後ろから、耳を甘噛みされながら揉まれる。茶室でなんてことを…と困惑するが、どこか期待してしまう下心もあったりする。「この下、裸なん?いやらしい」と、「やっぱり着付け、やり直そな」と、衣擦れの音がして帯が解かれた。
「許嫁のわしにも裸見せなくないん?」
「だって…胸大きくないし、スタイルいいわけでもないし」
早くこはくとそういう仲になりたいけれど、自分の身体に自信がない。ふいっとそっぽを向いていたら、抱き寄せられて顎を掬われ、柔らかい唇が重ねられた。すごく久しぶりで、数少ない貴重なものだ。思わず、もっと。と彼を求めてしまいたくなる。いや実際、態度に表れていたのだ。離れたくない。と、回した腕は意地でも解かなかった。こはくにはアホンダラ呼びされたり、唐突なセクハラをされたりするけど、好きな気持ちには変わりない。
「わしは名前の身体、やらしくて好きやで」
「うわ。セクハラ発言だ~」
「にやけた顔して何言うとん?」
END