風早巽
名前
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―「聖職者は家庭を持つこと許されないんだってね。じゃあ…巽くんは結婚できないってこと?」
幼い頃からこの教会に通い、礼拝まで共にしたがる彼女と巽の関係は恋人同士である筈が、ちっとも甘いものではなかった。「ねぇ、知ってる?」と、どこかで聞いたような台詞を口にしながら入ってきたかと思えば、次に出てきたのが冒頭の台詞である。唐突に出された結婚の話題。名前の真意が知りたくてカマをかける彼の唇は愉快げに弧を描いていた。
「名前さんは俺と結婚するおつもりで?」
「んーん。結婚まで考えてるの私だけみたいだし、もういい。帰る」
女心をわかっていなかった…いや、名前心をわかっていなかった。ショックを受けたことが丸わかりな様子で、とぼとぼと帰路を歩いている彼女を捕まえ、腕の中に閉じ込めたまま巽が謝罪する。「やだやだ。離してよ!」と抵抗されても抱きしめる力を強くするだけだった。「別れたい」なんて言葉は聞きたくなかった。名前のことだから、怒りに任せて言い出しかねないと思っていたのだ。
「キス以上のこともしてないし…巽くんは私のこと好きじゃないんでしょ?」
「そういうことをするのは、どうも気が咎めまして…」
「ふーん。私とエッチしたくないんだ?」
返答も聞かずに教会の椅子に座り膝を抱えて俯いてしまった彼女を見て、泣かせてしまったかもしれないと巽は心が締め付けられた。背後に立った彼は名前を抱きしめて耳元で囁く。「俺が結婚できないと思って勘違いしているようですな。でも、それは牧師ではなく神父の場合でしょう?」と。巽は自分と結婚する気はない。とショックを受けたせいで、一刻も早く彼の腕の中から逃げたくなったが、「俺にこうされるのは嫌ですか?」と問われ、彼女は唇を引き結んだ。
「巽くんが結婚出来ても、出来なくても、私を相手に選ぶことはないんでしょ?」
「俺は結婚することは可能ですよ。それに、相手は名前さんしか考えられませんな」
欲しかった言葉を貰えた筈なのに、何故か安心できない。それは、裏付けが足りないからか。身体の関係はおろか、キスも片手で数えられる程度しかしていない。アイドルでもある彼とデートらしいことをするのも慎んできた。これは本当に付き合っていると言えるのだろうか。と、ネガティブな思考に埋め尽くされる彼女の表情は晴れないままだ。
「今夜はこのまま泊まっていきませんか?」
「な…〜っ。それは…期待していいんですか」
「この扇情的な下着は俺の為でしょう?」
「これは…っ」
何食わぬ顔で、彼女のブラウスの胸元のボタンを外していた彼はちらりと見えたセクシーなランジェリーを一目見て確信したのだ。自分を煽る為に色々と考えたであろうこと。いじらしい名前が可愛くて、むしろいじめたくなった。
「黒のレースが透けていていやらしいですな」
「巽くんはこういうの好きじゃない?」
「嫌いじゃないですよ」
「こう見えて、巽くんて童貞なのでは…?」
「あ…っ。やだァ…〜っ」
彼女を膝の上に乗せ、はだけた胸元に手を伸ばした彼は、下着の上から名前の膨らみを包み込んでやわやわと揉んだ。大胆な彼女がこういうことには慣れているようで気に食わなかったのだ。自分が手を出していないばかりに、他の男とそういうことをしたのでは?と想像が先走り、独占欲と情欲が湧き上がる。フロントホックのブラジャーの留め具を外され、巽の手で乱暴に揉みしだかれ、固くなった先端は容赦なくいじめられた。
「ふ、ァ…っ。巽く…、やァン…っ」
「下もこんなに溢れさせて、名前さんは淫乱ですな」
「ふァァ……っ。ぺろぺろしちゃ…らめェ…っ」
片方の手で胸を愛撫され、身を捩らせた彼女はショーツを脱がされ、ぬかるみには巽の長い指が侵入してきた。静かな教会には卑猥な水音が響いて、いけないことをしているという背徳感に呑み込まれる。やがて…巽に乳頭を執拗に舐められ吸われ、あまりの気持ちよさに達してしまった彼女は恥ずかしげに視線を壁に向けた。指での愛撫は激しさを増し、背中を弓なりにしならせて絶頂を向かえた彼女は荒く息をしながら巽に詰め寄った。
「巽くん…なんで、挿入(い)れてくれないの…っ」
「避妊もできないのに、無理ですよ」
「避妊具なんていらないからぁ…っ」
「こんなにしといて酷いよ」とぽろぽろ涙を流す名前を優しく宥め、腕の中に閉じ込めた巽は幼い子供をあやす様に彼女の髪を撫でた。「我慢できるいい子にはご褒美をあげますよ」と絆されて、うんうんと頷いた名前はそのまま風早家で巽と一夜を共にした。
-「巽くんは童貞だったんですね(確信)」
「そういうことは考えなくていいんです」
END
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