愛のカンパネラを鳴らせ
名前
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-先程、ニキくんに「姐さん。廊下にコレが落ちてたっすよ」と、持ってこられたのが私のブラジャーだったので正直めちゃくちゃ焦った。乾いた洗濯物を運んでいて落としてしまったみたいだが、ニキくんに下着を見られたの恥ずかしすぎる。彼は何事もなかったように笑っていたけれど、私だけが気にしている。
「名前姐さん。案外派手な下着つけてるんすね」
「少しは色気のあるものをって、冒険しすぎたかな」
やっぱランジェリー赤はないのか。ニキきゅんドン引きしてんじゃん。どうせ見せる相手がいるわけじゃないし。とか思って試しに買ったものだけど。ニキくんは気まずくなったのか、それともご飯一直線なだけなのか冷蔵庫の中身を確認している。そしてぼそっと呟く声が聞こえた。「もっと大人しい色がいいと思うけど」と。おぉっと…これは聞き逃せない情報ですな。推しが女の子に着てほしい下着の好みとか重要だもんね。ニキくんは多分、今夜の夕食のことを私に訊いてくれているみたいだけど、私それどころしゃないの。ニキくんの性的嗜好が分かって気分が高揚してきてしまったから。ニヤけているのを隠す為に鍋を用意したりして気を紛らわす。
「名前姐さーん。夕食肉じゃがにしたけどいいっすかねぇ?」
「うん。ニキくんの手料理なら何でも好き」
やったね。実は燐音くんとの出会いのストーリー読んでてニキくんの肉じゃが食べてみたいと思ってたんだよね。念願叶って、ほんと幸せ。とか浮かれていたら、スチル通りに「はい、あーん」してくれたのでもう死んでもいい。とか思ってしまった。だって…ニキきゅんの「あーん」なんて嬉しすぎるし!勿論、肉じゃがも美味しいし。この子左利きなんだな。と改めて推しの利き手を知って、しみじみしてしまった。
「燐音くんの嫁になるより私の嫁になったほうがいいと思うよ」
「そりゃあ名前姐さんのほうが…ってそういう問題じゃないっす。どんだけ僕をお嫁さん扱いするつもりっすか!」
「だって私、ニキくんに胃袋を掴まれてしまったんだよ。責任取って結婚してよ。ご飯いっぱい食べさせてあげるから」
「うーん…それなら、って…姐さんふざけてるだけっすよね」
今日のニキくんはご飯に釣られなかったな。私ふざけてないし、いたって真剣なんだけどな。結婚とか冗談きついっすわ、ってことか。うんうん、愛しのニキきゅんに嫌われたくないから「ごめん。結婚してっていうのは冗談」と冗談話にするしかなかったよ。「なはは〜」と笑ってるの可愛すぎる。でも、もうちょい本気にしてほしかったかも。
-下着の一件があり、本日なんと、ニキくんとランジェリーショップにいます。「男性の意見が訊きたいし、ニキくんにしか頼めないから」と、懇願してみたらイケた。でも恥ずかしいからって私から離れて、下着じゃなくて部屋着が並んでる棚のとこ見てるな。だから、ついつい「この中ならどれが好き?」と訊いてみたくてランジェリー両手にニキくんに詰め寄る。やばいな、目も合わせてくれないし「僕は外で待ってるっす」と逃げられそうになった。「選んでくれたら、昼食ニキくんの好きなもの食べていいよ」と、ごめんなさい食べ物で釣らせてもらいます。こうして簡単に釣られてしまうから、やっぱりおねーさんちょっと心配になるわ。
「うーん…真ん中のやつ以外ならいいんじゃないっすか?」
「黒レースは勝負下着の定番なんじゃないの?」
私、10代の子になんてセクハラをしているんだ。おまわりさん呼ばれたら完全にアウトな気がする。ニキくん派手めの勝負下着だと照れちゃうの可愛いな。私の偏った知識に「そうなんすか?」とか言ってるのピュアすぎる。あの一見チャラい集団みたいなクレビの一員のくせに。
「ニキくんは清楚な感じのがいいんだね。完全に理解した」
「そういうのいいんで、早くレジ行ってきてくださいっす」
好きな子をいじめる楽しさに目覚めてしまったかもしれないな。ニキくんの好みも知れて、大満足で店を後にする。「ニキくんが選んでくれたやつ、家で着て見せるからね」と笑うと、顔を真っ赤にさせたニキくんに「それはさすがに遠慮しとくっす」と必死に拒否されてしまったよ。お年頃だからダメかなぁ?「燐音くんならノリノリだったと思うけど」と呟くや否や「ノリノリどころか燐音くん相手だったら襲われてるっすよ」となんかちょっと怒ってるな。何コレ焼きもち?焼きもちなの?って思って歓喜してたけど、あ、これ…ご飯に完全敗北したわ。ニキくん運ばれてきた海鮮丼に夢中じゃん。私が勝手に舞い上がってるだけじゃん。
「ニキくん。デザートいる?」
「いるっす。名前姐さん気前いいっすね」
“心にニキの栄養スマイル”ってキャッチフレーズなわけだし、私、ニキくんの笑顔だけでご飯食べられる気がする。でもさ、そのこと伝えてみたら「え。なに言ってるんすか」って真顔だったよね。分かってたけどさ!真顔で抹茶パフェ食べながら言われたよ。理解できないって眼差しで見られながら。私がニキくんの良さを一人で語ってたら普通に二個目のデザート(苺のクレープ)食べ始めてたし。まぁ、目が合った時に「はい、あーん」てしてくれたから許すけど。
……To be continued