愛のカンパネラを鳴らせ
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-ニキくんが逆トリップしてきたなんて全部夢だったりして。日常に疲れた夢女が見た幻だったり…。椎名ニキが私の家にいるわけが……あったわ。本日土曜日。少し寝坊をしてしまった私が扉を開けるとキッチンからいい匂いが。しっぽみたいに結われた長い髪、ご機嫌な鼻歌、そして抱きつきたくなる後ろ姿。間違いなくニキくんだ。鼻歌がBe The Party Beeだった。客人に料理を作らせてしまったなぁとか、ニキくんの手料理が食べられる?とか、色んな感情が入り混じって声をかけられずにいたら彼が振り向いた。
「名前姐さん、おはようっす。お腹空いたから勝手に朝ご飯作っちゃったっすよ」
「ごめんよ。私が寝坊したばっかりに」
「料理なら僕に任せてほしいっすよ。さ、どうぞっす」と、早く手料理食べてほしいみたいなのでお言葉に甘えよう。エプロン姿のニキくんも良き良き。運ばれてきたエッグベネディクトとイングリッシュマフィン、サラダ、珈琲。なんだこのお洒落な朝食は。私には絶対作れない。ほんとニキくん嫁にほしい。私が褒めるより早くいただきますをしていた彼は食べ始めていた。やだもう推しが可愛い。尊い。朝ご飯美味しい。と、推しを前にしたヲタ特有の語彙力の低下を実感している私をよそに、ニキくんが二個目のイングリッシュマフィンにかぶりついた。
「めちゃくちゃ美味しい。ニキくんお嫁においで」
「それは良かったっす。…って、その台詞、燐音くんにも言われたような…」
その後、燐音くんのパチンカスエピソード…いや、言い方が悪いからダメンズっぷりと言わせてもらおうか。ニキくんの財布からお金を勝手に抜いてはパチスロに使われ返してもらえたことがないらしい。うん…知ってたけどひでぇな燐音くん。ニキくんのヒモになるのは私が許さん。ニキくんは私が養う。と、密かに対抗心をメラメラさせていたら思い出したようにニキくんが呟く。「今更だけど、男の僕がお嫁さんっておかしいっすよね」と。
「そっか。じゃあ、お婿さんなら?」
「お婿さんになれば名前姐さんの手料理食べられるんすか?」
「まぁ…そうだね」
料理が得意とは言えないような私の手料理でいいのだろうか。だが、「それなら、名前姐さんのお婿さんになるのも悪くないっすね」と、この子絶対ご飯につられたな。私と結婚することに関しては深く考えてないんだろうな。ニキくんはご飯が食べられれば何でもいいんだもんね。
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