椚章臣
名前
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-「章臣くんは性欲ないんです?」
忙しくて時間がないからという原因もあるかもしれないが、付き合っているのに全然そういうことをしていないので私は冒頭の台詞を章臣くんに投げかけたのだ。一緒にレストランでディナーを食べて、その後はどちらかの家、またはホテルで…というのは普通のことだと思うのだけど。彼と夜道を歩きながら腕を組み、上目遣いで甘えても効果はなく私は自宅に送り届けられた。大好きな章臣くんとお付き合いできているだけで幸せだけど、キスもエッチもほんの数回しかしていないしなんか寂しいというか虚しい。
「人間の三大欲求がないわけがないでしょう?」
「だって全然エッチな展開にならないから…」
こんな会話を交わしながら「そもそも出張から帰ってきたばかりで寝不足でしょう?」なんて言われてしまい、私は口を噤んだ。おやすみのキスもせずに背を向けられて、思わず服の裾を掴んでしまった。「なんでそんなあっさり帰っちゃうの」と言おうとして、やめた。手を離して「おやすみなさい」と呟いて扉を閉める。出張明けで久々に章臣くんに会えて嬉しいし、彼は私を気遣ってくれているとわかっているけどやっぱり納得できない。もしかして私に魅力を感じないとか…?章臣くんに対する想いが強くなる程、不安に駆られてしまう。ラベンダーのキャンドルの匂いが漂う寝室で、眠りに落ちていく前に荒唐無稽な妄想を巡らせる。寝る前にやらしいこと考えてるのは私だけじゃないと思いたい。章臣くんには絶対に言えないようなことも、所詮妄想だから許されるだろう。
-「章臣くん…っ!?酔ってる?」
決してベタベタした恋人関係じゃない私達だからこそ、彼の突然の訪問に驚いてしまったわけで。金曜日の夜のことだ。風呂上がりでバスローブ姿のままスキンケアをしていたらインターホンが鳴らされて本気で吃驚した。こんな時間に誰…?なんて訝しんだのも束の間。章臣くんだと分かった途端にダッシュでお出迎えに行った。何も連絡はなかったからサプライズなのだと思っていたのだが、扉を開けた途端に抱きしめられたせいで彼の異変に気付いた。堅物な章臣くんはこんなことしない。それに、鼻先をアルコールの匂いが掠めたから全て察した。酒に強い筈の彼がこんなに酔っているのは珍しい。
「章臣くん…!酔ってるでしょ…っ」
強引にベッドに縫い止められて、バスローブの紐が解かれた。いつもの章臣くんじゃない。全部脱がされて、晒された双丘を大きな手で揉みしだかれる。乱暴に、貪るように乳頭を吸われたり舌で愛撫される。「名前は本当に淫乱ですね」と言葉責めされて、恥ずかしいのに体は反応してしまって、溢れているのが自分でもわかる。膝立ちにさせられて、溢れるそこには彼の指が沈められ、同時にもう片方の手で先端をぐりぐりと押し潰されたり執拗にいじめられる。
「や、ァン…っ。ふ…ァっ」
耐えきれずに俯せに倒れた私は荒く息をしながら背中をシーツに沈め、潤んだ目で彼を見つめた。やめてほしいようなやめてほしくないような…。とポーっとしていたら、両脚を肩にかけられて丸見えになった秘部に彼の舌先が触れた。まるで愛液を啜るみたいに口を付けられて、下半身が震えた。お風呂の後だけど、こんなアブノーマルなことをされるのは気が引けるし、何度も「やめて」と訴えたのだけど、今夜の章臣くんは本当に強引だった。どんどん舌が奥に進んできて、それだけでイかされてしまった。これじゃ淫乱呼ばわりされても文句は言えない。
「これだけでイくんですか」
「は…うぅ…っ。だってぇ…」
今思えばこれまでの章臣くんのセックスは優しかったな。しかし、堅物な章臣くんに無理矢理抱かれて興奮するのも事実。口付けを交わすことなく彼の男根が挿入され、私は四つん這いの姿勢で白いシーツを握り締めた。ガツガツと腰を打ち付けられて、胸も乱暴に揉みしだかれて、お腹の奥がキュンキュンする。
「やァ、ん…っ。おっぱい触っちゃ、やだァ…っ」
「まったく…こんなに締め付けて…っ」
「ん…っ。はァ…っ。もう、イく…っ」
熱い。いっぱいナカに出された。こんなの章臣くんになんて説明したらいいんだろうか。避妊してないとかやっぱり今夜の章臣くんはどうかしてるな。ドロドロに溶けてしまった思考回路は、この非常事態を非常事態とは認識していないようで、楽観的な私は彼の腕の中で深い眠りに落ちていった。
-「昨日…章臣くんにナカ出しされちゃった」
「な…っ。嘘でしょう…!?」
「信じてくれないならもういいです…」
朝、私の部屋にいることにすら驚いていた章臣くんに明け透けに伝えたけれど、信じてもらえなかった。まぁ、証拠もないし…なんてバスルームに逃げる。鏡を見ると胸元に無数の赤い所有印が散らされていた。あぁ…またお腹の奥がキュンキュンする。顔を洗ってタオルで顔を拭いていると、後ろから抱き竦められた。謝罪の言葉と共に。「避妊具のゴミもありませんでしたし、あなたの様子を見ると信じるしかないですね」と振り返った私に触れるだけの口付けをして、彼は視線を合わせて優しくよしよししてくれた。
「ガツガツめな章臣くんも良かったです」
「なんでそんなに嬉しそうなんですか」
END