make love.fake love.
名前
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―「茨からキスしてくれるの嬉しい」
玄関の扉を閉めるなり、名前の唇に噛み付くような口付けをしてきた茨と濃厚なキスをする。身体だけを求められている筈なのに、こうして口付けをしてくれる茨が好きだった。一方の茨はといえば…もし名前の好きな相手が他の男だったとして、すんなりと彼女を手放せたかと問われればそうではなかった。名前は自分といても幸せになれない。それなのに、他の男に彼女を渡したくないという独占欲が強くなる一方で。とてもじゃないが手放すなんて不可能だったのだ。キスくらいでこんなに嬉しそうな顔をして…なんて可愛いんだと、胸の奥を切なく締め付けられた。キスをしながら、茨が片手で彼女のシャツのボタンを外していく。唇が離れると、すぐに寝室へと向かう。「茨ったら、今日はせっかちだね」と相変わらずにやけた表情で彼女は後ろから彼に抱きついた。彼が制服を脱ぎ始め、その隣で同じように服を脱いでいく。恥ずかしがって背を向ける彼女のブラのホックを、茨が外した。「今更恥ずかしがるんですか?」と胸を隠そうとした彼女を抱き竦め、後ろから胸に触れる。
「ん…っ。そんな、触られたら、感じちゃ…っ」
黒レースのブラが床に落ち、ベッドに腰掛けた茨の膝の上に座らされる。両手で胸の先端を攻められていたが、やがて右手がショーツを脱がしナカへと入ってくる。左手で胸を愛撫されたまま、もう片方の指はそこを解し、びくんと身体を震わせた彼女は指だけで最初の絶頂を迎えてしまった。
「はァ…っ。ねぇ、口で、ご奉仕…していい?」
「奉仕はいいです。名前に気持ち良くなってほしいので」
「でも、」と遠慮がちな彼女の言葉は唇を掌で塞がれて阻止され、拒むこともままならず、どんどん快楽の波に呑まれていく。普段なら互いの表情が見えづらい体位で行われていたのに、今夜は違っていた。対面座位の体勢になるように促されたからだ。既に限界まで屹立している彼のそれを愛撫しようとすれば腰を抱き寄せられ、そこに腰を下ろすしかなくなった。「自分、早く名前と繋がりたくて…」といつになくがっついている茨は珍しかった。きつい彼女のナカを彼の男根が圧迫し、ガツガツと下から突き上げられる。抱きしめ合う体勢で肌が重なり、愛おしくて堪らなくなる。熱に浮かされたように「好き」と呟く彼女の好きは、この行為自体に向けられたものなのか、それとも自分への想いなのかどちらだろうか。と茨は知りたかった。防音設備は万全なので声を我慢する必要はないのだが、彼女は声を漏らすのを我慢している。
「声、我慢しなくて、いいですから…っ」
「茨が、好き、なの…っ。ァ…っ。そんな、いっぱい、だめェ…っ」
茨が好き。途切れ途切れだが、確かに耳にした。身体だけの関係であり、名前の気持ちに応えるつもりもない筈だったが、それに反して口付けの回数は決して少なくなく。優しいキスを何度も繰り返した。ピストンを続けながら彼女の胸の頂に触れてみれば、より一層締め付けが強くなった。腰が動いているのは茨だけではなく、彼女もいやらしく腰が動いている。名前が腰を動かすと茨の快感も増した。やがて先に絶頂を迎えた茨が律動を激しくさせた。彼女の甘い嬌声が部屋に響き、くたりとしたまま彼に抱きしめられて恍惚とした顔を見せる彼女は、茨の腕に抱かれたまま眠りにおちてしまった。
―「名前。案外、両想いかもしれませんよ?」
……To be continued