make love.fake love.
名前
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-「胃が荒れてますね。薬を処方しておきましょう」
「あの…これってつわり…」
数日後、病院で診察を受けた彼女は医者の言葉に愕然とした。「妊娠してませんよ」と「ただの生理不順ですね」と言われ、妊娠の可能性は完全になくなった。茨のもとから消える必要がなくなって安心したのに、妊娠していないと分かって何故か少し残念な気持ちになった。茨に会いたい。この一件のことを伝えたいわけじゃない。単純に、大好きな彼に会いたくなったのだ。突然押しかけるような形で茨の家に訪れた彼女は会うなり抱きしめられて戸惑った。
「名前…その症状はつわりなんでしょう?それも、自分には何も告げずに消えようとしていたのでは?」
「え。あの…茨…っ」
「授かり婚となる前にプロポーズしておくべきでした。名前と自分の子供…楽しみですね」
真実を伝えられないまま茨が饒舌になっていく。それも、指輪と一緒にプロポーズまでされてしまい後に引けなくなってしまった。茨の手が腹部に重ねられ、撫でられた時に彼女は声を張り上げた。「私…妊娠してないよ」と。「なんか胃が荒れてたらしくて」と説明し、「というわけで、指輪返しましょうか」と気まずそうに告げられた。しかし、茨は彼女を抱き竦めたまま離そうとしない。「自分にここまで言わせておいて、それはあんまりですよ」と、茨は指輪の返却を拒んだ。
「自分は名前を泣かせてしまうような最低野郎です。それなのに…まだ自分を好きだと仰るつもりでありますか」
「うん、大好きだよ。それに私…茨を最低野郎だなんて思ったことない」
「やっぱりばかですね、あなた。どうせ、自分がとっくに名前に惚れていることにも気付いてないんでしょう?」
「嘘…っ。そうだったの…!?」
END