初恋は選べない
名前
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-たとえ、外国人にナンパされようと英語で撃退出来る私には必要ないのかもしれないが、こういう場合はイケメンに助けられたい。高望みなのは分かっている。だからこそ、この人を当てつけたのだろうが…。
「アメージング!休日に名前に出会えるとは、今日も世界は驚きに満ちていますねぇ~☆」
「渉くん…もうちょっと早く声かけてくれたらよかったのに」
「あの外国の方は名前のお知り合いかと思ったもので…」
「知り合いじゃないから「もう二度と私の前に現れないで」って追い払ったんだよ」
「名前は語学堪能ですねぇ」
学校内ならまだしも、街中で「アメージング」と、いつものテンションになられると恥ずかしい。しかし、私はこの幼馴染みに開放されるどころか一日を共にする事になるとはこれっぽっちも予想してはいなかった…。
「名前が変な男に誑かされたりしないように、私が御一緒しましょう」
五奇人の一人が言えた台詞じゃない。と内心思いつつも、幼馴染みの彼と過ごすのは苦にはならない。しかしながら、私のショッピングに付き合わせていいものだろうか…。
「女の子の買い物って長いから、渉くんが退屈しちゃうかもしれないよ」
「私は退屈など感じませんよ。何しろ、名前が隣に居るのですからねぇ」
こうして…変態仮面との一日デートが始まったのでした。
「今から下着屋さんに行こうとしてるんだけど…」
ランジェリーショップに行くなんて、普通の男性なら遠慮するところなのだが、彼に至ってそれは絶対に有り得ない。「私のセンスにお任せあれ」と選んでくれる気満々に微笑みを向けられた。困惑しているし恥ずかしくてどうしていいか分からない気持ちを抱えながら目的地に到着してしまった…。
―「退屈だと思うから、渉くんは近くのお店で買い物してきていいからね」
そもそも、恋人でもない相手とランジェリーショップに居るというのは滑稽でしかない。店員さんまで「お似合いのカップルですね」なんて勘違いしないで頂きたい。お陰で私は、彼好みのランジェリーを選ばせている女だと思われるじゃないか…。
「コレなどいかがでしょう?」
やっぱり…渉くんのセンス丸分かりだ。黒地に薔薇の刺繍のものと、赤レースのセクシーなデザインのものを持ってこられた。そして、それを躊躇いなく購入した自分もどうかしているかもしれない。
―「私の買い物に付き合わせてごめんね。疲れたでしょ?」
「疲れたなんてとんでもない!名前のお役に立てたと思うと達成感に満たされています」
所変わって、私達はカフェにて昼食を共にしています。ティーカップを持つ、その姿すら絵になる彼は羨ましい。変人な部分を除けば、かなりの美形なのだから…。私なんぞが一緒に居ていいものかと悩まされる。
「先程選んだ下着は…もしや、見せる相手がいらっしゃるのですか?」
唐突に、爆弾発言を投下しないでもらいたい。紅茶を吹き出しそうになってしまい、咳払いで誤魔化した。頬が熱くなったのを感じる。
「ただ、新しいのが欲しくなっただけだよ。見せる相手なんて居るわけないでしょ…」
誤解されたくなくて否定したけれど、私はどうしてこんなに必死になっているのだろうと僅かな疑問が脳裏を過ぎった。
どうしてそんな事が気になったの?訊かせてよ―
to be continued…