新婚はじめました
名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―「俺の奥さんに変な事吹き込まないでよね?颯馬きゅん」
プロデューサーの仕事で紅月と行動を共にしていた名前はテレビ局のロビーで元クラスメイトである神崎颯馬と談笑していた。「あんな不埒な奴と結婚するとは、名前殿も相当血迷われたとお見受けする」と彼は未だに彼らの結婚を受け入れられない様子だ。それもその筈。主君として接していた名前が、まさか自分の最も嫌悪する相手と所帯を持つとは到底考えが及ばなかったのだ。そんな硬派な颯馬と話している彼女は、同じ部だったのにも関わらず当時から相容れなかった二人を思い出して笑いが溢れていた。そんな場面に偶然通りかかった薫。聞き慣れた声に反応して視線を向ければ、自分の後輩と楽しそうに会話している愛妻の姿が。自分とは正反対のタイプの颯馬に心惹かれているのでは?と心配になった薫は彼らに言及しないわけにはいかず、冒頭の台詞に戻る。
「貴様、名前殿を誑かしてどういうつもりだ」
「誑かしてないし、俺達は相思相愛だから抜刀しないでよ?怖いなぁ」
今にも抜刀しそうなオーラを放ちつつ、鋭い視線で薫を睨みつける颯馬を宥める名前。だが、薫くんが浮気したら彼を頼るのも手かもしれない。と、彼女が一瞬でもそんな事を考えたとは露知らず。踵を返してUNDEADの控え室に戻っていく薫なのであった。
―「もう。薫くんのばか」
名前の視線の先には小麦色の肌のサーフガール二人組に話しかけられている薫が。「サーフィンのシーズンになったから、海に行こう」と薫に連れられてここに来たというのに、サーフボードを持って現れた薫を取り囲む女性ファン相手になす術なく立ち尽くす彼女。こんな事は日常茶飯事だが、夫婦水入らずを邪魔されては不機嫌にならざるを得ない。「名前ちゃんにもサーフィン指導するつもりだから楽しみにしててね」と昨夜約束したのを思い返して、心ここにあらずな彼女は砂浜で膝を抱えて、光が反射している海をぼんやりと眺めていた。本日何度目かの「薫くんのばか」を呟いたその時、後ろから包まれるように抱きすくめられて身を固くするのだった。
「一人にしてごめんね。名前ちゃん」
面と向かって文句を言おうとした彼女の唇は薫の唇によって塞がれるのであった。口付けは舌を絡めた濃厚なものに発展し、名残惜しそうに唇を離した薫は、むっとしたような、けれど嬉しそうな表情を滲ませた彼女に睨まれ頬を緩ませた。「ヤキモチ焼いてる名前ちゃん可愛すぎる」とぎゅっと彼女を抱きしめた薫は心底名前を溺愛している。その場で立ち上がった名前の全身を見下ろして目を輝かせた薫はじっくりと水着の彼女を観察した。ネイビーと白のバイカラーで、上半身は面積が小さめのビキニ姿の名前は薫の色欲を煽るには十分だった。そんな心理には気付かずに薫からの一言にショックを受ける彼女。
「名前ちゃん。その水着はダメだって…」
「私、この水着似合ってない?」
「そうじゃなくて。こんなやらしい水着姿見せられたら我慢出来なくなるんだって」
サーフィンどころじゃなくなっちゃうから、これ着て俺の波乗り見てて。と、薫が羽織っていたアロハシャツを肩にかけられ、「家に帰ったら、その水着俺が脱がしてあげるね」と艶っぽい声色で囁かれた。この後の営みを想像して一人で胸を高鳴らせている彼女は彼のおかげで海に入る事はなく、薫の雄姿をその瞳に焼き付けるのだった。
To be continued…