七種茨短編
七種茨
名前
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―「俺の帰りを待ってなくていいんですよ。先に寝ていればいいのに…」
「いいじゃんか。新婚なんだし…」
現在、丁度日付が変わる時刻。玄関先で茨を出迎えた名前はその台詞を聞いて落ち込んだ。事業が忙しく、ここ最近帰りが遅い彼とはすれ違いが多くなり始めた。思い描いていたような新婚生活を送れることもなく日々が過ぎていく。彼女の格好には目もくれず、茨は名前を部屋に連れていき「おやすみなさい」と告げて出ていってしまった。キスの回数も、身体を重ねる頻度も激減していた。こういう格好をすれば茨もその気になってくれるのでは?と、透けている黒のセクシーランジェリーを着ていたのに失敗した。と唇を尖らせた。だが、これで諦める彼女ではなかった。今の茨には自慰をする余裕だってないだろう。と踏まえ、奉仕してあげようと決意し、彼の部屋へと向かった。
―「…名前。寝たんじゃなかったんですか?」
「いいから。茨は仰向けに寝てくれる?」
訳も分からず。だが、彼女の要望通りに茨がベッド上に仰向けに横たわるとすぐに名前が彼の脚に跨り、下半身に手をかけ下着ごとずり下ろした。「ちょっと!何するんですか…!?」と困惑して声をあげる茨の声も聞き入れず、名前は少し反応を示している男根を口に咥えた。顔を上下に動かし、口での奉仕をする。舌先で亀頭を舐めながら竿を扱くと、茨は眉間に皺を寄せてその快感に耐えていた。止めさせようと思っていたが、あまりの気持ちよさに思考が鈍った。主導権はいつも男である自分が握っていたのに、今夜は完全に名前に主導権を握られてしまったという事実に不甲斐なさを感じて彼は瞳を閉じた。
「名前…っ。はァ…っ。やめ…っ」
「やめない。気持ちよくなってるんでしょ?」
「ァ…っ。名前…っ」
喋りながらも手は止まらず。茨の絶頂は次第に近付いてきていた。やがて「こうしたら、もっと気持ちいい?」と睾丸を舐めたり吸いつかれながら同時に竿を手で扱かれ、彼は息を漏らした。表情は見えないが、その声で彼が感じてくれていると認識する事が出来た。ピチャピチャと卑猥な音だけが部屋に響き、いけないことをしているような気にさせられた。限界まで達した時、彼女の口が亀頭に移動し、放出された白濁は彼女の口内で受け止められた。
「ァ…っ。出る…っ」
「んぅ…っ。らして、いいよ…っ」
量も多く、濃度も濃いような気がするそれを口に含んだまま、彼の手が目の前に受け皿として差し出された。「ほら。吐き出してください」と茨が告げるが、名前はそれをゴックンと飲み干してしまった。「ご馳走様。おやすみなさい」と言い残して、彼女は部屋から出ていってしまう。「そんな汚いもの飲まなくてもいいのに…」と背中越しに茨の声が聞こえ、名前は達成感に満たされた顔で笑った。
「まったく…。あんなこと何処で覚えたのやら…」
END