七種茨短編
乱凪砂
名前
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-「ねぇ、名前。濡れ場ってなに?」
現在、Edenのレッスンが終わったところだ。そんな折、ふと凪砂が名前に問いかける。ドラマの出演が決まっている彼の唐突で予想外な質問にEdenプロデューサーの彼女は言葉を失った。凪砂が分からない事をよく質問してくるのは日常茶飯事だが…。返答に困る彼女を見かね、横で一部始終を聞いていた茨が助け舟を出した。「濡れ場というのは、男女の営みのことで…まぁ、実際に名前さんと練習なさったほうが分かりやすいかと」と、助け舟どころか思わぬ爆弾を放たれた。そんな事を聞いて、探究心旺盛な凪砂が実践しないわけがない。案の定、「そっか。名前に練習相手になってもらえばいいんだね」と納得したような笑顔になった。それに反して、名前はこの状況に頭を悩ませていた。ドラマの濡れ場は直接的な描写は出てこない筈だが、きっと練習とは言えど凪砂と一線を超えてしまうことになる。
「ちょっと茨。私と凪砂くんにそういう関係になれっていうこと!?」
プロデューサーとアイドルという関係なのに。と、困惑した様子の彼女は茨に詰め寄るが、「閣下は名前さんを気に入ってますからね。それに、日常的にあんなにスキンシップをとっているお二人なら慣れているでしょう?」と上手い具合に言いくるめられてしまった。確かに…「名前は抱き心地がいいね」と頻繁に凪砂は彼女を抱きしめている。それは彼の一方的な行為であり、彼女は一度たりとも抱きしめ返したことはない。いつもぬいぐるみのように抱きしめられ、じっとしているだけなのだ。「離して」と拒絶しようにも、しょぼんとした子犬のような眼差しを受けると拒む気持ちがなくなってしまう。
-首の後ろでリボン結びするタイプのホワイトのベビードールを着用する彼女の心臓はバクバクと高鳴っていた。ときめきとは違うそれは、今から凪砂にこんな格好を見られ、身体の関係になってしまうことへの緊張感に起因するものだった。純粋な彼はドラマのワンシーンの練習としか思っていないかもしれないだけに、自分がこんなにも身構えているのが惨めに思えた。だが、寝室で待っていた彼の前に姿を見せれば、「もっと近くでよく見せて」と手招きされ、おずおずと近付いていく。瞳を輝かせた彼は「名前。すごく可愛いよ。よく似合ってる」と褒めてくれるのだった。
「ありがとう、凪砂くん。でも今からどんな事するか…分かってる?」
こんな和やかなムードでいいのだろうかと危惧した彼女が彼に問いかける。そもそも、凪砂はどこまでの性知識があるのだろうか。と正直なところ彼女は知らないのである。自分がリードしなければいけないのだろうと予想している為、あらかじめ知識を詰め込んできていた。「男女の営み」などとぼかした表現をしたが、彼は理解しているのだろうかと。しかし、彼の返答は予想外であり、何だかイメージが覆されたような気分になった。「セックスするんだよね?」と。「凪砂くん。分かってたんだね…」と名前は内心とても驚かされていた。「ほら、おいで」と、腕を引っ張られ、彼の上に被さる形でベッドの上に倒れた。凪砂は細身に見えて意外と筋肉質なのがよく分かった。しなやかな腕で抱きしめられ、「私はね、名前が大好きなんだよ 」と、彼女は唐突な告白をされた。
「私も…凪砂くんが大好きだよ」
-「これ、解いちゃうね」と、ベビードールのリボンが解かれ、はらりと肌が露わになる。「隠さないで」と、胸を覆う布を取られてしまった。彼にじっと見つめられ、羞恥心で耐えきれなくなる。早く触ってほしい。と、ムードに流される彼女は彼の行動を待つが、その前に「触ってもいい?」と確認をされ、素直に頷いた。自分の胸の大きさでは、彼には物足りないのでは?と不安になったが、それは杞憂だったようである。「名前の肌すごく綺麗だね。ここも、可愛い」と、やわやわと胸を揉まれる。彼の大きな掌が意図せず乳頭を掠めると、彼女はびくんと反応を示した。「名前。ここが気持ちいいの?」と、楽しげに口角を上げて、彼は乳頭をくりくりと摘んで愛撫する。やがて、「美味しそうだね」とそこに吸いつかれ、口での愛撫に変わった。
「イヤァ…っ。凪砂く…っ」
「名前可愛い。声、もっと聞かせて…」
向かい合った体勢で彼は赤子のように両方の頂を交互を舐め、ぴんと反応しきった頂に触れた。「ここ、硬くなってるね」と、気付いたことはすぐに言葉にされ、彼女は恥ずかしさに顔を染めた。そういう凪砂はどうなのだろうか。と、彼の下半身を盗み見ようとすれば、「ここ、苦しいんだ」と衣服越しに彼のものに触れさせられ、彼がしっかりと反応してくれている事が明らかになった。部屋着と下着を脱いだ彼が「これを付ければいいんだよね?」と避妊具を彼女に確認させる。それを装着した凪砂は、名前に抱き着かれ身を固くした。「あとは私に任せて」と、凪砂を仰向けに横たわらせた名前が彼に跨る体勢でゆっくりと腰を下ろしていく。蜜壷に上手く入るように手で男根を固定し、充分すぎる程に湿っているそこに凪砂のものが収まった。彼のそれは平均よりもサイズが大きく、膣内を圧迫しているのが分かった。
「アァ…っ。おっきいの…っ」
「ねぇ、名前っ。気持ちいい…?」
「はぁ…っ。いいよォ…っ」
彼女が上下運動を開始すれば、彼から腰を掴まれた。そのまま下から突き上げられ、甘い嬌声が響いていく。凪砂によるピストン運動は留まるどころか、激しさを増していく。肌と肌がぶつかる音が部屋に響き、扇情的な雰囲気に染められていく。
「可愛いよ…っ。名前…っ」
艶めかしく乱れる彼女を強く抱きしめた彼はその体勢のまま突き上げ続ける。胸の頂が彼の肌に擦れて一際感度が良くなっていた。当初計画していた行為とは違うものの、愛しげに自分の名を呼ぶ彼の声に胸が締め付けられた。快楽の波がどんどんと高くなっていき、最高潮まで達した時、本日初めての口付けが落とされた。触れるだけの口付けでは満足出来ず、熱い舌が入り込んだ深いキスをした瞬間、彼は彼女の中で果てた…。
END