七種茨短編
巴日和
名前
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―「ブラッディ・メアリばっかり狡いね!名前はぼくのなのにね!」
元はと言えば、メアリのお世話を任せてきたのは日和である。それなのに、不機嫌な表情で冒頭の台詞を口にする彼に、名前は唖然とさせられた。メアリのブラッシングをした後によしよしと撫でていたら、胸元に引っ付いてくるので腕に抱いた。今度は頬をぺろぺろと舐めてきた。そんな一部始終を眺めていた日和はご機嫌ななめだ。「日和くんたら、女の子のメアリに焼きもち妬いてるの?」と椅子に腰かけてティータイムを楽しんでいた彼に問いかける。近寄ってきた日和は「漸くぼくのほうを向いたね!」と抱きしめてきた。傍にいたブラッディ・メアリはとことこと離れていき、玩具で遊び始めた。「ちょっと。日和く…っ」胸元を撫で、顔を埋めた彼はすりすりと彼女の柔らかな胸に甘えてくる。官能的な触れ方に、彼女はぴくりと反応を示した。
「名前はぼくの妻になったのにね!そのわりに構ってくれないから、今日はぼくの好きにさせてもらうね!」
そう。先日結婚したので彼らは夫婦となった直後だったのである。構ってくれないというのは、互いに忙しくしておりそんな時間もなかったからなのだが、日和は不満なようである。暑いからと着ていたキャミソールの胸元をぐいっと引っ張られ、晒された素肌に彼の唇が重ねられた。やがてちくりとした痛みが走り、身を震わせた彼女の胸には赤い所有印が付けられていた。その所有印の場所に舌を這わせられ、名前は文句を言おうと開いた口を閉じた。視線が絡んだ彼は嬉しそうに微笑んでいる。背後には天井が映り…絨毯の上に押し倒されたと実感した。「こんな明るい時間に抱くつもりはなかったんだけどね!名前がいやらしいから我慢出来なくなったね!」と黒いキャミソールの裾をたくし上げられ、顕になった双丘に彼の手が重ねられる。やわやわと揉まれ、先端に吸い付かれる。こんな明るいところで見られるのは恥ずかしいと思っていた筈だった。しかし、夫となった日和になら何をされてもいいとすら思えた彼女はその執拗な愛撫に翻弄され、彼に身を委ねることにした。
―「ァア…っ。そんな、吸っちゃ、やだァ…っ」
「名前ってば、目が潤んでるね!ぼくの奥さんは本当に可愛いね!」
上体を起こして抱き寄せれば頬を包まれて優しくキスをされ、更にその口付けは吐息さえも奪うような深いものになった。唇を離すとぽーっとした表情で頬を染めている彼女が可愛くて仕方ない。ショートパンツを脱がされ、ショーツのクロッチ部分をなぞられながら右胸を舐められ、彼女は自分の意志とは裏腹に最初の絶頂を迎え、背中を弓なりにしならせた。「名前。気持ちいいんだね。すぐにぼくのをあげるからね」と色気のある眼差しの日和の姿はいつもとは正反対の雄の姿だった。四つん這いの姿勢になった彼女の蜜壷に、最大まで屹立した彼の男根が沈められた。まだ入ったばかりなのに、こんなにも感度が良くなってしまうとは…と彼女はいつもしている時との違いに気付いていた。それもその筈で…。この時の日和は避妊具を付けていなかったのである。しかし、そんな事実には目もくれず、彼女の腰が掴まれピストンは激しくなり、彼らの快楽の波は徐々に大きくなっていった。
「ァ…っ。日和く……っ。もっとォ…っ」
「はぁ…っ。名前…っ」
ナカで出されることはなかったが、彼の白濁は彼女の太腿にかけられ絨毯に染みを作ってしまった。結婚したからってゴムなしでするのは時期尚早だったのでは?と言いたげな彼女の視線を真っ向から受け止めるも、日和はすっきりとした笑顔だ。太腿に付着したものは彼がティッシュで後処理をしてくれていた。「ぼくの奥さんがこんなに可愛いなんてね!これからの新婚生活が楽しみだね!」とキラキラとした笑顔を向けられ、文句も言えずに膝枕された体勢のまま名前は自分の旦那となった日和を見つめた。自分第一主義で貴族気質の日和だが、その愛情は本物だった。優しく愛しげな眼差しを受けて名前はひしひしと幸せを感じていた。
END