七種茨短編
巴日和
名前
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-「私、今日は日和くんと離れたくないな」と言ったのは彼女の本心であり、自分とジュンの仲を懸念して彼を悩ませてしまったことも申し訳ないと思っているが、それとこれとは別問題だ。「名前はぼくを煽ってるね!ぼくも男だっていうのに…危機感なさすぎだね!」と彼の言う通り、煽っていたのは事実だが、彼女は大きな湯船の中で肩まで湯に浸かり、身を縮こまらせた。それもこれも、ごく自然に浴室に入ってきた日和のせいだと言っても過言ではない。タオル一枚で隠していたといえ、彼が身体を洗っている間はそちらを向かないようにしていた。だからこそ、彼に背後を取られてしまったのである。「そんな隅に逃げないでほしいね!」と咄嗟に移動した彼女を抱いた状態で彼は告げる。
「入浴まで一緒にするなんて聞いてないよ」
「今日は離れたくないって言ったのは名前だね!忘れたとは言わせないね!」
日和の性格は重々承知していたが、バスタイムを共にするのは今日が初めてだった。腰に回されていた彼の腕が上に迫り、大きな手で胸を包まれた。久しぶりに彼から触れられ、気分が高揚している彼女は拒むことなく彼の手で乱されていく。胸を揉みしだかれながら囁かれる彼の言葉を耳にして、途端に恥ずかしくなった。「名前…前より胸が大きくなったね」と、バストのサイズアップに気付いてくれたのはいいが、「これもぼくが触ってるおかげだね!」と言われるとバストアップの為にしてきた自分の努力が全て日和のおかげになってしまったような気がして腑に落ちない。だが、反論しようにも彼に絆(ほだ)されている今は何も言えなかった。口から零れ落ちるのは甘い嬌声だけで、バスルームに反響する。
「はァ…っ。だめ、日和く…っ」
強弱をつけて揉まれながら、指先で執拗に先端を攻められる。「ぼく好みのいやらしい身体になってきたね」と、胸への愛撫と同時に左手で蜜壷をなぞられ、彼女はびくんと体を震わせた。「ヌルヌルしてるね」と、濡れそぼっているそこに気付かれ、彼の指が入ってくる。「いやらしい子にはお仕置きだね」と彼の長い指が出し入れされ、ナカでバラバラと動かされる。いい箇所を何度も掠められ、指だけで達してしまいそうになった瞬間、それが引き抜かれてしまった。物足りなさに訴えるような眼差しで彼を見つめれば、彼は色気のある表情で檜風呂の淵に腰掛けて壁に凭れたまま彼女と視線を合わせた。
「一緒に気持ちよくならなきゃ意味無いね!」と、彼に背を預ける体勢…背面座位の体勢になるように促され、おずおずと膝の上に跨る姿勢になる。彼の腫れ上がった男根が解(ほぐ)された名前の蜜壷に収まっていく。彼女のナカは狭く、ギュウギュウときつい締め付けが彼の快感を昂らせる。彼女のくびれを掴んだ状態で下から突き上げるピストンが繰り広げられる。
見た目は決して男性的とは言えないような日和だが、その行為は予想外に激しく…また、ご無沙汰だったということも影響し彼らの快楽の波はどんどん高くなっていく。バスルームにはパンパンと肌のぶつかる音が響き、湯が跳ねる音がして背徳感が増幅していく。
「あァ…っ。それ、やだ…ァっ」
晒された双丘に手を這わせられ、頂を刺激される。律動は留まるどころか、最奥に届く程に奥へと突かれ、彼女は彼に両腕を後ろに引っ張られるというまるで犯されているような体位に翻弄されていた。だが、一つ問題があるのも事実…。バスルームでの彼らの行為は全く避妊されていないということだ。快楽に流されすぎてそんなことまで気が回っていないように思えるが、ナカで出されてしまえば、取り返しがつかない。
「はぁ…っ。名前、締め付け、すごいよ…っ」
「やァン…っ。日和くん…っ」
まさに間一髪。彼女が勢いよく立ち上がり、それが抜かれた刹那、放たれた熱い白濁が彼女の太腿を伝い落ちていく。達した直後の彼は荒く息をしながら、湯に浸かる彼女に抱き着いた。「すごく良かった。いい日和!」と息も絶え絶えに笑顔を滲ませた彼は、熱に浮かされたように紅潮した頬を持て余している彼女の唇に自らのものを重ねた。彼女が床に手をつき、彼が背を支えた互いの表情が見える体勢で、彼は深い口付けを何度も交わす。名前は自分のものだと確かめるようなその口付けの後に、鎖骨を唇がなぞり、やがて微かな痛みが走った胸元には赤くくっきりとした所有印が残されていた。
END