七種茨短編
漣ジュン
名前
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-12月の朝は空気が澄んでいるが、冷えきっていた。マフラーに口元まで顔を埋めて手袋をはめた手を擦り合わせる。「ジュンくん!寒いからあっためて~」と登校してきた彼に抱きつこうとイメージしていた名前だが、朝一番に出くわした日和によってそのイメトレは無意味なものとなってしまった。玲明学園の校門の前で挨拶した彼女は「寒い寒い」とボヤいていた。「寒いならぼくが温めてあげるね!ぼくに温めてもらえるなんて名前は幸せ者だね!」と想定外なことに、彼女は日和からぎゅっと抱きしめられた。名前がジュンと交際していることを日和は知らないので仕方ないかもしれないが、それにしてもスキンシップが過剰だ。だが、ここで日和を拒めば後々ジュンに面倒がかかると予想した為、強く言及することも出来ずに彼の気が済むまでこうされているしかない。と彼女は人知れず腹を括った。
「ちょっと、おひいさん!なんで名前を抱きしめてんすか!?」
暫くすると、登校してきたジュンと鉢合わせた。しかし、この場面を見られたのは非常にまずい。と、彼女は内心冷や汗をかいていたが日和が明け透けに証言してくれたものだから誤解はとけたようだ。「ぼくは優しいからね!寒がってた名前を温めてあげたんだね!」と。「それは完全にセクハラっすよ。名前も少しは抵抗してくださいよぉ?」と日和の機嫌を損ねないように、彼女が敢えて嫌がる素振りを見せなかったのだと推測しているが、そこは恋人として納得出来ない部分でもあったジュンは名前の手を握り歩き出した。三年生の日和とは向かう先が違う為、彼らはここで別れた。後ろから文句を言っている声が聞こえてくるが、それを受け流してふたりは教室に向かう。「ジュンくんの手、あったかいね」とジュンの手を握りしめて、彼女はご満悦のようだ。
「おひいさんにはしてやられましたねぇ。俺、これでも嫉妬してるんすよ」
「私も、悪いとは思ってるよ。本当はこうやって、ジュンくんに温めてもらいたかったんだけど」
手を離し、今度は腕に絡みついて彼と腕を組んで笑顔を浮かべる名前を見て、ジュンは胸に甘いときめきを覚えた。「そんなに甘えたい気分なんすか?」と彼の問いかけに、にやりと微笑んで彼女は答える。「寒いと人肌恋しくなるからね」と。その発言は遠回しな誘い文句だったりする。危なげな発言にドギマギさせられたジュンは自分に向けられる羨望の眼差しを痛い程に感じていた。そもそも名前はEdenのプロデューサーであり、秀越学園に転入出来る筈の実力者なのだがジュンと一緒に居たいという理由で玲明に残っているのだ。
-「お風呂が壊れたから、ジュンくんの部屋で入らせて~!」と、夜更けの訪問者は緊急事態に直面した名前だった。ジュンと同様に玲明の寮で暮している彼女は荷物を抱えてジュンのもとへ訪ねてきた。「この寒いのに、お湯が出ないの」と困り顔で眉を下げる彼女を部屋に上げる。互いの寮への出入りは禁止されているが、今回はやむを得ない。彼は既に風呂に入った後だったがやましい気持ちが起こらないほうが不自然とも言える状況だった。「ジュンくん。一緒にお風呂入ろ?」と彼女からの煽りが成功し、彼らは脱衣場に入っていく。身体の関係がないわけではなかったが、自分の誘いにジュンがノってくるとは思わなかったせいで、彼女は見た目に反して胸は早鐘を打っていた。背を向けて着替えを済まし、フェイスタオルで前を隠して浴室に入った彼女の後からジュンが入ってきた。そして、お風呂プレイの定番とでも言える洗いっこが決行された。シャワーで身体を濡らし、ボディーソープの付いたスポンジで彼に背中を洗われる。背中にばかり滑らされるそれは前にくることがなく、名前の手により彼の手が誘導された。
「ジュンくん。こっちも洗ってね」
「無理な注文はお断りっすよぉ?」と文句を言うも彼の手は彼女の膨らみに触れており、泡だらけのそこに這わせられた手が乳頭を掠めると彼女はびくんと反応を示した。泡の付いた手で足の先まで洗われ、再び胸に触れる手がわしわしとそこを揉みしだき敏感な頂を刺激する。身体の疼きが高まってきた彼女は彼と位置を交代し、泡だらけの身体で彼に抱きつく。手に持っているスポンジよりも自分の身体を擦りつけるようにしている。やがて、彼女の手は反応を示している男根に伸び、ボディーソープが潤滑油代わりとなる形で彼のものが扱かれた。「ジュンくんのここ、大きくなってるね」と名前がからかう。「誰のせいだと思ってんすか」とジュンの言葉は与えられる快感のせいで途中で途切れることになった。彼のそれが屹立しているように、余裕のあるように見える彼女も実は太腿をモゾモゾとさせてしまうくらい身体が彼を求めていた。
「それじゃ、流しますよぉ~」
「自分でやるから!シャワー貸して」
泡で隠れていた肌が晒され、シャワーからの水圧のある湯が敏感になった胸の先に触れる。わざとそのような当て方をしている彼からシャワーヘッドを奪おうにも、ジュンは既に自分の身体に付いた泡を流しきってしまった後であり、彼女は自分ばかり感じさせられたことに少々憤慨した。「なんで今更恥ずかしがるんすか?」と、しゃがんで身を縮こまらせている彼女を一瞥してジュンは苦笑した。
「いや…。なんか私ってこんなに淫乱だったかなって…」表情を隠すように手で顔を覆い自嘲的に呟いた名前にジュンが返答し、その腕が引かれた。「名前を淫乱にしたのは、俺のせいっすよ。きっと」「責任とってよね。ジュンくん」壁に手をつく立ちバックの体位にさせられた名前の潤った蜜壷はジュンの男根を受け入れ、彼の手でくびれを掴まれて律動は激しさを増していく。
「ハァ…っ。だめェ…っ」
「ほんと、やらしいっすね」
「アァ…っ。もっとォ…っ」
身体が冷えるといけないから。とシャワーは止めず。交わる彼らに降りかかり、その水音に彼女の嬌声も、肌がぶつかる卑猥な音も掻き消された。晒された胸に、つんと主張する胸の頂をジュンに刺激され、蜜が溢れ快楽の波が高まっていくのを感じていた。
「やだァ…っ。イっちゃいそ…っ」
「はぁ…っ。じゃあ、イかせてやりますよ…っ」
名前は荒く息をしながら弓なりに背中をしならせた。ジュンが彼女のくびれを掴み、ラストスパートでストロークを大きくすると身体を震わせて名前が絶頂を迎えたのが分かった。彼女の脚を彼の白濁が伝い落ちていく。やがて、湯船に浸かる彼女を彼が後ろから抱きしめる形で彼らは浴槽に収まった。名前のうなじに唇が触れた後には、くっきりと所有印が残されていた。
END