七種茨短編
漣ジュン
名前
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―「ジュンくんになら、どんな事をされたっていいよ」と囁く彼女の言葉は嘘偽りのないものだったが、言葉とは裏腹に、この後どう接したらいいのか。と、途端に焦燥感に苛まれていた。積極的にジュンを煽っていく名前だが、決して経験豊富なわけでもなく本当に初めてなのだ。ベッド上で自分を押し倒している彼は何だか余裕があるように瞳に映る。だからこそ、もしかしたらジュンくんは経験があるのかも…と予測していた。勿論それが悪い事だとは言えないが、大好きなジュンの初めては自分が貰いたい。と、密かにそんな想いを巡らせていた。
「ジュンくん…もしかして、経験者だったりする?」
返答を待つのが怖い。だが、その考えは杞憂だったのだと、すぐに気付かされた。「経験者…?だったら、彼女にリードされるなんてかっこ悪いとこ見せてるわけないじゃないすか」と、心外だと言いたげに彼は息をついて自分を見上げる彼女と視線を絡めた。「俺が下手なせいで、名前に痛い思いさせるんじゃないかとか、色々と心配してる男なんてかっこ悪いっすよね?」とその問いかけは不安げであり彼の優しさが垣間見えていた。彼のうなじに指を回した状態で彼女は答える。「それはジュンくんが私を大事にしてくれてる証拠でしょ?かっこ悪いどころか、私としてはすごく嬉しいよ」と。ふにゃりと笑みを滲ませた彼女の唇に、彼のほうから口付けが落とされ頬を両手で包まれながら、次第に舌を絡めた濃厚なものへ発展していった。唇を離すと、シャツのボタンに手をかけたジュンによってそれが外されていく。「自分で脱げるから…」と既に服を脱がされていた彼女は、薄手のキャミソールを自ら脱ぎ捨て彼を見据えた。ランジェリー姿の彼女を前にして直視出来ないと言わんばかりに彼女から視線を逸らしている。
「ジュンくん。なんで私をちゃんと見てくれないの?」
「なんでって…まさかこんなやらしい下着着てると思わなくて…」
黒のレース素材のランジェリーは、名前の胸の大きさを強調しておりショーツも若干透けているのが何ともいやらしかった。「ジュンくん、こういうエッチなの好きかと思って」と彼女が正面から彼に抱きつくと「俺の気も知らないで、積極的すぎるんすよ」と彼の指でブラジャーのホックが外された。下着を取り上げられ、胸が外気に晒されると何故だか彼女は身が縮こまってしまった。そんな様子に気付いた彼は口元に笑みを携えながら耳元で問いかける。「名前、緊張してるんすか?」と。「ジュンくんとの初めてだもん。緊張しないわけないでしょ」と照れて頬を紅潮させているのが愛しくて、可愛くて、ジュンは名前をより一層強く抱き竦めた。
―何も纏っていない胸が布地越しに密着し、気分の高揚と共に彼の手が彼女の胸を包み込んだ。優しい手つきで揉みしだかれ、掌が頂を掠めると、彼女は過剰に反応を示していた。一瞬にして彼女の弱点を見つけた彼は、ベッドに背中を沈めた彼女の乳頭をくりくりと指で愛撫していく。彼女の口から零れる甘い喘ぎ声を聞いて、ジュンは下半身に熱が集まるのを感じていた。やがて暑くなってきた彼は、制服を脱ぎ捨て下着だけの姿になった。「名前、胸が一番感じやすいでしょう?」と組み敷かれた体勢で、意地悪な問いかけには何も答えられずに華奢な体は彼によって暴かれていく。
「あァ…っ。おっぱいだめェ…っ」
「嘘っすよね。こんなに濡らしてるくせに…」
両方の頂を交互に舐め、ショーツの隙間から指を挿入した彼は十分すぎる程に塗れそぼったソコを二本の指で掻き回していく。びくんびくんと身体をしならせる彼女は、下から愛液が溢れていくのに気付いており、指だけでは物足りなさを感じていた。「ねぇ、ジュンくん。欲しいの…っ」と上目遣いで生理的な涙を浮かべながら懇願され、ジュンも我慢の限界だった。「今、着けるんで」と避妊具を装着してから彼女と向かい合い、涙の滲む目尻にキスをしたジュンは照れた表情で微笑んだ。「痛かったら無理しないように…」と言及してから、蜜壷に腰をゆっくりと沈めていく彼の想いとは裏腹に、彼女は既に破瓜された痛みを我慢していた。優しくしてくれているのに、途中で止めるなんて出来ない。という想いと、ジュンと一つに溶け合ってしまいたかった彼女は恍惚とした表情で深い口付けを何度も繰り返していた。グチュグチュと粘着質で卑猥な音とリップ音が静寂をかき消して、二人の胸にいけないことをしているという背徳感が募る。
「はぁ…っ。名前、締め付けすぎ…っ」
「ジュンくん、気持ちいい?」
早漏ではないのにも関わらず、彼女のナカが気持ち良すぎて、達しそうになっていた彼はその問いかけに頷いて、「もっと、激しくしていいよ」と自分を煽ってくる彼女を翻弄してやろうと更に奥へと腰を打ち付けた。腰を進めながら頂を弄ってみると、彼女は艶かしく身を捩らせた。その姿は酷く扇情的で「いつからこんな淫乱になったんすかねぇ…」と呟くや否や「全部、ジュンくんのせいだよ」と反論されてしまった。荒く息をしながら、ラストスパートで出し入れを加速させた彼は、快楽に身を委ねた名前にきつく抱き締められ、一枚の膜を隔てて欲を吐き出した。
「ひゃァァ…っ。いいよォ…っ」
―「ほんと、いやらしすぎて困るんすよ。初めての癖にあんなに無理して…」
「だって…ジュンくんのこと好きすぎて、止まらな…っ」
好きすぎて止まらなくて。そう言い終わるよりも先に、愛おしげに目を細めた彼が名前の髪を撫でながら赤く染まっている彼女の頬に口付けをした。穏やかに髪を撫でられ、身体の疲労感もあり、微睡んだ名前はジュンの腕の中で意識を手放した。
END