七種茨短編
Eden
名前
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-「女の子の理想のバストの大きさって、どのくらいですか?」
雑誌のインタビューで訊かれそうなことをあらかじめ予想して彼らに訊いているのは、Edenのイメージを守る為でもあるし、閣下に至っては素の純粋なキャラが出てしまうかもしれないし。というわけで冒頭の質問に戻る。ジュンくんはブラッディ・メアリの散歩に行ってしまったし、茨はなんか事業の事で忙しいらしくここにいないのでEdenの先輩組から質問させてもらうことにしよう。閣下は考古学の本を読書中なので、とりあえず日和殿下からにしよう。とソファーで一休みしている彼の隣りに座って、質問の経緯を説明しつつ問いかけてみる。
「そういう下品な質問には答えたくないね!」
「日和先輩のファンの女の子もみんな知りたがってると思いますよ」
「名前も知りたいの?」と訊かれたのでうんうんと頷く。「それなら仕方ないね」と、困ったように笑っては私の瞳を真っ直ぐに見つめてくるから正直照れる。「ぼくは女性を胸の大きさで判断したりしないね!本当に好きなら、どんな大きさでも愛せる自信があるね!」と、いい笑顔で断言してくれた。さすが陽光の貴公子。全国の胸の大きさ重視の男に聞かせてやりたいな。と大満足で頷いていれば、「それ、私にも訊いてる?」と本を置いた凪砂閣下が密着してきた。興味津々な眼差しが可愛い。「そうですよ。メンバー全員に訊くつもりなので」と返答すると彼は私に顔を近付け、耳元に唇を寄せた。
「私はね、名前くらいの大きさがいい」
「え…っ!?それは…ペチャパイでもいいってことですか」
「名前はペチャパイ?じゃないよ」
閣下、私の胸見たことないでしょう。だから私があんまり胸が大きくないことを分かってないんだろうな。まぁ…でも、素の閣下にそう言ってもらえたのはなんか嬉しい。茨だったら「名前って胸小さいですよね」とか言いそうだしな。閣下の膝の上に乗せられて後ろから抱きしめられていたらジュンくんが帰ってきたので、早速質問してみる。「なんて質問してんすか」と狼狽えているな。
「ジュンくん、大きいほうが好きそう」
「偏見すごいっすね。まぁ、大きさは大事だと思うっすよ」
「ほらやっぱり。巨乳好きなんだな」
思春期男子っぽくていいじゃないか。と、私がにやにやしていると顔を真っ赤にさせたジュンくんが「誰も、巨乳が好きだなんて言ってないんすけど」と否定してきた。「「大きさは大事」とか言ってたじゃん」と笑いながら指摘してみると苦笑していた。「それは、その人に合った大きさなら構わないって意味で」と、いい子ちゃんな回答が聞こえてきたので顔を見合わせる。相変わらず顔真っ赤だし、純情ボーイだなジュンくん。
-「あと訊いてないの茨だけなんだよね」
「なんでありますか。くだらない質問ならやめてくださいよ」と、彼は言うけれど、多分くだらない質問だ。中々予定が合わず、副所長室にまで足を伸ばすことになって今に至る。「閣下達はなんて答えたんですか?」と訊かれたけれど敢えて教えない。「というか、インタビューでそんなこと訊かれないでしょう?」と言われてしまい、内心焦る。まぁ、今までそんな質問されてこなかったもんね。私がただ知りたいだけなのかもしれないな。「こういう特集楽しみにしてるファンは多いよ。だから答えて?」とそれっぽいことを言ってみると茨の目付きが変わった。
「名前くらいの大きさがベストであります」
「…~っ!?なんで今触ったの?」
「明確な大きさを知りたかったからでありますよ」
「どうせ、小さいな。触る価値ないな。とか思ってんでしょ?」
「自分…名前の胸、好きでありますよ」
茨にセクハラされた傷心を凪砂閣下に癒してもらっていたら、「えー。茨ずるい」と言われて思わず固まった。日和殿下は「毒蛇最低だね!」と怒っていた。
END