七種茨短編
Eden
名前
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―「夢ノ咲の人に、「秀越学園の子猫ちゃん」とか呼ばれたんですけど~」
「なんでありますかそれ。めちゃくちゃ胡散臭いですね」
「茨が言えたことじゃないと思うんすけど」
夢ノ咲在籍のアイドルを調べて、タブレットPCの画面をタップ。なるほど…switchの逆先夏目くんというのか。この前、敵情視察に行った時の出来事をEdenに報告するや否やこの有り様である。「名前はこういう男が好きなんすか?」と画面を覗き込んだジュンくんに問われ、「そうじゃない」と否定する。ただ単に、あの胡散臭いアイドル誰?という不信感も混じった興味なんだろう。「子猫ちゃん?」と凪砂閣下に頭をぽんとされて顔を上げる。うーん…閣下に言われるとありかもしれない。と思ってしまうな。日和殿下まで子猫ちゃん呼びしてくれたし、Edenの先輩方が便乗してるが意外と悪くない。
「子羊ちゃん」
「ジュンくん…なんか違うこと言ったでしょ」
「どうなんすかこれ。女子としては嬉しいんすか?」
「分かんない」
私はこんなことで惑わされたりしないぞ。と決心していたのに、Eden恐るべし。子猫ちゃん呼び意外と嬉しいかな。とか思ってしまったじゃないか。switchの逆先くんは茨に(胡散臭いところが)似ている気がしたが、茨は頑なに言ってくれないんだな。まぁ…相手が私だから仕方ないか。そんな時、その毒蛇がハッと思い出したように口を開いた。「そういえば、自分が迎えに行った時も…軟派な男に話かけられてましたよね?」と。「あぁ…UNDEADの羽風さんね」私があんずちゃんを探してウロウロとしていたら声をかけられたのだ。敵のプロデューサーも見境なくナンパするなんて、夢ノ咲のアイドルどうなってんだ。
「今後、名前がひとりで夢ノ咲に行くのは禁止だね!」
「じゃあ…その時は私が一緒に行こうか」
「こうなったら、自分も同伴するしかありませんね!」
Eden過保護か。こんなに目立つ人達と一緒に敵情視察など出来るわけないと思うんだ。こんな出来事があった数日後…敵情視察と称してこっそりと2winkのライブに行っているのがバレた。毒蛇に…。にやけ顔でサイリウム振ってた時に耳元で「なんで夢ノ咲のアイドル応援してんですか」と、問われた時の恐怖と言ったらない。しかも、その後の茨はずっと不機嫌だったし…。
END