七種茨短編
Eden
名前
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―「じつは、彼氏に浮気されまして…」
ミーティング中の会議室。Edenのプロデューサー名前が何気なく告げた一言に、彼らは凍りついた。「許せないね!どこの馬の骨か知らないけどね!」と日和が怒りだし、「というか、恋人いたんですか」と茨が驚いたような表情で彼女を見据える。「私達でその男を成敗しに行けばいいんだね」と物分かりの良すぎる凪砂が頷く。「今日のミーティングって、そのことなんすね」とジュンが複雑な心境で納得を示した。だが、話の張本人はあっけらかんとしている。浮気されて彼氏と別れた後の女子のようには到底思えない。それもその通りで。「みんな怒ってくれるのはありがたいんですけど。浮気されたの私じゃなくて、友人なんだよね…」と。Eden一同はその真実にホッと胸を撫で下ろした。しかし、アンニュイな雰囲気を漂わせている彼女は更に問いかける。
「浮気しない男性なんていないのかなぁ…?」
女性に困らないであろう美形集団のEdenにこんなことを訊くこと自体間違いなのでは?と彼女は自らがした問いかけを取り消したくなったが、それに反して彼らは笑顔である。「男=浮気する生き物だと思ってるわけっすね。まぁ、俺は浮気なんてしませんけど」とジュンが呟けば、隣の席の彼女にぴったりとくっ付いて日和が微笑む。「僕のお嫁さんになれば、何も問題ないね!それがいい日和!」と。すると、ちょっと待った!と言わんばかりに席を立ったのはAdamの二人である。「ねぇ、私も浮気なんてしないよ。だから、お嫁にきてほしいな」と座っている彼女の頭にぽんと手が乗せられ凪砂が子犬のような表情でその顔を覗き込む。「さすが閣下!自分も同意見であります!そんな下衆な男と一緒にしないで頂きたいですね!」と席に戻った茨が真っ直ぐに彼女を見つめながらそう告げる。
「日和先輩。距離が近いんですけど」
「ほら。おひいさん、さっさと離れましょうねぇ…」と密着していた日和をジュンが引き剥がしてくれた。「凪砂くんだって頭撫で撫でしてるのに!不公平だね!」という反論は「あれは閣下だから許される行為なのであります!」という茨の言葉で論破されてしまった。凪砂に頭を撫でられている彼女の顔には笑顔が戻っていた。「こんな議題のミーティングにも真摯に取り組んでくれるEdenが、私は大好きだよ」と。「プロデューサーから話振られたら仕方ないっすよね」とジュンが苦笑する。「最初は、とんでもないカミングアウトがされたと思ってヒヤヒヤさせられましたけどね」と茨が溜め息をついた。「はい、ミーティング終了!」と彼女がぽんと手を叩いて席を立つが、この人達は納得していないようである。
「名前をお嫁さんにすること、諦めてないからね!」
「私だって。さっき言ったこと全部本当だから、考えておいてね」
「ねぇ。Edenの先輩達がめっちゃグイグイ来るんですけど~。二年のふたりはガン無視ですか~」
「あとは名前に任せます」
END