七種茨短編
七種茨
名前
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―白い壁紙に、部屋にはホテルに置いてあるようなキングサイズのベッドがあるだけ。ここは何処なんだろうと、辺りを見回すと彼女の隣にはAdamの七種茨が居る。Edenのプロデューサーでありながら、名前と茨は犬猿の仲だった。訝しげな視線を彼に向ければ、目の前に、何か記されている紙を突き出された。彼女はその文章を目にした途端に、冷たい汗が背中を伝ったような気がした。「なにこれ。冗談でしょ?」と、この現状を受け入れられず、鍵のかけられている扉を無理矢理こじ開けようと行動に出れば、追い討ちをかけるような言葉が響く。外と連絡を取ろうとしても、圏外になっており電話も使えないようだ。
「そんな重厚な扉、無理矢理壊すのは無理だと思いますよ」
「茨はなんでそんな平然としてられるの?」
「出られる方法がないわけじゃありませんからね」
出られる方法…即ち、行為に及べば外に出られる。だが、互いに嫌悪している自分達がそんな事出来るとは思えない。不安そうな表情の名前とは裏腹に、茨はこの状況を楽しんでいるようにも思える笑みを見せている。「ベッドに向かいましょうか」と立ち上がった彼に、信じられないと言いたげな口調で拒む彼女は座り込んだまま動けない。「ちょっと待ってよ。茨は私相手で反応出来るの?」と。
「こんなところで非生産的な時間を過ごすくらいなら、相手が名前だろうと襲うつもりですが」
事も無げに言いのける彼に、闘争心に火がついた彼女は「絶対反応させてやるんだから」と、つかつかとベッドまで歩いていき靴を脱いで中に潜った。シーツで顔を隠しながら、彼には聞こえない声で「どうしよう」と漏らす彼女の心配事は、自分がまだ処女であるということだった。茨のことだから絶対バカにするに決まってる。と不安を募らせていると右隣に来た茨がベッドに入ってきた。「脱がされたいんですか?」と、シャツにかけられた手を振りほどき、床におりて制服のスカートもワイシャツも脱いでしまった彼女はその様を眺めている彼をひと睨みして渋々ベッドに戻った。
「自分に抱かれるのがそんなに嫌ですか?」
「そういう茨だって、私なんか抱きたくないでしょ…」
「自分はそうでもありませんよ…」
―顔を背ければ、背中のホックが外されてしまい、ブラを取り払われてしまった。シーツを手繰り寄せて胸を隠しても、そうはさせまいと伸びてきた彼の手が豊満な乳房を包み込んだ。誰にも触らせた事がないのに、相手は大嫌いな茨なのに…と頭では拒否しているのに体はそれとは反対で。彼の股の間に座る姿勢で、後ろからわしわしと揉みしだかれるのも、指先で掠めるような乳頭への愛撫も快感に変わってしまう自分の女としての本能が嫌だった。女らしい体つきに、そして唇の隙間から漏れる甘い嬌声に、茨のソレは既に勃ち上がっているのだが、彼女には気付かれたくない彼は体勢を変えた。頂に舌を這わせ、夢中で吸いつきながら勃っている片方の胸の先を愛撫する。茨の視線は、情欲に染まった彼女の反応を見て楽しむような眼差しをしている。
「そんな…吸っちゃ、だめェ…っ」
「こんなに反応して、いやらしいですね」
彼女自身、信じたくないが割れ目を指で触ってみると完全に濡れそぼっていた。「嫌いな人間に抱かれてこんなに濡らすとは、とんだ淫乱ですね」と、茨の長い指がソコを解し、同時に右の乳頭をきつく吸われる。しかし、彼の男根が太腿に当たるのを感じて、「茨もビンビンなんじゃない」とからかうように笑った。
「ねぇ、茨…まだ挿入しないの?」
「あなたねぇ、処女なんだから十分に濡らしておかないと痛いですよ?」
「なんで私が処女だって決め付けるの?ばか茨」
「名前が処女じゃないなら、手加減しませんけどいいんですか?」
「やだ。初めてなんだから、優しくして」
彼女のソコが溢れるほどに濡れた頃、避妊具を付けた茨のものが彼女の膜を破る。痛みに顔を歪め、背中に回された手に力が込められる。「止めなくてもいいから」と気丈に振舞う彼女の唇にキスを落とした彼は名前を愛しいと感じる自分の気持ちを信じたくないとすら思っていた。ゆっくりゆっくりと腰を動かしながら反応を示している胸の頂に触れてやれば、恍惚とした表情で身をよじらせる。
「感じてるんですね。名前」
「あァ…っ。ヤダァっ。茨ァ…っ」
なんて可愛い反応をするんだろうと、嗜虐心に火がついた茨は奥へと奥へと、ピストンを加速させた。遠くから、がちゃりと扉のロックが解除される音がしたが、快楽の波に呑み込まれている彼らの耳に届くことはなかった。
「アァ…ンゥっ。茨ァっ、…ダメだってェ…っ」
「ほんとに、素直じゃないですね」
―「痛むんでしょう?暫く休んでから出ましょう」
「優しい茨なんて茨じゃない…」
「あんなに喘いでたくせに、そういうこと言うんですか。可愛くないですね」
END