七種茨短編
巴日和
名前
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※短い
―御曹司キャラなら英智くんよりも断然巴日和くん派の私は、この世界にトリップしてから推しとまともに話せたことがない。遠目から眺めてるくらいで調度いい。近くで見たら美形すぎて眩しいし、そもそも心臓が耐えられないから。エンカウントを予測出来なかった時に「おはよう」と挨拶された時には死ぬかと思った。(尊すぎて)
「名前さんて俺のこと嫌いなんすか?」
ジュンくんごめんよぉ。そう…推しの日和くんを避けていると必然的にジュンくんのことも避けるはめになってしまうのだ。ジュンくんが「おはようございます」と挨拶してくれたのに適当に返して逃亡したから不審すぎたに違いない。そんな私の後を追って声をかけてくれるジュンくんは優しすぎると思う。ジュンくんのことが嫌いなわけじゃなくて日和くんとの予期せぬ遭遇を避けるためにしてる行動なんだけど。と…ここで、緊急事態発生。ジュンくんの後ろから「ジュンくん。嫌われてるの?」と日和くんが現れた。美形すぎる…普通のファンならばEveの二人が揃ってて大歓喜だろう。しかし、私は心臓バックバクでヘナヘナとその場で蹲ってしまった。
「間近で見る日和くん…眩しすぎて…」
「まったく…おひいさんのどこがいいんすかねぇ」
「まさかそんな理由で俺まで避けられてたとは思いませんでしたよ」と、ジュンくんは溜め息混じりに私を見た。彼に今までの事情を説明したところ、めちゃくちゃ笑われた。避けまくってて感じ悪かっただろうに、こんな私にも親切にしてくれるジュンくんいい子すぎて泣ける。しかし、おひいさんに明け透けに暴露した挙句「名前さん、おひいさんのファンらしいっすよ」と日和くんの前にずいっと差し出すのはあかんよ。アイドルめ、複雑なファン心理舐めんな。
「名前ちゃんは見る目があるね!でも、そんな理由で徹底的に避けるのはやめてほしいね!」
―「名前ちゃんいいところで会ったね!今日は君に紹介したい子がいるね!」
ブラッディ・メアリと日和くんの組み合わせ可愛すぎる!と、散歩中の彼らをコソコソと見守っていたら本人に見つかって冷や汗をかいた。メアリ可愛いな。と、メアリにくぎ付けになっていたら日和くんに抱っこしていいと許可を貰えて無事メアリを抱っこすることに。「メアリと一緒にいる日和くんが可愛過ぎて悶えてました」と私のキモい発言にも引かないポジティブおひいさん最高。
「名前ちゃんて思ったよりぼくのこと好きなんだね!」
「そうだけどさぁ…。本人に言われると照れる」
私はべつに日和くんと恋愛関係になりたいとかそういうことは思っていない。と、前にジュンくんには話したことがあるが、まさか本人に伝わっているとは思わず。メアリを日和くんに手渡して逃げようとしたところ、彼に手を掴まれてしまい逃亡は失敗した。そのままじぃっと真っ直ぐな眼差しで見つめられて、ドキドキしすぎて目を逸らした私に彼は告げる。
「ぼくのファンなのに、恋愛関係になりたくないなんて信じないね!それに、ぼくは名前ちゃんのことが好きなんだから責任をとってほしいね!」
日和くんが私に愛の告白(?)を告げた瞬間、彼の腕に抱かれていたメアリが日和くんの頬をぺろぺろと舐めた。メアリも女の子だからヤキモチかな?などとほっこりしていたのに、何を勘違いしたのか近付いていた日和くんに髪を梳かれ、頬にキスを落とされた。
「責任を取るとは、お付き合いするってこと…?」
「うんうん、責任をとって結婚するんだね!」
END