リクエスト
名前
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-「まったくもう、また仕事中にお酒なんて飲んで…」
「そう堅いこと言うなよ。恋人に対して厳しすぎるんじゃないか?」
名前は時折、私は何故こんなにだらしない男と付き合っているのだろう…という疑問を抱くことがあった。彼女は夢ノ咲学院の教員であり、佐賀美陣の恋人である。唐突な口付けはアルコールの香りが鼻腔を掠めた。まるでご機嫌取りのようなそれに一喜一憂するなんて滑稽だと、彼女は顔を顰めた。「保健の先生が一番自己管理出来てないなんて…」と、保健室に訪れた彼女の小言に陣は「分かった分かった」と受け流す。彼らは深刻な喧嘩こそする事はないが、堂々巡りにも思えるやり取りを毎日のように繰り返していた。そんな彼らの仲に暗雲をもたらす存在が現れた。それが転校生だ。その日、いつものように昼食を共にしようと弁当を携えて保健室の前まで赴けば、中から何やら話し声が聞こえ、彼女は足を止めた。話を盗み聞いた限りでは、どうやら転校生が手作り弁当を彼に渡したらしい。「先生の為に作ってきたんですよ」と、親しげな会話が繰り広げられている。一気に心が沈んでしまった彼女は踵を返して職員室へと戻っていく。
「章やん。これあげるよ」
「何ですか。唐突ですね」
陣に渡す予定だった弁当は、章臣に渡された。向かい合って弁当を食べていると、ぽつりと名前が呟いた。「男はみんな、若い女の子が好みなのかな…」と、陣の事を揶揄した台詞に、彼はすぐに否定の言葉を被せた。「少なくとも、私は該当しませんよ」と。「そっか。章やんは陣ちゃんと違って堅実だね」と物憂げな彼女の様子に、「陣と喧嘩でもしたんですか?」と問いかけるが、彼女は口を噤んだまま弁当を食べ進めている。無言の肯定に、彼は確信している事を告げる。「陣はあなたの尻に敷かれているタイプですし、すぐに謝ってくると思いますよ」と。
-「なぁ、名前。近頃、俺の事避けてない?」
保健室に顔を出す回数を極端に減らし、手作り弁当を持っていくのをやめた為、彼らの会話は明ら様に減少していた。彼の「今夜、泊まりに来るだろ?」という誘いも全て断られていた。身体を重ねる回数も、キスの頻度も大幅に減り、陣は名前に拒まれていると気付かざるを得なかった。クラス日誌を手に保健室へ入ってきた彼女は「私達、別れたほうが互いの為になるかもね」と冷めきった言葉を告げる。彼は予想外の台詞に瞠目し、すぐに言葉が出てこなかった。「確かに、最近忙しくてデートに行けなかったのは悪いと思ってるよ」と、何か的外れな台詞を聞いて、彼女は呆れたような溜め息を吐き出した。
-「陣ちゃんさ…本気で私の事好き?」
転校生ちゃんと居る時のほうが楽しそう。という言葉は胸の奥にしまったが、「私、もう陣ちゃんを好きでいるのが辛くなっちゃったよ」と言うその声は今にも泣き出しそうな程に震えていた。椅子に座る彼と、ベッドに腰掛ける彼女の距離は付かず離れずな微妙な距離だった。今すぐ抱きしめてキスしてほしい。そう望んでいたのに…彼の言葉で奈落の底に突き落とされたような気分になった。「分かった。お前、好きな男が出来たんだろ?だから俺と別れたいってことか」と、やけに吹っ切れたような物言いに名前は深く傷付いた。「違う」否定の言葉もままならず、保健室の白いベッドの上で押し倒された。ギラギラとした眼差しは愛しげなものとは程遠く、嫉妬を孕ませた心そのものだった。
「その男にも、こんな風に体を許したのか?」と、衣服を乱される。シャツのボタンが外され、背後から差し込まれた左手が胸に這わせられ、両方の頂を刺激する。スカートを割って入ってきた右手がショーツの隙間から侵入し、濡れそぼったそこを解される。静寂な部屋には粘着質な音が響き、扇情的な雰囲気に染まっていく。
「やだァ…っ。陣ちゃ…っ」
「俺の事好きじゃないんだろ?」
抵抗しようと思えばすぐに出来る筈だが、彼女は一切抵抗しなかった。久しぶりに彼から触ってもらえた。保健室のベッドで襲われるなんて初めてだ。歓喜の気持ちに満たされた彼女は、状況も忘れて彼の愛撫に翻弄されていた。指が増やされ、ゴツゴツとした指が二本挿入され膣壁を刺激し、彼女は呆気なく達してしまった。「イったのか。淫乱だな…」と、嗜虐的な台詞ですら、昂らせるものでしかない。こんなに荒々しく抱かれるのは初めてだった。勿論、いつもならこんなに焦(じ)らされたりしない。今すぐ欲しい。そう求める彼女の想いとは裏腹に、彼は物欲しそうな彼女の期待に応えたりはしなかった。
「ねぇ…っ。私、もう…っ」
「入れてほしいのか?好きでもない男に…?」
頬を紅潮させ、涙目で自分を見上げる彼女の姿は酷く色っぽく、彼のそれは既に最大に屹立していた。しかし、最近の憤りを思い出したように名前が拗ねたような言葉を吐く。「いらないもん。私よりも転校生ちゃんみたいな若い子のほうがいいんでしょ?」と。その言葉を耳にして、彼女の不機嫌な原因が漸く判明した。「何を勘違いしてんだか。ていうことは、他に好きな男出来たわけじゃないのか…」と目の前の彼はバツが悪そうに呟く。「陣ちゃんのばか」とムッとした顔になる彼女が愛しくてしょうがなかった。その表情に反して、自らの手で乱されたその姿は彼の色欲を煽るものでしかなかった。
「悪かったよ。まさか名前が焼きもち妬いてるとは思わなかったんだ」
「俺は、今すごく名前を抱きたい」と、彼女の髪をくしゃりと撫でた彼はそのまま優しい口付けを落とす。その口付けは舌を絡めた深いものになり、息が苦しくなった頃に漸く唇が離された。伸びてきた手に胸を掴まれ、やわやわと揉まれる。指での執拗な愛撫に、彼女の甘い嬌声があがり、タイトなスカートが床にすとんと落とされた。ショーツを取り払われ、彼女はベッドに手をつき腰を突き出した立ちバックの体勢となる。充分に湿ったそこには、すぐに陣の男根が沈められた。
彼女の腰に手を添えられ、奥へ奥へと激しい律動が繰り広げられ、名前は背中を仰(の)け反らせた。
「アァ…っ。奥、きてる、よォ…っ」
「はぁ…っ。名前…っ」
ギリギリまでの出し入れを繰り広げられ、彼の無骨な手で胸を揉みしだかれる。パンパンと音が響く程にピストン運動は激しさを増した。そんな刹那、彼女はふと、気付かされた。彼の避妊具の装着が明らかではないことに…。
「あァ…っ。陣ちゃん…っ。避妊、してな…っ」
彼は避妊具を付ける素振りを見せていなかった。いつも確認しているその光景は、彼が後ろにいるせいもあり確認出来なかった。だが、いつもよりも格段に感度が良くなっているのが分かる。即ち、このまま行為を続けたら妊娠の恐れがある。それにも関わらず、彼は行為を中断しなかった。最奥を刺激され、絶頂を迎えた彼女は太ももを伝い落ちていく白濁に気付き一気に焦燥感に駆られた。だが、そんな事はお構い無しに彼は後ろから彼女を腕の中に閉じ込めた。そのまま耳元で囁かれた言葉は想定外で、驚きのあまり彼女は彼と顔を見合わせるのだった。
「安心しろよ、絶対責任はとる。実を言うと、本気で名前と家庭を持ちたいと考えてるんだ」
END