クリスマス
名前
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―「ジュンくんなんかもう知らない!」
恋人の漣ジュンと喧嘩した。冒頭の台詞を口にした名前は涙目で、ジュンの言葉も訊かずに自室に閉じ篭ってしまった。週刊誌なんて見なければよかった。と今更後悔しても遅い。誠実なジュンは浮気なんてしないと思っていた。パパラッチされた記事には、この前ドラマで共演していた女優とジュンの姿が。喧嘩したという一連の出来事は昨日のことである。今、一人きりの部屋では、ボトルからコルクが抜けた小気味よい音が響く。やけ酒である。クリスマスには、少し高めのシャンパンで乾杯しようと計画して買ったものだった。こんなもの一緒に楽しめる気になれないと、アルコールがやけに苦々しく感じて顔を顰めた。グラスに入った水面がやけに滲んで映る。深い溜め息をひとつ零したその時、急いで帰ってきた様子のジュンによってリビングの扉が開けられた。「泣きながら高いシャンパンやけ酒してるってどういう状況っすか?」と両手で頬を包まれて視線を合わされる。ジュンと目が合っただけで、堰を切ったように涙が止まらなくなった。
「俺の話に聞く耳を持たない名前がいけないんすよ?」
「別れ話聞きたくなくて…。ごめんなさい」
別れ話なんかじゃなかった。あのゴシップ記事を見て傷付いていた彼女の誤解を解きたかっただけだったのだ。立ち上がって逃げようとした彼女は彼に引き止められ、無理矢理唇が重ねられた。舌が差し込まれて、シャンパンの味ごと絡めとるように濃厚な口付けが彼女の心を乱した。アルコールのせいでほろ酔いになっていた彼女はそのままジュンの胸に凭れかかった。逞しい胸板、ジュンの匂いを感じて…離れたくないと思っていれば、彼の口からこの出来事の真実が明らかにされ、ホッと胸を撫で下ろしたと同時に、きつく抱きしめられた。「名前みたいな可愛い彼女がいるのに浮気するような男なんていませんよ」「その可愛い彼女は、一人で高級シャンパンを半分ほど飲んでしまったんですけど。ジュンくんは許してくれる?」ボトルに視線を落とせば、確かに半分近くしか残っていなかった。こうなってしまったのも、元はと言えば自分が悪いか。と、彼は小さく笑いながら名前の頭を撫でた。そして指先で軽くデコピンをした。「勝手にシャンパン飲んだ名前にはお仕置きが必要みたいっすねぇ?」と、彼らのクリスマスは恋人達のそれと言っていいだろう。ベッドルームに連れ込まれた彼女は彼の気が済むまで甘い愛情を注がれ続けたのである。
―「こんな下着付けて、本当は期待してたんじゃないっすか?」
パジャマのボタンを外せば、セクシーなベビードールが顕になった。上に着ていたものを脱がされ、ジュンを見遣る彼女の視線は、これからお仕置きをされる者とは思えない程に彼を渇望している。透けているランジェリーは、男の欲を煽る為に作られたようなデザインで。キスをしながら胸をまさぐる彼の手が、肩から紐をずり下げて直に胸に触れてくる。両手で揉みしだかれ、先端を攻められるが、口で愛撫してくれることはなく、名前は物足りなさを感じていた。だがこれこそ、仕置きのひとつである。胸が弱い彼女が悦ぶことを焦らす作戦だ。予想通り、彼女が甘えた声でジュンの名を呼ぶ。「ねぇ、ジュンくん。これくらいで満足なの?」「満足出来てないのはアンタのほうでしょう。お仕置きだって言ったの忘れたんすか?」成程、これがジュンくんなりのお仕置の仕方なのかと、うーんと考え込んだ彼女はやがて、彼の下半身に手を伸ばした。ズボンの上からそこを撫でると随分いきり勃っているのが分かる。それを取り出して、彼女が舌を這わせると彼はピクリと反応を示した。
「名前…っ。俺…こんなこと、してくれなんて、言ってな…っ」
ご奉仕の仕方を自分なりに研究していて良かったと彼女はその成果を見せるなら今しかないとやる気に満ちていた。竿を扱きながら舌を這わせ、左手で睾丸を撫でる。鬼頭に吸い付けばジュンからくぐもった声が聞こえる。拙いながらも感じてくれている。そう気付いた彼女がご奉仕を続けていれば、ジュンから額を押され、強制的に止められてしまった。「名前。もういいっすよ。顎疲れたでしょう?」と。言われてみれば確かに…という感じだったが、このまま果ててしまえば、彼女の中に挿入することなく情事が終わってしまうだろう。身体を疼かせている彼女への仕置きはこれくらいでいいだろう。そう思ったジュンは即行動に移した。形勢逆転とばかりに、彼に言われた通り腰を突き出した四つん這いの体勢になった彼女。早く欲しい、待ち遠しいと秘部がヒクヒクとする蜜壷にはジュンの男根が沈められた。久しぶりのせいか締まりがきつく、先程の奉仕のお陰で入れた途端に彼は快感に襲われた。「まだ、仕置きは終わってませんからね」とピストンはかなり激しいものになり、ジュンの額には汗が伝っていた。
「んん…っ。奥まで、ちょうだい…っ」
「はァ…っ。名前、やらしすぎ…っ」
左手で腰を掴まれ、右手で敏感な頂を刺激され、彼女のそこはドロドロに蕩けきっていた。パンパンと肌がぶつかり合う音が聞こえ、膜越しに欲を吐き出した彼は、彼女の背中に覆い被さった。汗ばんた身体が重なり合う。恍惚とした表情で息を乱している名前がジュンと見つめ合う。聖なる夜の営みも中々いいものだ。「仲直りのキス」と呟いて、彼女のほうから口付けがおとされた。触れるだけの口付けの後にふにゃりと笑う彼女が愛しくて堪らない。「一緒にシャワー浴びますか」とジュンが提案すると、恥じらった反応をするのは何故だろうか。「今更、何を恥ずかしがる必要があるんすか?」
「だって…お風呂でも絶対えっちなことするでしょ?」
「期待してるくせに…」
END
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