クリスマス
名前
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―周りの友人達は所謂リア充であり、クリスマスはみんな予定が入っているようだ。今年のクリスマスは一人ぼっちか…などと考えながら自宅へと向かって歩いていた名前の目に見慣れた二人の後ろ姿が映る。あれは隣に住んでいる双子の葵兄弟だ。彼らとは去年、一緒にクリスマスパーティーをしたのを思い出す。しかし、後ろから声をかけようとした彼女の耳に二人の会話が途切れ途切れに聞こえてきて口を噤んだ。
「名前さん、今年も一緒にクリスマスしてくれるかなぁ?」
「うーん…名前さんは恋人とクリスマスするんじゃない?」
きっと彼氏いるんだろうね。なんて言葉が胸につき刺さる。その予想とは正反対だよ。と言いたくなる気持ちを抑えて歩いていたら、彼女の足音に気付いたゆうたが後ろに振り向いた。「名前さんだ!」と駆け出したゆうたに続いてひなたも彼女のもとへと駆け寄ってくる。
「名前さーん。ゆうたくんがどうしても名前さんとクリスマスパーティーしたいんだって」
「ちょっと、兄貴!俺はどうしてもなんてワガママ言ってないんだけど」
一人っ子の名前にとって、葵兄弟は本当の弟のように可愛い存在だった。だからこそ、今年も彼らとクリスマスを祝えるのは願ってもない事だったのである。微笑ましくて笑みを滲ませながら、名前は二人の頭を撫でた。二人は照れ臭そうにハニカミながらも顔を綻ばせている。
「私もクリスマスはひなたとゆうたと過ごす予定でいたから結果オーライかな」
当日はケーキ作りも手伝ってもらうからね。と、手を振って自宅に帰っていく名前に手を振って葵兄弟は顔を見合わせた。
「名前さんに彼氏が居なくて良かったね」
「うん。でも俺、兄貴には負けないから…」
「ゆうたくん、随分と強気だね。俺だって負けないよ?」
あなたのサンタクロースになるのは俺ですから―
END