影片みか
名前
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―「みかくんが男と同棲してるなんて…」と、斎宮宗に敵対心を剥き出しにしているのは、影片を追って上京し夢ノ咲学院プロデュース科に入った名前である。影片とは幼い頃に結婚の口約束をした仲であり、彼にぞっこんの彼女。そんな彼女は本日、手芸部まで足を運んでいた。
「なぁ、お師さん。名前ちゃんは昔からお裁縫得意だったんよ」
「確かにこの縫製技術は目を見張るものがある。しかし、小娘とは相容れないのだよ」
彼女の裁縫の技量を証明する為に名前の作った人形用の洋服の何枚かを宗に見せたのは影片だ。「俗物を相手にするだけ無駄なのだよ」とまだ未対面の名前の事を宗が否定していたその刹那、扉のノック音が響き、つむぎが返事をした事から手芸部の扉が開かれ名前が姿を現した。「失礼いたします」と部屋に入ってきた彼女にすぐさま近寄ったのは影片ではなく宗だった。「どんな小娘かと思いきや、中々の造形美なのだよ」と予想外な好感触に驚きをみせたのは名前だ。突然顎を掬われ、品定めするような視線でじっくりと眺められては警戒心を抱かずにはいられない。
「ふん、合格だ。特別に入部を許してやってもいいのだよ」
相容れない人間とはマドモアゼルを介して会話をする筈の斎宮宗が初対面から自ら会話をするという異例の事態に、みかは勿論つむぎも驚愕していた。それもこれも、名前の外見が宗好みであり、縫製技術が優れていた為だ。「お師さんに認めてもらえるなんて凄いわぁ。名前ちゃん」と笑顔で彼女を見据えたみかは嬉しそうに抱きついてきた名前を瞠目しつつも抱きとめた。
「二人の前やのに、抱きつくのやめてぇな」
「だって、みかくんと一緒にお裁縫出来るなんて嬉しいんだもん」
「斎宮先輩、ありがとうございます」とお礼を述べる名前だが、この後マドマアゼルとの対面で困惑したのは言うまでもない。
―「ねぇ、みかくん。私こっちに来てから一人暮らししてるんだ」
だから、たまには家に泊まりに来てよ。と事も無げに言う彼女。朝の教室にはまだ人が少なく、彼らと嵐しか居ない。いくら幼い頃からの付き合いとはいえ、彼らが異性である事には変わりない。普段から積極的なアプローチをしてくる名前に内心戸惑っているというのに、どう答えればいいのか言いあぐねてしまうみかに救いの手もとい鳴上嵐の声が。
「あまりみかちゃんを困らせないであげて」
みかちゃんが困惑するのも当たり前よ。と名前を窘める嵐に「前から思ってたんやけど、俺のどこがえぇのん?名前ちゃんなら、もっと相手を選べるやろ?」と自分を好いていてくれる事への疑問を吐露したみか。「みかちゃんて意外と鈍感なのね」と同情するように彼女に視線を向けると予想外な事に名前はにこにこと微笑んでいた。
「みかくんの鈍いところも含めて好きなんだから困っちゃうね」
「名前ちゃん、そういうのほんまずるいわぁ」
END
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