斎宮宗
名前
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―あれは初恋と呼べるのだろうか。私の記憶に残っているお人形少年は今はどうしているのだろうか。なんて、ふとした瞬間に思い出す幼い頃の出来事。男の子なのにお人形遊びが好きだった彼に話しかける為に、私もお人形を持ち寄って話しかけたし、彼をよく思わない男の子達から彼を守る為に声を張り上げたりするお転婆な少女が私だった。
「どないしたん?お師さん」
「何でもないよ」
―幼い頃、鬼龍と同様に僕に構ってくる物好きな少女が居たような気がする。女のくせに男勝りで、それなのに顔は人形のように整っていた。もう一度、彼女に会えたら…なんて願っていたわけではない。だが、今この場面で彼女を呼び止めなければ、もう二度と会える事はないのだろう。
「そこの君、少し止まってくれないかね」
気付けば、その後ろ姿に話しかけていた。振り向いた彼女は訝しげに眉を顰めたが、マドマアゼルを一瞥して僕を思い出したのか形の良い唇に弧を描いた。普段の僕なら俗物に自ら声をかけるなんて有り得ないだろう。しかし、再会した彼女は俗物とはかけ離れていた。
「久しぶりだね。宗くん」
END
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