逆先夏目
名前
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―「名前は、ししょ~が好きなのな~」
宙に呼ばれて、ゲーム研究部の部室に訪れていた彼女は困惑の真っ最中である。ゲー研の活動日…即ち、此処には夏目も居る。「飲み物を準備するね」と準備を整えていた時、宙が唐突に冒頭の台詞を口にした。この状況、すごく気まずい。そう感じた彼女が誤魔化そうと口を開いた時、夏目から声がかけられた。
「誤魔化そうとしても無駄だヨ。宙は嘘なんてつかないからネ」
「ししょ~、嬉しそうな色な~」
ゲームをやっている宙がこちらを一瞥して、更なる爆弾を放った後「ボクらは先に失礼するヨ」と、夏目が名前の手を引いて部室から連れ出した。「夏目くん、何処に行くの?」の質問に答えてくれる間もなく、近くの空き教室に入っていく。振り向いた彼は壁際に立つ彼女に迫る。所謂、壁ドンの体勢で逃げ場を失くした彼女は目前に居る彼から視線を逸らしている。そんな事はお構いなしに、彼は彼女にぐっと近寄って耳元で囁いた。
―「そんなに身構えないでヨ。別に、取って食ったりはしないかラ」
「だって、夏目くんが近すぎるから…」
「だからそんなに真っ赤になってるんだネ。ボクの子猫ちゃんは可愛いナ」
「夏目くんの意地悪…」
恨めしそうな顔で彼を見据える彼女を腕の中に閉じ込めた彼は「好きな娘には意地悪したくなるんダ」と彼女の艶やかな髪に指を滑らせた。一見、自然な流れに思えるが、今の台詞で両想いだと発覚した。その為、彼女は茫然自失して身を固くしている。
「ハグだけで緊張してるなんて、キス以上の事したら気絶しそうで心配ダ」
「気絶なんかしないし、夏目くんが望むなら何だってするよ」
「変なところで大胆だよネ。子猫ちゃんテ」
END