逆先夏目
名前
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-「アンタ仲良かったでしょ…?夏目くんと」
夢ノ咲のプロデューサーである名前と逆先夏目は母親同士が親しい為、幼い頃から顔を合わせる仲だった。だがしかし、仲が良かったのは彼を女の子だと勘違いしていた時代だけであり、現在では同じクラスなのにも関わらず、そんなに接触もなければ仲もよろしくない。なので、母から告げられた「来週一週間、夏目くんが家に泊まるからね」という言葉は彼女を絶望に突き落とすには充分だった。彼の母は有名占い師である。だから家を空ける事になり、結果として夏目を預かる経緯に至ったわけだろう。
「なんなノ、その顔。可愛い顔が台無しだよ。子猫ちゃん」
日曜の昼下がり、折角の休日をダラダラと過ごそうとしていた彼女は家に上がってきた夏目を一瞥して、顔を顰めた。その途端、この台詞である。「誰が子猫ちゃんだ。その呼び方嫌いなんだよね」と、彼女は嫌悪感を露わにする。きっと女の子になら誰にでも言っているに決まってる。夏目のこのような言動は名前を不快がらせるものでしかなく、現在の彼女は夏目を苦手としていた。客間にて、用意していた紅茶とお茶菓子をテーブルに置き、彼と向かい合ってソファーに座る。一向に視線を合わせようとしない彼女を見かねて、彼は問いかける。「このクッキー、名前の手作り?」と。「そうだよ」と答えるや否や、「名前にも女の子らしい一面があるんだネ」と、しみじみした様子で彼は呟く。「夏目くん、馬鹿にしてるでしょ?」と一触即発な彼らは相性が悪いようにしか思えない。
「名前って学院では、ユニット絡みの時以外はボクを避けてるよネ?」
「どうして?理由を訊かせてよ」と彼は彼女の隣に移動して距離を詰める。彼女の顎をくいっと持ち上げ、顔を寄せる彼は名前が睨んでいる事など全く気にしていない。「睨んでるつもりなノ?可愛いネ」と褒めて彼女の額と自分の額をくっつける彼の口元には楽しげな笑みが浮かんでいる。この余裕な対応が腹立つ。と、苛立ちを抑え、彼女は渋々答える。「避けてるもなにも、夏目くんは出席率悪いし、教室に居ない事が多いじゃない」と咎めるような視線で彼の横顔を見据えると、「拗ねちゃっテ。ほんと、名前は可愛いよネ」と笑われる。調子が狂う。これが彼の魔法なのだろうか。とぼんやり考えながら、カップの半分程になった紅茶を飲み干す。
「可愛いなんて…そんな心にもない言葉、言わなくていいよ」
「昔は喜んでくれたのにネ」
寂しげにそう呟いて、彼は困ったように溜め息をついて再び名前に視線を向ける。「そうだなぁ…今の名前は可愛いというより、綺麗になったと思うよ」と甘い褒め言葉が続く。「勿論、可愛いっていうのも嘘なんかじゃなく本心から言ってるんだけど」と。どうして、あの頃の事を思い出したりするんだろう。と、彼女は頭を過ぎる記憶の一つ一つから目を背けたかった。
-「名前ちゃんが転ばないように、手を繋いであげル」
-「ありがとう。夏目ちゃん大好き…っ」
-「夏目ちゃん、占い師ごっこしよ?」
-「子猫ちゃん、いい匂いがするネ」
「夏目くんにこのタオルケット持っていってあげて」と頼まれた名前は風呂上がりで髪を乾かした直後だった。因みに夏目は彼女よりも先に風呂に入ったので、現在は部屋で寝支度を整えている。そんな中、彼らはどうしようもない事態に陥っていた。夏目の寝室に入っていった彼女は、スリッパがカーペットに引っかかって躓いてしまい、そのままベッドの上の夏目に乗り上げる形で受け止められた。つまり、名前が夏目を押し倒しているような体勢になっているのだ。直ぐに退こうと謝罪すれば、それを阻まれ、彼の腕に拘束されてしまった。冒頭の台詞はその時の彼のものである。「落ち着け。相手は夏目ちゃん。あの可愛い夏目ちゃんだ」と心の中で念仏のように唱える名前だが、彼は無慈悲にも現実を突きつけてきた。
「悪いけど、ボクはもう名前の覚えてる夏目ちゃんじゃなイ。君は女性で、ボクは男性。生憎だけド、逃がしてあげる気はないかラ」
「夏目くん…どうして離してくれないの?」
分かっている。相手が異性であることも。力では彼に適わないということも。しかし、どうしても分からない事がひとつ。女性なんて選り取りみどりであろう彼が何故、自分に執着するのか。どうしてこの腕を離してくれないのか。ありのままに問いかける。「名前が好きだから。それに、ボクの前でこんな格好してる名前にも非があるんじゃないかナ?」と夏目は答えると同時に、言葉による魔法を駆使した。なんて都合のいい夢だ。と、茫然自失してぼーっとしていた彼女はベビードールの胸元に指を引っ掛けられ、びくりと身体をしならせた。名前の寝巻きはセクシーなベビードールであるが、それは日常的に着ているものだったので故意があったわけではない。「暑いから」といって着ているものがまさか、彼の情欲を煽っているとは知らず、抵抗も虚しくベッドに組み敷かれてしまう。
「子猫ちゃん、もしかしてボクを誘ってるノ?」
-「そんな…誘ってなんかいないよ。だから、解放してよ」
「嘘つきな子猫ちゃんだネ。離してほしくないって顔してるのに…」
「それに、本気で抵抗してこないのは…心のどこかで期待してるからだよネ?」
「ボクにこうされることを望んでる…」と、そのままベビードールの裾を捲り上げられ何も纏っていない肌が露わにされた。胸元をきつく吸われ、ピリッとした痛みが走る。いくら鈍感な彼女にだって分かる。所有印…所謂キスマークを付けられたのだと。視線が絡んだ彼は、男の目をしている。可愛かった夏目ちゃんではない。自分を抱きたがっている欲望に満ちた瞳だ。こんな自分を好きだと、女として扱ってくれる彼からの口付けを受け入れると、それを皮切りに身体が暴かれていく。触れられたことの無い蜜壷を、指が刺激する。何もしていないのに、そこが潤っていると自覚させられ、彼のしなやかな指で解されていく。後ろから、両方の乳頭を片手で刺激されつつも、下への愛撫も止めてくれることはなく。
「やだァ…っ。夏目ちゃ…っ」
「夏目。そう呼んでくれなきゃ、ずっとこのままだヨ?」
愛液が溢れ、反応しきった身体が彼を求めている。それなのに、彼は望んでいるものをくれない。彼らは互いに、下腹部の疼きが限界に達していた。夏目の性格上、好きな娘に意地悪するのは仕方の無いことだった。涙目で自分を見つめる彼女に興奮を覚えていたし、彼女自身も懇願するような台詞を吐いていた。
「ねぇ、夏目。頂戴…っ」
「ほんと、ボクを煽るのが得意だよネ」
脚をM字形に開き、ソコに手を添えた彼女の姿は酷く妖艶で。夏目は本能のままに彼女に挿入した。痛みに耐えるように、背中に爪を立てられ、彼は彼女が初めてだということを悟っていた。「ボクに全てを委ねて…力を抜いて…」と、髪を撫でながら名前を落ち着かせる。「全部入れて…」と、気丈に振る舞う彼女の言うように、根元まで挿入した彼は告げる。「全部入ったよ」と。しかし、彼女の意志とは反対に…それは抜かれてしまった。避妊具には、血が付着しており、すぐにティッシュを当てがわれた彼女は、夏目に「じっとしてテ」と諌められた。避妊具を外した彼は名前の隣に仰向けに寝転んで彼女の頭にぽんと手を置いた。
「子猫ちゃん。ボクが満足出来なかったと思って責任感じてるでしょ?」
「だって…絶対、気持ち良くなってないでしょ?」
「痛かったのに、我慢してくれてたんでショ?それに…これからゆっくり慣らしていけばいいヨ」
「夏目、優しいね」と、笑顔を滲ませた名前が起き上がって夏目の唇にキスをすると、面食らったように照れ笑いを見せたが、「もう一回して」とせがまれ、気付けば、口付けは濃厚なものになっていた。
-「ねぇ、夏目。ゴム持参で泊まりに来たの?」
-「名前に渡されたタオルケットに挟まってたヨ」
-「これから一週間、覚悟してテ。箱の中身空っぽにするつもりなんだかラ」
END