バレンタイン
名前
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ー「えー。これ、名前の手作りじゃないじゃん」
「凛月のほうがお菓子作り得意でしょ?それに、それ普通よりもお高いチョコなんだけどな」
本日はバレンタインデー。ということで、レッスン後に幼馴染みの朔間凛月にチョコを渡した名前。だが、彼は不満そうな反応で冒頭の台詞を口にした。同じく幼馴染みで恋人である衣更真緒には手作りのチョコを作ってきていたのだが…凛月にあげたのは義理チョコというか友チョコである。鞄の中には、まだ真緒に渡せていない手作りのガトーショコラが入っている。しかし、彼女は現在それを渡すべきかどうかという問題で迷っていた。隣のクラスをちらりと覗いた時、あんず相手に顔を綻ばせ、チョコらしきものを受け取っている彼の姿を目撃してしまったのが原因だった。醜い嫉妬だと分かっている。自分のチョコしか貰わないでほしいなんて我儘だと…。しかし、思い悩んでいたのは名前だけではなかった。そしてこの時から、ふたりの歯車は狂い始めていた。生徒会の仕事が滞りなく終了し、部屋を後にした彼は、見たくなかった光景を目にしてしまった。自分はまだ彼女からなにも受け取っていないというのに、名前が笑顔で凛月にチョコを渡している場面に出くわしてしまったのである。「ま〜くん。お疲れ様」と、何事も無かったかのように、方向が同じ彼らは帰路に着くが名前も真緒も、そして凛月も終始無言であった。
「なぁ、名前。ちょっといいか…?」
彼女が自宅に向かう前に彼はその手を引っ張り、自宅へ上がるように促した。その瞳には嫉妬の熱が宿っていることには彼女は全く気付かず、只々戸惑っていた。本命チョコを渡していないことを咎められるのだろうか、それとも別れ話だろうか…。とビクビクしながら彼の部屋に招かれた名前を、この後想定外の展開が待っていた。
―「本当のことを言ってくれよ。もう分かってるんだから」
部屋に入るや否や、壁を背にした彼女を追い詰め怒気を孕んだ声で真緒が告げる。「名前の好きな相手、凛月なんだろ?凛月にはチョコあげてたもんな」と。「違う。それに、ま〜くんにはまだ本命渡せてないだけ…」そう伝えたいのに、言葉が続かない。聞く耳を持たない彼は、名前を抱き上げそのままベッドの上に押し倒した。彼の手で押さえ付けられ、身動きがとれない。そんな名前の唇に、荒々しく唇が重ねられた。「私、こんなま〜くん知らない」と心の中で呟いて、彼と視線を絡める。名前の気持ちが凛月に向いているのでは?と、完全に誤解している彼は華奢な彼女の身体を暴いていく。ぐいっと、シャツが捲り上げられ下着が露わになった。抵抗する素振りを見せないのは、相手が他の誰でもない愛する彼だからだ。自分のせいで真緒にこんな行動をさせてしまったのだろう。全てを受けとめよう。と、彼女の思考はあまりにも潔かった。胸を覆う布がずり下ろされ、何も纏っていない膨らみが露わになる。前戯も不十分な状態で、彼はその先端に舌を這わせた。左手はもう片方を愛撫し、その手つきに彼女は身体を捩らせ感じていた。
「んぅ…っ。ま〜くん…っ。こんな、だめェ…っ」
「だめって言うわりに、抵抗しないんだな。それに、ここもこんな濡らして…」
「ま〜くんとなら、いいの…っ」
彼女をを後ろから抱く体勢になった彼は、片方の手で胸を愛撫し、もう片方の手は濡れそぼっているそこにショーツの隙間から指を挿入した。身体の関係がないわけではなかったが、随分とご無沙汰だったせいで、状況も忘れて彼女は翻弄されていた。部屋には粘着質な音が響き、扇情的な雰囲気に呑まれていく。出し入れされる指をきゅうきゅうと締めつけ、無意識に腰を動かしてしまう程に彼女は彼を求めていた。「そんなやらしい顔して、誘ってるとしか思えないな」とショーツを取り上げられ、晒された蜜壷には屹立した彼の男根が入れられる。四つん這いになった彼女のウエストを掴み、ガツガツとストロークが激しさを増していく。ふたりの息遣いと彼女の喘ぎ声が聞こえ、ベッドのシーツが波打つ。
「はぁ…っ。しゅごい、よォ…っ」
「ほんと、犯してるみたいで、興奮するよ…っ」
「ま〜くん…ァァっ。奥まで、きてるのぉ…っ」
先端が最奥を刺激し、快楽の波が最高潮に達した名前は背中を弓なりにしならせ絶頂を迎えた。その後、それに続くように緩く腰を振って彼は彼女のナカで一枚の膜を隔てて欲を吐き出した。崩れ落ちるようにベッド上に倒れた彼ら。寝そべっている彼の横に手をつき、まるで彼女が彼を押し倒しているような体勢で、名前のほうから甘い口付けが落とされた。「無理矢理こんなことした俺に優しすぎるんじゃない?」と真緒はバツが悪そうに苦笑したが、それに反し彼女は清々しい笑顔で彼を見据えていた。「そもそも、ま〜くんに本命チョコ渡すのが恥ずかしくなった私のせいと言っても過言ではなかったわけだけど」と照れくさそうに名前は笑った。「手作りチョコ、俺だけに作ってくれたのか?」と問いかけられ、こくこくと頷く彼女の様子を見て、自分の恋人はなんて可愛くて愛おしいのだろう。と、もう一度、その柔らかな唇に口付けをして微笑んだ彼は漸く、彼女からの本命チョコを貰うことが叶ったのだった。
「はい、ま〜くん。ハッピーバレンタイン!」
「ありがとう。なぁ…たまには甘えていいか?それ、名前の手で食べさせてくれよ」
「凛月みたいなこと言うね。いいよ…デロデロに甘やかしてあげるから」
END
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