2wink
名前
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―「おはよう。ゆうたく、あれ…ひなたくん?」
俺が想いを寄せる相手。名前ちゃんは弟のゆうたくんのクラスメイトだ。だからこそ、羨ましかった。授業中でも彼女と同じ空間に居られるのだから。
「せいかーい!ヘッドホンも替えてたのに、よく分かったね」
「まぁ、プロデューサーだからね」
「俺が弟と入れ替わっているという事は秘密ね」と耳元で告げると、彼女は恥ずかしそうに瞳を伏せた。頬が僅かに染まっているのは照れているのだろうか。恥じらう彼女の姿も一層可愛く感じる。
「でも、どうして…入れ替わってるの?」
そりゃあ、疑問に思うよね。本当の事は言えないから、誤魔化す事になるのが心苦しいけれど。
「ちょっとした目的があるからね」
曖昧な返答に首を傾げる彼女は、その目的を知りたそうに俺の瞳をジッと見つめてきた。名前ちゃんと喋りたいと思っていた筈なのに、いざ彼女と面と向かって会話をすると何だか照れくさい。俺の気持ちを知っている筈がないのに、妙に臆病になってしまう。朝のホームルームが終わった後、ゆうたくんが俺の様子を伺いにきた。
「どう?アニキ、上手くやってる?」
「名前ちゃんが近すぎて緊張する。ゆうたくん、どうしよう」
「いつものアニキなら大丈夫だよ」と弟に励まされて意思を固めた俺はお昼休みに彼女を誘ってみた。
―「ゆうたくんと一緒じゃなくてよかったの?」
2winkとしての俺達をよく知っている彼女は、この場にゆうたくんが居ないのを心配している。テラス席にてお弁当を持参している彼女と向かい合わせに座っている。緊張しすぎて購買で買った惣菜パンの味もよく分からない。お弁当を食べている名前ちゃんも可愛いな、なんて顔がにやけそうになるのを抑えるのに必死だ。
「名前ちゃんと仲良くなりたかったから、話しかけたんだよ」
「えぇ、そんな…私なんて、面白い事言えないし。ひなたくんを楽しませられないよ?」
あぁ…そんなに謙遜する事ないのに。先程から、俺の話を聞いて笑ってくれるだけで幸せなんだから…。しかし、気恥ずかしさが勝るせいで言いあぐねてしまう。これじゃ駄目だ。こんな情けない男、名前ちゃんが好きになってくれるわけない。殆ど2winkの話になっていたのに、彼女は楽しそうに相槌を打ってくれた。
「目的があるって言ったでしょ。それは、俺が名前ちゃんを好きだから…伝えたかったんだよ」
昼食を食べ終わって「デザート食べる?」と、カットフルーツを出してくれた彼女は、俺の告白の後、一瞬動きを止めて目を瞬かせていた。突然すぎて驚かせてしまったようだね。
「ひなたくんには、私よりももっと可愛い女の子がお似合いだよ」
「いいんだよ。名前ちゃんより可愛い女の子なんて居ないんだから」
「ひなたくん…ありがとう」
END